メディア業界最大の悪夢―来年になったらAppleは50%寄越せと言い出すのでは?

次の記事

Google、ソーシャル検索を本格化―TwitterやQuoraでの共有リンクを表示

賛否の議論が渦巻くAppleの新しい講読モデルについての記事はもうたくさんだと言われそうだ。しかしどうしてもあと一つ論点を追加しておきたい。新モデルはもちろん音楽や映画のストリーミング業界にも甚大な影響を与える可能性がある。しかしなんといっても新モデルが直接の対象としているのは既存の印刷版の定期刊行物をiPad上に移行させようと期待していた印刷メディア業界だ。

多数の定期購読社を抱える大手出版メディア各社は売上の30%を永代にわたってAppleに支払い続けるというビジネスモデルを喜ぶはずはない。各社はそれにも増して講読者に関する情報をAppleが独占して版元に渡さないというモデルに反発した(結局、決済手続きを支配する者が顧客を支配することになる)。

しかし出版業界がもっとも恐れるのはAppleの価格支配力だ。「来年になってAppleが50%寄越せと言い出さない保証がどこにあるのか?」という言葉を私は何人もの出版関係者から聞いた。

言い換えれば、彼らは読者もろともiPadの牢獄に閉じ込められてしまうことを恐れている。なんといってもわずか3四半期にAppleを世界のモバイル・コンピュータ市場のトップに押し上げた大ヒット製品だ。現在、出版業界は抵抗の姿勢で、もっと友好的なGoogleのOne Pass講読/決済システムやAmazonのKindleを支持する構えをみせている。もしここで業界が戦わずしてAppleに降伏すれば、数百万もの新規購読者がデジタル・コンテンツにもたらされるだろうが、それは結局Appleの力をさらに強め、やがてはより多くの分け前を要求できる立場になるに違いない。

Appleはこうした業界の恐怖を鎮めるために、この講読モデルの経済的条件を、一定期間変更しないと保証することを考えたほうがいいのではないか。たとえば3年間手数料を30%に固定すると約束するのだ。これは業界の疑念を晴らす一助になるだろう。

写真:Yat Fai Ooi

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01