スマートフォンのアプリケーションが救急業務を補佐して心臓発作の救命に活躍

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実際に人の命を救うスマートフォンアプリケーションについて書く機会は、そうめったにあるものではない。だから、この記事には、どうしても気合いが入ってしまう。

たった今(米国時間1/25午前)、カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のSan Ramonで、Fire Department(消防署)という、なんだか商品名とは思えない名前のiPhoneアプリケーションの、新バージョンを発表する記者会見が行われている。列席しているのは地区の消防署長Richard Price、国際消防署長協会(IAFC)の理事長Jack Parow、WorkdayのCEO Dave Duffield(PeopleSoftの協同ファウンダでもある)、そしてO’Reilly MediaのTim O’Reillyだ。おもしろい顔ぶれだが、実はこれは、多くの人命を救う重要なキャンペーンの始まりかもしれないのだ。

アプリケーションの概要はこうだ: 立ち上げると、CPR(心肺機能回復技術)の訓練経験者で緊急時に見知らぬ人を助ける意思があるか、と尋ねられる。この二項目に対してyesなら、アプリケーションはiPhoneの位置機能を使ってユーザの位置を調べる(最新バージョンではこのとき電池の消費量を極力抑える)。それから、消防署が次に受け取った911がそのユーザの近辺なら、彼/彼女にiPhoneのプッシュ通知が行く。その際アプリケーションは、近くにあるAED(automated external defibrillator, 自動体外式除細動器)の所在も教える。

単純なアプリケーションのようだが、これで見事に人命が助かる場合もありえる。心臓発作で救急車を呼んだ場合の生存率は、悲しいほど低い。1分の違いが生死を左右する。でも、救急車の平均到着時間は8分だ。基礎訓練しか受けていない人のCPRでも、命を救えることがある。まずいことに、AEDは公共施設、空港、図書館、企業など至る所にあるが、その所在を誰も知らないから、使われないままのことがある。このアプリケーションは、こういうAED事情も変える。

このプロジェクトの言い出しっぺは、San Ramon Valley防火地区で、プロジェクトのリーダーは署長のPriceとLucas Hirst(彼はたまたま、高校の同級生だ)だ。iPhoneアプリケーションの開発を担当したのは、Northern Kentucky大学のCenter for Applied Informaticsだ。アプリケーションはかなり前からあり、San Ramon地区の現在の救急呼び出し状況を知るなど、基本的な機能はあった。そして今日からは、このアプリケーションをもっとビッグなものに仕立てたいのだ。

そのためにまず、このプロジェクトの面倒を見る財団を立ち上げる。iPhone以外の機種用のモバイルアプリケーションは、Workdayが開発する。完全に、オープンソースだ。Hirstによれば、彼らは今回、最大限に本気だそうだ。つまり、アプリケーションで儲ける気はない、命を救いたいのだ。

ロジスティクスの面での課題が、たくさんある。San Ramon Valleyの消防署は、合衆国のほかの地域と比べて、かなり進んでいる。たとえばすべてのAEDのデータベースがあり、それらの所在が正確に分かる(例: 「Macy百貨店のチェックアウトカウンターにある」)。しかし、実際は、AEDの所在のリストすらない消防署も多い。あるいは、「空港」とだけ書いてあって、いざというとき役に立たない記録とか。またこのシステムは、救急部署がよく理解して積極的に協力しなければならない。でも署長のPriceによれば、人力のリレー方式に頼っている地域が多いから、そんなところでは使えないと。

でも、これはとても重要なシステムだ。プロジェクトはまだ、きわめて初期段階だから、普及はまだまだこれからだ。苦労も課題も多いだろう。でも高校のクラスメートHirst曰く、”たった一人の命を救うだけでも、十分に存在価値がある”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))