Yahooが殺したのはDeliciousではなく消費者の信頼だ

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過去48時間に、これだけYahoo「衰退」のニュースを見ることになったのには相当驚いている。悪評のリークが大規模な反感を呼び、それがユーザー対応惨事、混乱、さらにはユーザー対応大惨事となってしまったようだ。現在Yahooは、Delicious(同社で最も有名な「衰退」サービス)を通じて、同社失態に関する報道に食ってかかっている。Danny Sullivanが、この見当違いな反応を見事に斬り捨てている。しかし、問題はさらに根深い。

Yahooは、Deliciousを殺していないかもしれないが、別の何かを殺してしまった。彼らに対する消費者の信頼だ。

この騒ぎの終りのない議論を読んでいる間じゅう、ある考えが頭を離れなかった。Flickrの写真を撤退しなくては、今すぐ。Flickrは「衰退」サービスの一覧には載っていないが、一年後そうなっていないと誰が言えようか。半年後かもしれない。私にはわからない。実際、このサービスに似たようなことが起きる可能性は半々だと私は思っている。

たしかに、Deliciousはここ数年かなり停滞していた(もちろんその責任はYahooにある)が、いわゆる「Web 2.0」の流れの中で長い間主役を演じてきた。事実、YahooによるDeliciousの買収は、TechCrunchが2005年に報じた最初の特ダネの一つだった。Deliciousに山ほどデータを持っている人たちは山ほどいる。この人たちにとって、Deliciousは今でも貴重なツールだ。ユーザーは何百万人もいる。Yahooは、彼ら全員を侮辱したのだ。

Mathew Ingramは、この動きをYahooのビジネス視点からは理にかなっていると指摘する。しかし、Yahooビジネスにとって最重要な要素は、彼らのサービスを使うユーザーだ。これほど大きなサービスを、ほんの気まぐれで消すところを見せるようなら、他のサービスがそうならないと、どうやってユーザーを説得できるのだろうか。

YahooはDeliciousを、もはや「戦略的に適合しない」と言っている。ではFlickrは? CEOのCarol Bartzは、Yahooとは何かの説明に苦労しているが、彼女が出した何十という答えの中に「写真共有サービス」が入っていないことを私は知っている。

他の数多くの大企業も、しょっちゅうサービスを打ち切っているのは確かだ。たとえばGoogleは、2009年にDodgeball、Jaikuといった多くのサービスを衰退させた。しかし、時代が違う。あれは米国経済全体が崩壊した時だった。誰もがあらゆるところで切り詰めていた。しかも、どのサービスもDeliciousほどの規模ではなかった。

Yahooの今の計画はDeliciusの買い手を探すことだ。それは結構だが、容易ではないかもしれない。この騒動と共に値を下げるに違いないが、それでも会社としてかなりの金額が必要になる。Yahooの一部として長い時間を経ているので、プログラムには独自のコードが相当含まれている可能性が高く、ただでそれを出すわけにはいかない。

この情報が漏れる前にも、DeliciousをYahooから引き離すことに関心のあるシリコンバレー企業がいくつかあったと聞いている。障壁は価格だったがそれは今後も同じだろう。Yahooはきっと買い手を見つけられるだろうが、彼らのそぶりほど簡単ではないはずだ。

そして、それもまた大きな問題だ。戦わずして死ぬ状況になったらどうするのか。

Flickrはその何千倍も問題だ。このサービスはあまりにも大きく、Yahooから買い取れるところは大物のどこか以外にない。Google、Microsoft、Apple、Amazon等のことだ。そこでもまた、Yahooが何らかの意味で今でもライバルだと思っている誰かに、買ってほしくないコードがたくさん入っているに違いない。

とにかく全体的な状況が悲惨だ。Yahooはかつての自分の影になってしまった 。相次ぐ大がかりなレイオフの後でさえ、夥しい数の有能な人々が働いている。しかし、こうした人たちは、Yahooが株主の喜ぶ何かへと変身しようとトップから下りてくる、大局的な製品方向性に関する決断に対しては、どうすることもできない。

問題はそこにある。Yahooでは株主がすべてだ。常にそれが根底にある。重要なのはそれだけ。大切なのはユーザーではない。すばらしい製品を作ったり維持したりすることでもない。金になるものを見つけて、残りを切り捨てるだけだ。

Googleにデータを預けることをプライバシーを理由に心配する向きが多い。しかし、今私はYahooにデータを預けることが、いつ消滅するかもしれないという理由で問題になっている。これは実に恐ろしいことだ。

[写真提供: flickr/dev null

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(翻訳:Nob Takahashi)