GoogleのOne Passのキモはパブリッシャーが顧客情報を共有できること

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偶然にしてはできすぎのタイミングだが、Googleは今日(米国時間2/16)、同社のコンテンツ購読に関する制度とパブリッシャーのための管理サービス、One Passを発表した。いや、Googleとしては偶然のタイミングではないだろう。まさに昨日Appleが、App Storeにおける自社の購読サービスを発表したのだから。そしてAppleの購読制度は、控えめに言っても、ものすごく問題の多いやり方なのだ。

Googleは、例によってまた、アンチAppleの姿勢のようだ。この件に関する同社のブログ記事は、One Passはパブリッシャーフレンドリーである、と謳っている。でもそれは、パブリッシャーフレンドリすぎないか?

以下の重要な点を、これまでの報道は見落としているようだ:

GoogleのOne Passでは、パブリッシャーが顧客との直接的な関係を維持でき、Webサイトやモバイルアプリケーション上のデジタルコンテンツへのアクセスを読者に与えることができる。

Googleに確認したところによると、上の文の意味は、Googleが集めた顧客情報がパブリッシャーと共有される、ということ。氏名、郵便番号、それにもっとも重要なメールアドレスなどだ。課金情報は、共有されない。情報の共有をユーザはオプトアウトできるが、明示的にそうしないと、デフォルトでは共有されてしまう。

前にも述べたことがあるが、これはパブリッシャーにとって大きな勝利だ。彼らがオンラインの購読サービスに関していちばんおそれているのは、何よりも重要な顧客情報の集合を失うことだ。出版社などから、あなたのところに新刊の案内などが来るのは、その情報を出版社が持っているからこそだ。Googleのやり方では、オプトアウトした人以外の顧客情報を、パブリッシャーも維持できるのだ。

このことがとくに重要なのは、Appleのやり方ではパブリッシャーがコケにされてしまうからだ。Appleの方式では、パブリッシャーによるユーザデータの共有は、ユーザの明示的なオプトインがないとできない。何かを購読するとポップアップが出て、”あなたのコンタクト情報をパブリッシャーに与えてもよいか”と聞かれる。ユーザは、“Allow”と“Don’t Allow”のどちらかを選ぶ。簡単だし、顧客にとっては分かりやすい。でも、実際には、こういうポップアップに対しては、“Don’t Allow”を選ぶユーザが圧倒的に多い。わざわざ“Allow”を選ぶのは、よほどの変人だけだ。

ユーザ自身が明示的に指定しない共有なら、だいたいOKになるが。

議論の余地なく、Googleのやり方にはパブリッシャー側の自由度がある。それにGoogleが売上から取るのは、Appleの30%に対し、わずか10%だ。しかしユーザから見ると、データの共有化という点では、Appleのやり方のほうがありがたい。

今後の問題は、ユーザがこの二つのやり方を実際に天秤にかけるかどうか。そしてまた、パブリッシャーは条件の良いGoogleに果たして殺到するか。GoogleにおけるAndroidアプリケーションの売れ行きと、AppleにおけるiOSアプリケーションの売れ行きを比較したかぎりでは、これらの疑問にはまだ明答がない。レースは、これからだ。

[写真: flickr/be.futureproof]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))