iPadの成功を誰一人予測できなかった件
Appleは昨年iPadを1500万台近く売った。台数ではMacを上回っているし、売上高でもMacに迫る勢いだ。10-12月期には730万台が売れたが、これは7-9月期に比べて75%のアップだ。12月期の売上高、$4.6B(46億ドル)は連続して65%のアップだ(iPadのリリースは4月)。
どの点から見ても、全く新しいジャンルのコンピュータとして、これは大成功といわざるをえない。あまりにも信じがたい成功だったので、強気のウォールストリートのアナリストも夢想的なブロガーも、誰一人として予言することができなかった。
Asymcoの記事はウォールストリートのアナリストとテクノロジー系ブロガーのiPadの初期の売れ行き予測を集めている。iPadの2010年の実際の販売台数は1480万台だった。これに対してウォールストリートのアナリストの予測の最高は700万台(Broadpoint AmTechのBrian Marshall)、これにDavid Bailey(Goldman Sachs)の620万台が続いた。Appleの熱烈なファンであるGene Munsterも当初は350万台程度と予想していた。14人のアナリストの予測の平均は330万台だった。
テクノロジー・ブロガーの方が多少成績が良かった。Foxのアンカー、Clayton Morris(彼がブロガーかどうかはやや疑問だが)、900万台と予測した。John Gruberの予測が800万台。8人のブロガーの平均は550万台だった。
つまり、iPadはブロガーの予測の3倍売れたことになる。ウォールストリートのアナリストの予測に比べれば5倍だ。テクノロジーについて予測する場合、革新的であればあるほど理解できる人間は少なくなるのが常だ。
Asymcoによる集計は以下のとおり。
専門アナリストによるiPadの初年度売上台数予測 (ソース:TMO Finance Board)
- Brian Marshall, Broadpoint AmTech 7.0
- David Bailey, Goldman Sachs 6.2
- Kathryn Huberty, Morgan Stanley 6.0
- Shaw Wu, Kauffman Bros. 5.0
- Mike Abramsky, RBC Capital Markets 5.0
- Gene Munster, Piper Jaffray 3.5
- Ben Reitzes, Barclays Capital 2.9
- Keith Bachman, BMO Capital 2.5
- Jeff Fidacaro, Susquehanna 2.1
- Chris Whitmore, Deutsche Bank 2.0
- Scott Craig, Merrill Lynch 1.2
- Peter Misek, Canaccord Adams 1.2
- Doug Reid, Thomas Weisel 1.1
- Yair Reiner, Oppenheimer 1.1
- Clayton Morris: 9
- John Gruber: 8
- Horace Dediu: 6
- Natali Del Conte: 5
- Ross Rubin: 5
- Mike Rose: 4.5-5
- Jason Snell: 3
- Andy Ihnatko: 3
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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)