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[jp]Facebookの成長の裏側を知る書籍「フェイスブック 若き天才の野望」は今日発売

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本家TechCrunch Japan編集長のMichael Arringtonも絶賛していた米フォーチュン誌のデビッド・カークパトリックによるFacebookのノンフィクション『フェイスブック 若き天才の野望』(日経BP刊)がいよいよ本日書店に並ぶ。すでにアマゾン楽天ブックスなどで予約をしてる人たちは手元に届いているだろう。

以前からこの本の発売や1月15日に公開される映画『ソーシャル・ネットワーク』の話題によって、今週はFacebookウィークになるだろうと思っていてたが、すでにテレビ東京のワールドビジネスサテライトや日経新聞などの報道によって、本の発売を待たずしてFacebookの情報が溢れかえっている状態となった。

思えば、インターネットでは珍しく、Facebookは米国での大成功からだいぶ時間がかかって日本でも話題になったサービスだと思う。もちろんTechCrunch Japanの読者は日本で一般に騒がれる以前から利用していたのだと思うが、それでも初期のころは大学生しか利用できなかったし、身の回りの利用者が少なければソーシャルネットワークという性質上、利用する機会にもあまりなかっただろう。事実、これだけイノベーティブなサービスだったのにも関わらず最近までFacebookに関する話題は翻訳記事を掲載したのにもかかわらずTechCrunch Japanでもあまり読まれなかった。

僕がFacebookを使い始めたのは、Facebookが自らのプラットフォームを解放してその上で動くサードパーティーによるアプリケーションが登場してきた2007年10月ごろだった。このプラットフォームの解放は後にZyngaのようなソーシャルゲームの成功企業を生み出し、そういった市場の変化を読み取ることで、国内でもmixiがFacebook同様に自社のプラットフォームを開放し、ソーシャルゲームに参入するスタートアップたちが数多く登場したのはすでによく知られたことだ。そして、モバゲータウンやGREEなどが追随してソーシャルゲーム市場は大きな市場へと成長している。そう考えると、たとえFacebookの利用は盛んでなかったとしても、Facebookの動向による影響は日本でも大きく作用していたのかもしれない。

そういえば、FacebookもmixiもGREEも同時期にスタートしたサービスだと考えると、非常に興味深いものがある。

前置きが長くなってしまったが、本書はFacebookを生み出したマーク・ザッカーバーグを中心に、Facebookにかかわってきた主要な人物たちにインタビューを重ねて見えてきた、Facebookのサクセスストーリーとその分析を見ごとなまでに書き上げている。アップルにせよ、マイクロソフトにせよ、グーグルにせよテクノロジー業界の成功譚を知るのはとても意識を高揚させてくれるのだが、いかにしてFacebookが市場で成功を勝ち得たかに興奮させられるとともに、現実にいまインターネットでビジネスをする人たちにとって参考になることが数多く含まれているように思える。

そしてなによりも、マーク・ザッカーバーグの人となりやビジョンといったもを感じとれたことが興味深い。Facebookに関する報道は国内でもあまり多くはなく、ザッカーバーグ自身がどのような考えでFacebookを運営しているのかについてはあまり目にしたことがなかったように思う。人とのつながりや行動を「透明性」をもって可視化することについては、さまざまな局面で、プライバシーの扱いとしてユーザーと衝突するが、まさにこれこそがインターネットユーザーが自身のインターネットでの振る舞いを決めるためのテストモデルとなっているように思える。どこまでをオープンにし、どこまでをオープンにしないのか……。

ニュースフィードの登場によって、われわれの行動が透明となり、プライバシーが消滅するるとともにユーザー同士の親密度は上がる。この相反する関係によって、Facebookのバランスは保たれている。そういうことを考えていくとFacebookはある種インターネット上でのわれわれの行動を規程している(いく)のかもしれない。

そして本書では映画『ソーシャル・ネットワーク』の原作となったベン・メズリックの『facebook 世界最大のSNSで、ビル・ゲイツに迫る男』(青志社刊)とは違って(こちらはザッカーバーグを取り巻く初期のFacebookにかかわった人たちの人間模様が中心)、ソーシャルサービスのこれからについてもあれこれと考えを巡らせられるように、その将来についても記されている。

Facebookの成り立ちについて、ひと通り知りたいのであれば、まずはこの本を読んでみるといい。ちょうど読み終わるころには映画も公開しているのでそれを見れば、異なった視点からのFacebook、ザッカーバーグの姿が見えてくるだろう。

そうそう言うのを忘れるところだった。僕自身はまったく関わっていないので宣伝めいているつもりはないのだが、本書はいつもTechCrunchのオリジナルの記事を翻訳してTechCrunch Japanに掲載している滑川海彦氏と高橋信夫氏が翻訳している。常日頃からFacebookを始め最新のシリコンバレーの情報に精通している二人だからこそ、的確な翻訳になっているのではないかということを付記してこう。