インターネット販売でAmazonを出し抜くには

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編集部注:本稿は、TrialPayのCEO、Alex Rampellが執筆した。RampellはTechCrunchのレギュラー執筆者として、以前にも記事を書いている。

再販業者のロングテールには別れを告げよう。少なくともインターネットでは。

1980~90年代、私たちは「家族経営」の日用品店が徐々に姿を消し、バターからまで売る、Walmartなどのスーパーストアに取って代わられるところを見てきた。この流れの中では、どの立場から見ても、次の伝統的経済原則が成り立っている。Walmartは大量一括購入により、仕入価格を下げ、その低価格を消費者に順送りしている(Walmartは、「略奪的価格」によって家族経営の店を追いやり、その後で価格を上げたと訴えられたこともある)。この世のあらゆる商品を一箇所に集めることで、Walmartは生活必需品で消費者を(時には原価割れで売って)呼び寄せ、他の商品の衝動買いへと誘う。

Walmartが、世界を完全制覇していない大きなな理由が一つある。地理だ。Walmart.comは、Walmartのオフライン販売と比べてごく小さな存在でしかない(人々はオンラインよりオフラインではるかに多額の出費をすることを思い出してほしい)。Walmartを占め出しているコミニュティーもあり、ニューヨーク市はその一例である。もちろんWalmartから遠く離れたところに住む人たちもいる。

しかし、UPSやフェデラル・エクスプレスのトラックが行かない場所はないので、「Walmart効果」はオンラインでこそさらに極端になる。ここではAmazonが巨大なゴリラである。

消費者がA店よりB店を選んで買い物をする時、次の5つの要素を組み合わせて計算する。

価格(実際の価格+注文の手間にかかる「摩擦」)
地理(消費者との距離)
品揃え(私に合うサイズがあるか、稀少な商品はあるか?)
サービス/ブランド(信用/好み)
体験(商品Xを簡単に買えるか、そのようにデザインされているか)

インターネットショッピングでは、驚くべき価格透明性が実現し、UPSで配達できる殆どの商品に関して地理的障壁はなく、Walmart効果が発揮される。これによって、米国に靴屋のオフライン店舗が4万1000店あるのに対して、オンラインはわずか5店ほどであることが説明できる。残るは、品揃え、サービス、体験である。品揃えは、SquashGear.comのような小規模サイトが成功するであろう理由であり、Zappoの売上が$1B(10億ドル)なのはサービスのためだ。

危険なのは、隙間ビジネスが大きくなると、インターネットのWalmartであるAmazonに侵略されてしまうことだ。私は、もしスカッシュがアメリカ最大のスポーツになったら、Amazonが「巨人」となって商品をもっと安値で仕入れ、消費者にもっと安く提供し、世界規模の運送インフラとあいまってsquashgear.comを廃業に追いやると確信している。

もしあなたが、Eコマースに参入したくてうずうずしている起業家なら、地理で戦うことは(Amazonのいない地域で既存の小売店を真似する以外)できず、純粋に価格で戦うことも不可能であることを覚えておくべきだ。しかし、できることがある。

優れたショッピング体験を育むことだ。BlueNileは婚約指輪を買うならどこよりもよい場所である。靴ならZapposだ。Amazon.comの最大の利点(あらゆる物を同じ方法で買える)が最大の弱点になることもある。違った買い方をするように作られている商品もあるのだ。

非日用品化:もしあなたが、普通の日用品再販業者なら、価格以外に非常に明確な特徴が必要だ ― ただし通常これは容易には見つからない。Diapers.comは、AmazonらしさでAmazonの上を行く、きわめて稀な会社だ。もし注文の際に何か独自のもの(ユーザーが日用品と共に使える独自ソフトウェア)を付け加えることができれば、見かけの高価格を上回る価値を消費者に提供して差別化することが容易になる。例えば、ビタミン薬の再販業者なら、服用する時刻を知らせるスマートフォンアプリを開発して、商品にバンドルすると良いかもしれない。

再販業者にならず、買い手と売り手のためのマーケットプレイスを作る。Etsy、eBay、IronPlanet、Copart、Elanceなどは、ネットワーク効果を守るための技巧に特化することによって、優れた価値を生み出した。この分野はまだまだ伸び代を残しており、ベイビーシッターからピアノのレッスンまで、待望されているマーケットプレイスはたくさんある。最高のマーケットプレイスは、頻繁に購入される商品で、さまざまな種類の売り手が豊富にいて、やりとりの繰り返しが少ない、という傾向にある。例えば、いろいろなレストランで食べたいと思うが、ピアノは同じ先生に何年も習うのが普通だから、OpenTableの方がピアノレッスンのマーケットプレイスよりも大きくなりそうだと、すぐにわかる。

分散型コマース:Amazonに価格で勝つことができるのは誰か。Amazonで商品が売られている会社だ! Kindleを除き、Amazonは単なる再販業者 ― 他人の商品に値段を付けている ― にすぎないので、その「他人」が直接消費者に売れば理論上Amazonを出し抜くことができる。しかし、殆どの製造会社は消費者に直接商品を売ることに長けておらず、流通の混乱を嫌う。そして消費者は、「たこつぼ」マーケットよりもスーパーマーケットで買う方が好きだ。非集中化(分散)されたコマースを想像してみてほしい ― 1つの仮想ショッピングカートや仮想サイフを使って、いくつの製造業者からでも買うことができる。夢物語かもしれないが、体験とサービスの要素を満たすことができれば、これは価格と品揃えでAmazonに勝つ膨大なチャンスである。

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(翻訳:Nob Takahashi)