Apple、Readabilityのアプリを講読契約を盾に却下―iPadでSaaSは不可能になる

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われわれAppleのiOSにおける新しい講読契約の条件についていやというほどここここここ、そしてここでも)議論してきた。誰もそうそう一つのことにかかずらってはいられないので、当初の騒ぎはやや収まったかにみえる。しかしこの問題は今後も繰り返し浮上するのは間違いない。なぜならこの新ルールは多数のデベロッパーに深刻な損害を与えるからだ。そうしてその実例が早くも伝えられた。

Readabilityはウェブの記事から広告その他不要な要素を取り除いてユーザーにとって読みやすいものにするサービスだが、iOSプラットフォーム向けにアプリを開発してきた。実際、ReadabilityはInstapaperの開発者Marco Armentの協力を得て開発を行っていた。人気アプリになる可能性は十分あった。しかしAppleはアプリ内定期購読の条件に違反しているとしてApp Storeへの登録を拒絶した。

今日(米国時間2/21)、Readabilityはそのいきさつの詳細とそれに対する感情をブログに発表した。現在その記事は取り下げられているもようだが、簡単に言えば、彼らは喜んではいなかった。Readabilityの主張はこうだ。彼らは売上の大半(70%)をウェブページのパブリッシャーに還元する。もしAppleが売上の30%を取るなら、Readabilityはパブリッシャーへの還元を40%に下げるか、自分たちの取り分を10%に下げるか、いずれかしかない。Readabilityとしてはどちらもとうてい受け入れ難いという(しかし、Appleも自分の取り分の70%をパブリッシャーに還元するなら考慮の余地はあるとしている)。

自分自身は何らコンテンツを販売しているわけではないのに、30%を徴収されることで開発チームは憤慨している。Readabilityはコンテンツを販売するのではなく、月極料金でサービスを提供している。言い換えれば、ビジネスモデルとしてはソフトウェア・アズ・ア・サービス―SaaSだ。事情を検討すれば、同様の理由で登録を拒絶されそうなアプリは他に多数出てきそうだと分かる。たとえばSalesforceのアプリなどが次々に拒絶されることになったら、反響は大きいだろう。

Readabilityの登録拒絶で非常に皮肉なのは、そもそもApple自身がReadabilityの価値を認めて自社の重要なソフトウェアに重要な要素として取り入れていることだ―Safari!である。昨年、AppleはReadabilityを自社のブラウザに組み込んだ。今度は同じチームが開発した同じ機能のアプリを拒絶している。これは少々奇妙だ。

この問題に対する見解は大きく割れている。私の個人的な考えでは、なるほどAppleには(エンドユーザーの使い勝手を妨げないかぎり)自分の好むようにアプリ内講読サービスを構築する権利はあるだろう。しかし、このサービスを利用せぜるを得ないサービスから30%もの手数料を徴収する権利があるとは思えない。SaaSは典型的な一例だが、音楽ストリーミングもそうだ。30%もの手数料を取られたのではこうした種類のサービスのほとんどは事業を継続できない。そんな条件を強制するのは明らかに理にかなっていない。Appleはこうした事業が継続できるよう手数料を免除するか、料率を数%程度に下げる必要があるだろう。

さてReadabilityは今後どのように対応していくだろうか? おそらくは当面活動の舞台をウェブに限定するだろう。さすがのAppleといえども、そこまでは規制の手が伸ばせない。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01