Synaptics
MWC 2011

TouchPadのSynapticsが画期的技術を開発―名刺10枚の上からのタッチも判別可能に

次の記事

Half-Life 2のValveは社員1人あたり売上でGoogleとAppleを上回る


〔バルセロナで開催中のMobile World Congressでの取材〕 読者の多くはそれと知らずにSynapticsの製品を毎日使っていることと思う。TouchPadで有名なこの会社は触覚に関する先端技術の開発を日夜進めているが、ここでデモされている最新の成果は画期的だ。

開発チームはタッチ・コントローラー(接触情報を処理する小さいチップ)とディスプレイ・ドライバを連携させることに成功した。つまりディスプレイ自身が発生するノイズをタッチスクリーンが発する信号から取り除くことができるようになった。これによって信号/雑音比が大幅に改善され、スタイラスや手袋をはめた指などで接触した場合でも動作を正しく読み取れるようになった。

ここではゴルフ用手袋をしたままで、あるいはスタイラスやピンの先でさえ、タッチセンサーが正常に作動する様子がデモされている。なんとスクリーンの上に名刺を10枚重ねた上から触っても読み取れるのだ。これによってタッチスクリーンの使い勝手が画期的に向上するのは言うまでもない。たとえば、通常の指によるタッチへの反応はそのままで、スタイラスによる細かい字の筆記もサポートするような機能を持たせることも可能になるだろう。

またディスプレイドライバとの統合によってもたらされるもう一つのメリットは、反応が即時といっていいほど速くなることだ。通常、ユーザーがアイコンに触れたり、スクリーンのどこかをタップしたりした場合、その情報はタッチセンサーからタッチドライバを経由してCPUに届けられる。CPUはレイアウト情報を参照して次のフレームに表示されるべき内容を決定する。その情報がディスプレイドライバに送られ、画面の書き換えが起きる。この新テクノロジーではタッチドライバとディスプレイドライバが直接交信する。つまりタッチドライバがディスプレイドライバに対して、次に表示すべき内容を指示することができるため、反応速度が大幅に向上する。


もちろんこうしたドライバ間の直接通信は機能はOSレベルでサポートされる必要がある。デモでは十文字や点状のカーソルがほとんど遅延ゼロでタッチに追従するところが示された。

さて、このテクノロジーが市場に登場するのはいつごろになるのだろう? それは製品発売元のAppleやHTCの決断にかかっている。Synapticsはディスプレイのメーカーと共同して開発を行っているが、デバイスをデザインし販売するメーカーとは直接の接触がない。しかしSynapticsのブースで彼らにも言ったのだが、自分が進歩のボトルネックにならない、ということだけでも重要だ。つまり現在の携帯やタブレットの反応が遅くていらいらさせられてもSynapticのせいでないことだけは確かだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01