Marissa Mayer
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Marissa Mayer、Googleの現状と未来を大いに語る―コンテキスト・ディスカバリーとは?

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パリで開かれているLeWeb 2010で今日(米国時間12/8)、TechCrunchのMichael Arrington編集長がGoogleのMarissa Mayer副社長をステージ上でインタビューした。 Mayerは最近Google内で昇進し、現在は消費者向けプロダクトの責任者を務めている。Marissaが現在取り組んでいる課題は何か?

われわれがすでに推測していたとおり、まずロケーションが大きなテーマだ。しかし彼女はGoogleが挑戦中の大きな課題についても考えていた。Googleが「コンデキスト・ディスカバリー」と呼ぶ新しいテクノロジーだ。これはウェブ閲覧や位置情報の履歴〔コンテキスト〕をベースにそのユーザーの興味を引きそうなデータを、積極的な検索を待たずに提供するというもの。検索せずにGoogle検索の結果が配信されるわけだ。

Mayerは「つまり人々に情報をプッシュするというアイディア」と表現した。Mayerによれば「ロケーションはコンテキストを提供するのでモバイル・デバイスへの応用が特に興味深い」という。一例として、レストランに入るとその店のメニューがプッシュされる例を挙げた。さらにソーシャル的要素も加えられるかもしれない、とMayerは付け加えた。

Mayerによれば、どのようなUIが最適かについては、いろいろアイディアが出ているものの、まだ研究中という。ブラウザに独立したパネルが表示されることになるかもしれない。しかし表示面積が狭い携帯の場合には別の方式となるだろう。いろいろな実験が行われており、来年には何か発表があるかもしれない。

私たちは世界のあらゆるものごとを映しだすバーチャルな鏡を作ろうとしている”とMayerは語った。

以下は私のライブ・メモだ(私なりの表現で要約してある)。

MA(Michael Arrington): Google内部で新しい職に就いたということだが?

MM(Marissa Mayer): 消費者プロダクト担当となった。ローカル検索、地図、アース、ラティチュードその他すべてのローカル・サービスが対象。それにコンテキスト・ディスカバリーも私の担当だ。たとえばユーザーの位置情報をコンテキストとして、ユーザーがGoogle検索を行う前に、関連性のありそうな情報を積極的に提供する。いま実験中で、来年にはデビューさせることができると思う。

MA: なぜ検索を止めて違う分野を担当することにしたのか?

MM: 私は検索を11年も担当してきた。いまや私たちはナンバーワンのサイトで検索エンジンの分野でもナンバーワンだ。 そこで何か新しいことを始める時期だと考えた。ローカルは検索に縁が深い分野だから私の経験が生かせる。現在私は開発チームを持っている。800人から1000人のエンジニアが私のところに所属している。世界中の関係者をすべて集めれば2000人くらいになるかもしれない。“私たちは常に世界のあらゆるものごとを映しだすバーチャルな鏡を作ろうとしている。”

MA: コンテキスト・ディスカバリーについてもう少し聞かせてほしい。

MM: つまり人々に情報をプッシュするというアイディア。ロケーションもひとつのコンテキストになる。ブラウザやツールバーの中なら、ユーザーの訪問先がコンテキスト。そこに私たちは情報を流す。しかし適切なUIを開発することが大きな挑戦になる。ブラウザの中では右サイドなり画面下部なりに専用のパネルを設けてブラウジングを助けるかたちがよいかもしれない。携帯電話の場合は、ユーザーは外の世界に存在している。私たちはそのユーザーのコンテキストに合わせて、次に必要になるもっとも役立つ情報は何かを推測して提供しようとしている。たとえばユーザーがレストランにいるならメニューかもしれない。友達が何を食べたか、何を推薦しているかというソーシャルメニューのようなものも考えられる。明示的なロケーション、暗黙のロケーション情報も有用なコンテキストになる。

MA: Latitudeもあなたの担当だ。あれはひどい製品だ。

MM: (Laughs) 私は使っている。

MA: しかしFoursquareの熱心なユーザーだろう?

MM: そのとおり。しかしLatitudeは小さいグループで利用するのに向いている。数人の相手にユーザーがどこにいるか常に知らせておきたい場合には便利だ。Latitudeには近く新しいレイヤーが登場する。こちらはグループが大きくなった場合に向いている。手動、自動のチェックインがサポートされる。このレイヤーはLatitudeないしMapsで提供される。

MA: iPhone版でLatitudeをローンチした? われわれは見た

MM: それは近い。われわれは関心を持っている(笑)。

MA: Googleはこの12ヶ月で3つの大きな買収を試みたらしいが全部失敗に終わった。Yelp、Twitter、Grouponだ。あなたがコメントできないことは分かっている。しかしどうしてGoogleは3つのケースで失敗したのか? Googleは一時のような輝きを失っている?

MM: 具体的な例についてコメントはできない。しかしこうした案件というのは個別にまったく違う事情がある。相手の会社が大きくなれば合併はそれだけ複雑になる。たとえばSlideはGoogleの買収後も依然として独立した組織だ。

MA: HotPotとうのは何か? Yelpキラーを意図しているのか?

MM: そうではない。HotPotは推薦エンジンだ。モバイル版MapsとPlacesに組み込まれる。たとえばレストランに行ったときにその場で格付け評価ができる。友達その他のユーザーにそれを知らせることができる。良質の推薦エンジンを作ろうというのが狙いだ。ソーシャルなフィルタリングなど共同作業の要素を取り込んでいる。

MA: Buzzを思い出した。いや、似ていると言っているのではないが。

MM: Buzzに特に似ているとは思わない。HotPotは新しいローカル格付けサービスだ。

MA: さてGoogle Social, +1について何か?

MM: Googleにとってソーシャルが重要であることは確かだ。私たちは十分研究していく必要がある。

MA: しかしこの先も失敗を繰り返すようだと、Facebookの成長を目前にしながらMicrosoftへの道を歩むことにならないか?

MM: ソーシャルで成功することが重要なのは明らか。今度こそ正しいアプローチを見つけるつもりだ。とはいえ、われわれは焦ってはいない。検索、モバイル、ローカル、ソーシャル、いずれも重要な柱だ。今のところGoogleは最初の3つについては成功している。4番目についても努力している。

MA: Twitterがインターネットのエコシステムに果たす役割をどう考えるか?

MM: 情報の拡散チャンネルとして驚くべき成功を収めていると思う。ニュースを得るチャンネルとしてもだ。しかしTwitterはわりあいに一方通行のメディアだ。GoogleではHotPotに連携させている。FoursquareもTwitterとの連携がうまく行っている。ここにチェックインした、あそこにチェックインした、という具合に。Twitterはすばらしいプロダクトだ。私はよく使っている。

MA: 向こう半年くらいの間にあなたの担当分野で新たな買収がある?

MM: もちろん。平均すると毎週1件くらいの割合で買収を行なっている。年間だと、 1件から3件くらい。AdMob、ITAのような大型買収の案件も常に進行中だ。

―——Dave Burkとエンジニアリングチームが登壇。 Nexus SにGingerbreadを手にしている。——–

DB: われわれはこのデバイスの開発でSamsungと1年間協力してきた。これは純粋なGoogle体験ができるデバイスだ。GoogleのAndroidの最高の製品だろう。

MM: 特に重要なアプリはGoogle Maps for Mobileだ。すでに1億人のユーザーがいる。今回Google Maps for Mobile
5.0にアップグレードされた。

DB: マルチタッチで地図の3Dビューが得られる。

MM: ベクター表示なのでスムーズにスームイン、ズームアウトできるのが特長だ。

MA: このデバイスでは壁紙が気に入った。当面販売はアメリカとイギリスだけということか? 他の国はどうなるのか?

DB: 予約受付を開始したのは2、3カ国だけだ。その他の地域への拡大はクリスマス後になる。

MA: Yahooについて」は?

MM: Carol〔Bartz、CEO〕はよくやっていると思う。Bing検索エンジンでMicrosoftと提携したのは賢明な動きだった。Googleと提携してくれれば良かったのだが。しかし克服しなければならない課題も多いようだ。

MA: Googleの投資戦略は? Zyngaに投資したが、Twitterについてはどうか?

MM: ソーシャル・ゲームは投資対象として非常に有望だ。他の分野については検討しているところだ。

MA: 秘密委員会のメンバーになったそうだが?

MM: そう、社内ではOCと呼ばれている。Operating Committee〔運営委員会〕だ。10人あまりが参加している。いずれもGoogleに大きな貢献をしたメンバーだ。Googleの運営方針を決める手助けをする。このメンバーに選ばれたことを誇りに思っている。

MA: 投資やプロダクトを終了させることも職務のうち?

MM: そのとおり。

MA: さて何か他には?

MM: 今週は素晴らしい週だった。Nexus S、Gingerbread、Chrome OS、 Chromeブラウザのユーザーが1億2000万人。それにChromeウェブストアのオープン。

MA: エクステンションにしてはウェブストアとは大げさな名前では?

MM: かもしれないが、これらのエクステンションは従来のようにクライアント側ではなくネットワーク側でホストされているところは注目されてよい。しかもすべてHTML5で書かれている。

MA: Chrome OSとAndroidの差別化は?

MM: まだ未定の部分がある。Chrome OSの可能性は大きい。ただ現在はノートパソコン用として考えている。すでにネットブックのレベルではない。Androidはタブレットを開拓している。しかしフォームファクターとしては相互に入れ替えが可能だ。Google TVはAndroidをベースにしている。デベロッパー・コミュニティーも双方にコミットしている。

MA: Chrome OSをMacBookにダウンロードして使えるようになる?

MM: 答えるのは難しい。あやふやな推測はできない。不可能ではないだろう。ともかくChrome OSの重要なポイントは猛烈に速いことだ。ノートパソコンを開いたとたんにすぐに使えるようになっている。この出張から戻ったら私のためにも1台用意されているはずだ。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01