Appleとそのアプリケーションがプライバシー侵犯で集団訴訟へ

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面倒なことになった。Appleは今、集団訴訟に直面している。訴状では同社が、アプリケーションやパートナー企業に対し、ユーザの特定を許しているというのだ。それは、Appleのプライバシーポリシーに違反しているだけでなく、一般的なプライバシー侵害にもあたる、と。

Appleのプライバシーポリシーは、この問題に直接言及しているが、しかしAppleの行為を具体的に制限してはいないため、Appleやそのアプリケーションは、やろうと思えばいろんなことができる。訴訟が問題にしているのは、この点だ。また、Appleが今たまたま最大のターゲットになっているだけで、類似の問題を抱える企業はほかにいくつもある。訴状は曰く、PandoraやThe Weather Channelなどが集めた“非個人情報”から、容易に個人を同定することができる。

いくつかの鍵となる情報から個人を同定できることは、よくある。たとえば、Paul OhmがLatanya Sweeneyから引用している研究によれば、誕生日と性別とZIPコードが分かれば、ほとんどのアメリカ人を同定できる。これらの情報は、多くの人が、Web上で何度も入力したことがあるだろう。

個人を同定して一体何をする気だ、と居直りたい気分もあるが、しかし、プライバシーの性質や個人情報の価値が時代とともにどれだけ変わっても、やはりどうしても”悪用される”という心配がつねにつきまとう。

しかもエンドユーザは、誰が何を集めて何に利用しているのかを、よく知らない。プライバシーポリシーは、次のように言ってはいるが:

“弊社が顧客の行動をよりよく理解し、弊社の製品やサービス、広告などの改良に役立てるために、ユーザの職業や言語、ZIPコード、エリアコード、デバイスのユニークな識別子、住所などの情報を、Apple製品が利用される機会に収集することは、ありえます。”

しかし、これらの情報の収集に関して、アプリケーション側に何も制約はないのか? ”弊社の広告”とは、”弊社のデバイス上の広告”という意味なのか? Pandoraはユーザの音楽の選択を、個人情報と見なすのか、それとも非個人情報と見なすのか? そういう区別の根拠は何か? また、匿名情報とは、ただ単に”氏名”が直接的には分からないだけで匿名と言えるのか?

実際には、何百万人ものユーザが、個人情報やプライバシー情報を提供しているとは夢にも思わずに、実際には提供している。しかもそのことは、各自が自分で探求して知るしか、知る方法はない。またそれらの情報の提供には、明確なオプトアウトがないことも多い(”そのサービスを使わない”という方法以外は)。The Weather Channelのようなサービスはオプトアウトを提供すべきだという意見も多いが、それでも、利用者の多い大型サービスは大量の個人情報を集めてしまいがちだ。

訴訟のターゲットは今のところAppleだが、情報の断片から個人を同定できる、しかもそれがビジネスの中心になっている、という意味では、Googleなども十分、この訴訟の対象になる。ある種の妥協は可能かもしれないが、わずか数年で満足のいく解に到達するとは思えない。このような、個人侵犯的なサービスは、まだきわめて初期的な段階だ。それが今、成長期にさしかかっているから、このような訴訟も起きたのだ、と見ることも出来る。

消費者が不満をぶつける対象は、マーケティング企業であるべきかもしれない。そしたAppleなどの企業のポリシーは、情報のマーケティング的な利用を明示的に制限すべきかもしれない。ただしそうすると、やけに具体的で細かいポリシー条項になってしまうだろう。それらの条項は、具体的に明確であるとともに、包括的でなければならない。いずれにせよ、現行のプライバシーポリシーと関連法の不備という’抜け穴’を、最大限に利用しているのが、マーケティング企業だ。

アップデート: デベロッパ合意条項(developers’ agreement)からも、関連部分を引用すべきだろう:

さらに、あらゆる種類の個人情報の利用は、いかなる場合においても、あなたのアプリケーションのサービスと機能性を提供するために必要とされる範囲内にとどめるべきである。たとえば、集めた個人情報をテレマーケティングに利用することは禁じられる(ユーザが明示的に同意していない場合)。あなたとアプリケーションは、住所データや個人情報を、未承認の公開やアクセスから守るために、適切な措置を講ずる必要がある。

これは、プライバシーポリシーよりはやや具体的だが、しかしそれでも、多様な解釈の余地は大きい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))