HTML5+JavaScriptだけでクロスプラットホームなマルチプレーヤーゲームを作れる開発環境Game Closure

次の記事

卯(うさぎ)年の旧暦正月–Googleが高速JavaScriptエンジンを搭載したChrome 10ベータをリリース

リアルタイムマルチプレーヤーゲームの対話的な経験が好きな人は多いと思うが、でも意外なことに、今App Storeなどにあるゲームのほとんどがシングルプレーヤーだ。Facebook上の人気の高いソーシャルゲームでさえ、昔のHaloのような、マルチプレーヤーコンソールゲーム*の充実した経験を与えてくれない。その大きな理由は、マルチプレーヤーゲームのコーディングや同期化、デバッグなどの作業が難しくて、時間と費用がかかるからだ。マルチプラットホームのマルチプレーヤーゲームともなると、さらにたいへんだ。〔*: コンソール, console, ゲーム専用機のこと。〕

そこで、Game Closureが登場。AOLで行われたSSE Labsのデモデー(Demo Day)で今日(米国時間2/17)立ち上がったGame Closureは、HTML5ベースのクロスプラットホームなマルチプレーヤーゲームを作り、ホストし、展開するためのゲーム開発環境ならびにSDKで、最初はiOS、Android、Facebookの各プラットホームに対応している。

Game Closureはゲーム専用のHerokuAppceleratorみたいなもので、ゲームのデベロッパはJavaScriptでゲームを書き、ゲームの配置展開にはHTML5を用いる。するとGame ClosureのSDKがそのゲームをコンパイルし、展開し、アクセラレートする。プラグインは不要で、Webブラウザだけあればよいし、どんなブラウザでもOK。モバイルやタブレットなど用には、OpenGLなどを使ったネイティブアプリケーションを作ることも可能。そのほかの競合製品と同様に、Game Closureも、ゲームを迅速に作ってホストして展開するために必要な、あらゆるものを提供している。

これまでのゲームプレーヤーは、特定のプラットホームに縛り付けられる傾向があり、またそれを当然と思っていた。Androidでプレーするゲーム、デスクトップでプレーするゲーム、iPadでプレーするゲームが、それぞれ違っていた。デベロッパも同様で、各プラットホーム用の別々のバージョンを、各プラットホーム固有の技術を使って作らざるをえなかった。Game Closureの良いところは、プレーヤーは一つのゲームをどんなデバイスの上でも連続的にプレーでき、デベロッパには、そういうクロスプラットホームな配布形式を素早く容易にできるためのツールが提供されることだ。

Game Closureは、Michael Carter、Martin Hunt、そしてTom Fairfieldのプロジェクトで、全員がゲームの開発を経験している。Carterは、HTML5のWebSocketの初期のプロトコルを設計し、HuntはそれまでMeeboにいて、“Meebo Bar”の開発を指揮した。Huntは現在、スタンフォード大学コンピュータ科学科の博士課程に在籍して、人間とコンピュータの対話的関係について研究している。Carterがぼくに語ったところによると、Game Closureは今のところ自己資金だけだが、SSE LabsがAOLのパートナーであるため、これまでの”地下室の押し入れ”のような環境から、パロアルトにあるAOL本社の”豪華なオフィス”に最近引っ越した。そのオフィスは、AOLがTechCrunchのために用意したスペースではないかと思うが、もしそうなら、そこに良い会社が入ったことは嬉しいね。

本誌のライターMG Sieglerが先週、HTML5を使うアプリケーションよりもネイティブアプリケーションのほうがずっとずっと良い、という記事を書いた。CarterもMGのこの意見に同意して、最初、携帯電話用に作ったHTML5のゲームは、ネイティブアプリよりも30倍遅かった、と言う。しかしツールの集合や最適化の手法が圧倒的に充実しているのはHTML5であり、ゲームの開発もHTML5のほうがずっと簡単だ。というわけでGame ClosureのSDKは、彼らが独自に実装した(ブラウザに依存しない)HTML5のAPIを使っている。それにはモバイル用のアクセラレーションもあるので、モバイル上への展開も安心してできる。

Carterによれば、ゲームデベロッパはHTML5の標準テクノロジとその使い方だけをしっかり勉強すればよい。彼らが作ったゲームを各プラットホームに対してホストし、展開することは、すべてGame Closureにおまかせでよい。うーん、なかなか良さそうだね。

[原文へ]
[jpTechCrunch最新記事サムネイル集]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))