Apple、Thunderboltで大きく先行、ただしリスクも

次の記事

悲しみの歌声:MySpace Music、ユーザー激減、トップも辞任

Intelの新しいインターフェース、Thunderbolt は今日(米国時間2/24)午前、AppleのMacBook Pro製品の新機能としてデビューを果たしたが、Intelによると当分の間は事実上Appleの独占となるようだ。Appleの発表直後の会見でIntelは、同インターフェースの開発キットを今春他のコンピューターメーカー向けに提供するが、Thunderboltを実装した機器が出荷されるのは2012年以降だろうと語った。

厳密には独占ではないが、それに近い。これはAppleにとってかなり大きな勝利だ ― ただし、ThnuderboltがUSB 3.0よりも早く普及し、初期トラブルがなく、アプリケーションがたくさんあれば。実際これは仮定の多い話であり、またAppleが勝者であることに間違いはないが、そこにはリスクもある。

第一に、AppleのIntelとの「コラボレーション」は、この殆どの人にとって高価すぎて、一般ユーザーにとって他の選択肢との顕著な違いのないテクノロジーのユーザーテストの場である可能性が高い。当初、Light Peak(Thunderboltのコードネーム)の開発にとってAppleが「不可欠」であるという噂だったが、私は単に標準化と契約交渉の話であったと想像する。AppleはFirewireでやけどをした。今でも多くの専門家には使われているものの、USBと比べるとニッチなインターフェースだった。おそらくAppleは次の手を打ちたくてテストに協力したのであり、技術的には殆ど貢献していないに違いない(もちろん基板の設計は別)。これは、Macがこのインターフェースから何か特別なパワーを得るという種類のものではない。

第二に、この新技術の採用は、Appleがよく言う「ユーザーのためになる」という意味では、実際にユーザーのためになるものではない。このところのAppleの哲学は「とにかくちゃんと動くこと」ことで、可能な限りあらゆるポートを独自のインターフェースにすることで、完全に自社でコントロールできるようにして、その結果あらゆるApple認定のソフトウェアとハードウェアで確実に動作する。しかし、Thunderboltは何かをシンプルにするようなテクノロジーではない ― 少なくととまだ。新しいMacBookの左側を見てほしい。

そう、Appleのひたすらシンプルにという入出力の考え方からすれば、まるでジャングルだ。今はこのハードウェアにとって変遷期であり、AppleはUSBを外すことはできない、なぜならみんなが使っているから(なぜ3.0にアップグレードしないかは私の知るところではない)。Firewireを外せばコアなユーザーを無視することになる。Thunderboltのスロットも1つしか装備できない、なぜなら高速データ以外に使い道がないから(早期採用の皮肉)。喜ぶ人もいるだろうが、実際のところ平均的Macユーザーにとっての恩恵は極小だ。速くて安いSandy Bridgeプロセッサーの方が嬉しい。

第三に、独占による利点は殆どない。普及するのは来年以降であり、銅線からファイバーへの移行によって速度は上がるが、ハードウェアのコストが下がるためには時間と数量が必要だ。現時点でThunderboltは、未確認、ノーブランド、ほぼサポート無しの状態だ。さらにもし、最初のロットで問題が起きたら。あるいはもし、USB 3.0が軌道に乗り、カメラから数十枚の写真をコピーしたり、外付けディスクから動画をコピーしたりする時、誰も5GB/sと10GB/sの違いに気付かなかったら。

もしThunderboltが、現時点で流れを変えるテクノロジーなら、Appleは確実な勝利を手にしただろう。しかし、Appleはこの若き(しかし将来有望な)テクノロジーを最初に採用したリスクを抱えていると私は思う ― 決して悪いことではない。この事実上の独占状態がどれほどの勝利なのかは、時間がたつまでわからない。もしここで、iPad 2にThunderboltポートが付けば(あの、SDカードと噂されているミステリースポットに)、正しい方向への推進力になるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)