EUはクッキーの読み書きでユーザの承諾を義務化–ヨーロッパのインターネット業界は墓場になるね

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ヨーロッパのスタートアップの不利益は市場が小さい、ベンチャーキャピタルが少ない、地理的に拡散多様化している、だけでは不十分とばかりに、今度のEU全域法は、すべてのWebサイトに大きなプライバシー警告を押しつけることにより、EUのイノベーション企業の足を掬おうとしている。

5月25日より、その新法は、Webユーザをクッキーで追尾する場合には事前に”明示的な同意”を求めることを義務化する。つまり、消費者がEUのサイトを敬遠するような警告を出せ、ということ。同じEU域内で合衆国のスタートアップは、これまでと変わらず自由に振る舞える。なんて、すてきなことだろう。

企業はユーザから’同意’を得る方法を編み出せ、と言われているが、彼らはただただ、困り果てるだけだろう。

EUの新しい’eプライバシー’指令はプライバシーの保護が目的のようだが、その実態は非現実的な空中の楼閣のように思える。プライバシーのコントロールはWebブラウザに何年も前からある。プライバシーを強化した特殊なブラウザすらある。しかし消費者は一貫してそれらを無視し、嬉々としてクッキーを使い続けている。しかも、クッキーがWebの閲覧の役に立つと知っている人も多い。

しかも、ブラウザは競争が激しいから、消費者は現状以上のプライバシー保護を必要としていないかのような開発が進む。Google、Firefox、Apple、それにMicrosoftは、熾烈にブラウザのシェア争いをしている。彼らは消費者のニーズにことのほか敏感だ。消費者ニーズを実感した上で、厳しすぎるプライバシー制御はマイナス、と判断しているのだ。

その法が施行される5月25日以降は、アプリケーションはクッキーの読み書きをやろうとするたびに、ポップアップウィンドウやダイアログボックスでユーザの許可をもらわなければならない。ヨーロッパのスタートアップ業界は墓場と化し、ヨーロッパという市場をほかの企業、とりわけ合衆国の連中に明け渡すことになる。

TweetmemeのCEOで新たにDataSiftのCEOでもあるNick Halsteadはこう言う: “サイトが警告だらけになれば当然、イギリスの企業は競争力を失う。競合相手は、俄然有利になる。今でも、ユーザ登録やサインイン〔パスワード入力など〕は顧客を失う場所であることが広く知られている。それを省略して便利にするためにあるクッキーで、大きな警告サインが出るようになったら、ユーザはろくに読みもせず、さっさと逃げていくだろう。”

EUは、Webソフトウェアの100%がセッションをキープするためにデフォルトではクッキーを使っていることも無視している。しかも、何百万というアマチュアが作ったWebサイトを、こんな法律で管理できるのか。とにかくこれは、無意味な空中楼閣の一部でしかない愚法だ。法としての実効を上げることは、まったくないだろう。

手厚いプライバシー保護を求める消費者は、その願いを満足させるブラウザを、今から使うことだってできるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))