[jp] 日本のクーポン共同購入レースも新局面へーーキラメックスがKAUPON STORESをオープン

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急激な成長、短期間での世界的な展開、次々ときまる巨額投資に買収の噂。世界で勃発したクーポン共同購入戦争は、2010年に日本に飛び火、4月のPikuローンチを皮切りに、猛烈なスピードでそのクローンを増やすことになる。

大手リクルートの参入日本版Grouponの攻勢で業界はさらにヒートアップ、現場から聞こえてくる激しい営業合戦は「IT」という言葉のイメージからかけ離れた肉弾戦の様相を呈している。各社の戦略も多少の違いはあれど、営業人員を増やして販売エリアを拡大させるパワープレイが主流、最近はテレビCMもバンバン流れるようになった。

そのような戦況の中、大きく舵を切るものが現れてきた。国内で二番目にクーポン共同購入サービスKAUPONを始めたキラメックスは今日、店舗独自にクーポンの販売が可能なサービス、KAUPON STORESをローンチする。先日の報道にあったとおり、Grouponも新たなプラットフォームとしてGroupon Storeをリリースしている。流れとしては同じだが、日本版Grouponよりも先行しているのはおもしろい。

KAUPON STORESは店舗独自で共同購入サイトを持つことができるサービスだ。そのオペレーションは彼らの用意するシステムから操作が可能で、店舗は出したいタイミングで好きな期間、自由にクーポンの販売が可能になる。月額課金と販売の手数料がかかることになるが、2011年の1月末まではクーポンの販売手数料のみで利用可能だそうだ。

確かにモール形式の品品プレミアムモール無料のASP、Pondeなどいわゆる「ウェブ的な」手法に目をつけたサービスはある。しかしこのビジネスへの期待感が「販売力、集客力」にある以上、販売の実績がない器だけでは参加する店舗の期待感は薄い。そういう点で既に安定した販売実績のあるKAUPONが同サービスをリリースする意味は大きい。

代表の村田氏も「KAUPON STORESではすでに全国にいるKAUPON会員に対して流入を促すことで、サイトOPENからチケット販売が見込める」と話すように彼らの持つ販売力を有効活用できる点は参加する店舗にとって大きな魅力になるはずだ。

また、ソーシャルにも力をいれるという点も他との差別ポイントになるだろう。組み込みはまだこれからだそうだが、おそらくGroupon2.0で発表されたDeal Feedのように、ユーザーがフォローしたお店の情報をデータストリームとして流すことで新たなクーポンやお店の発見を促すような仕組みが提供されるのだろう。

そもそも共同購入の爆発はソーシャルウェブの活用で火がついたともいわれている。日本でもTwitter上でユーザー同士の驚きが大量にツイートされ、それがクーポンを購入するきっかけになったという人は多いはずだ。

従来型のウェブキャンペーンで実施していたユーザー獲得単価は劇的に下がり、スタートアップがこのビジネスをこぞって取り上げた理由にもなった。今後クーポンが大量に増えた際の発見性やレコメンデーションとしてこのソーシャルストリームは活用されるようになるだろう。

クーポン共同購入のビジネスは爆発力があるといわれながら、実際のスケールには疑問が多く残されていた。結局人海戦術になるのであれば営業合戦に勝ち残る資本力が勝負になってしまう。しかしこの流れは極めてウェブ的だ。

加えて代表の村田氏が元楽天という点も見逃せない。彼の周辺には実に多くの元「楽天」組がいるのだ。他社が大きく営業人員を抱える中、初期の段階から楽天のようなスケールモデルを考えていたとしても不思議はない。

これでレースは新しい局面に入った。事業者たちはパワープレーから真のソーシャルコマースへ舵をきるのか、それとも全力で肉弾戦を続けるのか。来年もこの業界からは目が離せないようだ。