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老舗スタートアップコンテストDEMO 2011初日の秀作8点を紹介

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Facebookコメント・システムに賛否両論

DEMO Spring 2011*が昨日(米国時間2/28)Palm Springsで始まり、消費者向け、企業向け、そしてクラウド部門の計27社が出場した。各社は6分でプレゼンテーションを行い、自社の製品で来場者のハートをつかむことを競う。〔*: スタートアップコンテストの老舗DEMOの2011年春場所。〕

だから、DEMOの取材記事としては製品紹介がいちばんいいと思うが、ユーモアがあって印象に残る売り込みもある。たとえば、女性の妊娠を助けるDuoFertilityの発明者Shamus Husheer医師は、こんな言葉でプレゼンの口火を切った: “Shamusと申します。仕事は、数百万人もの女性を妊娠させることです”。

人の心を読むヘッドセット、要らなくなった電子製品のリサイクルマシン、Facebookのページをスパムから守る、などなど、初日にとくにおもしろいと思った8製品を以下に紹介しよう。

AboutOne: AboutOneはセキュアなオンライン家族管理システムで、家族の生活のいろんな側面を易しく系統的に管理できる。家庭内の重要な情報や記憶を構造化して保存することが、この製品の主な仕事で、画像、ビデオ、そしてテキストを保存でき、それらにWebからアクセスする。子どもが描いた絵をスキャンして保存したり、家族写真からアルバムを作る、保険の契約書を保存する、誕生日などの記念日を記録しておく、ベビーシッターのための指示を置いておく、などなどのことができる。ほかのサービスにはそれらのAPIからアクセスするので、ユーザはそのためにいちいち手入力をしなくてよい。たとえば車に関しては、登録番号だけ入力すればAboutOneが自動的に車種、年式などそのほかの情報を取ってくる。ファウンダでCEOのJoanne Langはそれまでビジネスソフトウェア大手SAPでクラウドを担当していた人で、デモはやや散漫だったが、AboutOneはふつうなら複数のサービスを使ってしなければならないことを一箇所でできるから、かなり有望だと感じた。

Manilla: Manillaは、無料の金銭管理サービスで、家庭のいろんな請求書、金融機関からの計算書、旅行時のキャッシュバック、各種の購読料や会費などなどを、一箇所にまとめることができる。一回のアクセスですべての科目にアクセスして、請求額等をチェックできる。最近はComcastとCitibankと提携したが、こういう自動支払いプラットホームとの提携はまだ少ない。UIをもっと良くし、すべての大手銀行と公共企業(電気など)との提携を完備すれば、うまくいきそうだ。

ecoATM: ecoATMの人たちは、毎年5億個の電子製品が買われていると言う。もしそれが正しくて、しかも年々増えていくのなら、それらのリサイクル市場の規模も、ものすごく大きいだろう。そこでecoATMは、Coinstarが小銭の両替機であるように、要らなくなった電子製品を”両替”…つまり金銭と交換…してくれるセルフサービスのキオスクだ。このマシンには、物を見て認識する機能、機器の状態を診断する機能、そして人工知能があり、ユーザが投じた新品や古物の状態、メーカー、年式などを判定する。それからお値段を提示し、ユーザは現金、またはecoATMが置かれているスーパーなどのポイントを受け取る。VerizonのTrade-In事業に見るように、大手のメーカーは今後リサイクルサービスを自社でやり始めるかもしれないが、スーパーの店頭などでその場ですぐキャッシュバックしてくれるecoATMは、かなり普及するのでは、という気もする。

NeuroSky: NeuroSkyの製品は、脳とその注意力をスキャンするスキャナーだ。それは一見すると、BlueToothを使用するヘッドセットのようだが(右写真)、NeuroSkyはそれを”exercise equipment for children’s minds”(子どもの心のための訓練装置)と呼ぶ。前頭部から脳波を読み取り、それをアルゴリズムが解析して心の状態…”リラックス”、”注意”など…を判定する。同社によれば、この製品は、ADDやADHDの治療など、さまざまな目的のための専用医療器で利用できる(ぼくがこの製品に関心を持ったのもそのためだ)。ユーザは、NeuroSky自身が提供している10種類の教育的神経科学的なアプリケーションにアクセスでき、その中には算数の学習や集中力の強化に役立つものもある。どれも、ゲームを遊びながら使う。今の子は注意力の持続が短い、と言われているが、この製品が注意力改善の役に立てばいいけどね。

CVAC Systems, Inc: まるで、映画「2001年宇宙の旅」に出てくるポッドみたいだが、この中で高々度の環境をシミュレートできる。そのCyclic Variations in Altitude Conditioning(CVAC)と呼ばれる過程により、”気圧と気温と空気濃度をリズミカルに変えて”、この卵形のポッドに入った人間の体の、高々度への適応性を高める。CVAC(社名でもある)によれば、この技術には人間の寿命を長くする効果もあるそうだ。とくに、糖尿病の人に良いとか。たぶん、エクササイズと高々度の環境を組み合わせると、いろいろと健康に良いのだろうね。もちろんCVACの技術は本格的な科学研究に基づいているが、でも採用するには勇気が要りそう。

Ajax Cloud9 IDE: Ajax.orgのCloud9 IDEは、JavaScriptデベロッパのためのクラウドベースの統合開発環境(integrated development environment, IDE)で、そのほかに使用言語としてHTML5、Python、Ruby、PHPをサポートする〔関連記事〕。この環境でデベロッパが作るアプリケーションやプロジェクトは、いつどこからでも共有的にアクセスでき、分散チームによるエディットなどが可能だ。それもこれもクラウドのおかげだが、使うのに必要なものはコンピュータとブラウザのみ、大規模な開発インフラを管理しメンテする苦労も要らなくなる。近くMozillaがそのSkywriterプロジェクトとこれを併合するし、また、Eclipseの組み込みもIBMと話し合っている。もしこれらの話が事実なら、HTML5のデベロッパはみんな、Cloud9で仕事をしている、という状態になるかもしれない。

WebsenseのDefensio for Facebook: Defensio for Facebook は、Facebookやそのほかのソーシャルネットワークを正規会員として使っている企業にセキュリティの層を加え、無関係なコンテンツやスパム、スパイウェアなどの侵害を防ぐ。Facebookでは、いいかげんなアプリケーションを簡単安価に作れるので、企業のページなどはスパムの嵐になりがちだ。Websenseの監視技術と分析技術により、Defensioは多様なクラウドベースの構成ツールをユーザに与え、ユーザはFacebookページやWall、ニューズストレージなどにおけるコメントを管理調停したり、要らないコンテンツをブロックできる。そのほか、自ページにリンクがあってはいけないサイトや、あってはならない言語なども指定できる。Defensioは、複数のページを監視できる。

Nimble: Nimbleは、ソーシャル関係マネージャで、アドレス帳、カレンダー、各種コミュニケーションアプリなど、いろんなところで利用できる。メール、Facebook、Twitter、LinkedInなどのアカウントを一箇所にまとめて、たとえばAさんならAさんとのつながりや通信履歴を、これら全アプリにまたがって総覧できる〔しかも、メールならメールの中からNimbleの利用が可能〕。つまり、Aさんからメールが来たとき、過去のメールだけでなく、Facebook、Twitterなど全部のアプリから、Aさんとの通信の履歴を取り出して見せてくれる。ソーシャルネットワークから、Aさんのプロフィール情報などを参照することも可能。Nimbleは個人利用は無料だが、企業などは有料制で、有料ユーザだけの機能も提供される。同社はこの製品をとくに、企業が顧客と対話するためのツールと位置づけている。シンプルなUIによりメールやすべてのソーシャルネットワークと深い統合化ができるので、非常に便利なプラットホームだ。ぜひぼくも、試用してみたい。

〔DEMO2日目(最終日)の記事。〕

写真クレジット: Rodrigo Peña

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))