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Googleはソーシャルの発表イベントでしくじるわけにはいかない

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Googleが「新しい本格的ソーシャルネットワーク」を、SXSWカンファレンスで緊急公開するらしいと、今日午前にRead/Write Webが書いている。これはあまりにもタイミングが悪い ― Googleは本誌や他社に対して、そのイベント期間中一切新しいサービスを発表しないと言っていたのだ。

しかし、彼らが入手したサービス概要は、過去数ヵ月Googleのサービス群を見てきたという情報筋から私が得たものと比べても、かなり正しい。Googleは、友達のグループ化と友達と共有する方法にかなりの重きを置くなど、さまざまな形でFacebookとの差別化をはかろうとしている。

ただし重要なのはそこではない。Googleは、このサービスに関して今もこの後も、大がかりな発表イベントを行うつもりがないようだ。彼らはこれまでずっと、新しいソーシャル機能を小出しにして公開(あるいはリークに対応)してきた。ツールバープロフィールビデオなどだ。

私の勘では、今後も小さな発表が増えるだけで、大きな発表はないと思う。これは根拠のある情報に基づくものではなく、これまで私が見てきたことに基づく勘にすぎない。特に注目すべきは、Googleが新しいソーシャルサービスの存在さえ認めるのを躊躇したことだ。

なぜか?大がかりなプレス発表は、記者たちの目を一日中自分に向けさせて、テク系、一般両方のメディアに包括的に取り上げてもらう絶好の機会だ。多くのユーザーが挙ってサービスに登録し、もし気に入ればその友達も入ってくれる。

しかし、実際、Googleには公開して人々に「おー」と言わせるようなサービスは何もない。彼らはすでに、OrkutとBuzzによって、ソーシャル分野には2球も投じている。しかも、Google TVやWaveといった大型発表も大成功したとは言い難い。

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人々に「おお、これでFacebookは困るぞ」と言わせるようなサービスを作ることは、Googleにも誰にもできそうにない。Facebook自身でさえ、今スタートしたらとりたてて騒がれることもないだろう。Facebookのすごさは、知っている人がみんないつでも使っているから、自分もそうせざるを得ないことにある。

つまり、Googleが何を注ぎ込んでも、少なくともあと何年かは、大してFacebookを困らせることはできない。何としても避けたいのは、大きな発表イベントを開いて、後々まであそこでGoogleがしくじったと思い出させることである。

しかし、だからといってGoogleが積極的にソーシャルに取り組み、新しいサービスや機能を繰り出すべきでない、といは言っていない。Citiのアナリスト、Mark Mahaneyが最近のレポートの中でEfficient Frontierのデータを引用し、マーケターはGoogleに費やす金額の6%をFacebookに使って、同等のクリック率とROIを得ていると書いている。さらに、今のFacebookは2004年のGoogleによく似ていて、Googleの2004年の成長軌道はFacebookの成長予測を表しているとも言っている。

Googleの広告費の6%がFacebookの2010年総収益相当 ―― マーケターがGoogleで費やす金額の6%を[facebookに] 費しているというEfficient Frontierのデータは、facebookの収益が$1.8B(18億ドル)(Googleの2010年の収益$29.3B[293億ドル]から)であることを暗示している。われわれの見解では、これは昨年Facebookが生みだした収益と概ね一致しており、FBは恐らく25~30%の売上純利益率を上げていると思われる。ちなみにGoogleが純利益$2B(20億ドル)を上げた時(2004年)、純利益率は24%だった。われわれは、インターネット広告の末端市場の成長率と類似していることを踏まえると、Googleが2004年に記録した成長軌道はFBの将来の成長率を表していると考えている。そして過去数年間にoogleの利益率は40%へと上昇した。

おもしろいことに、もしFacebookが、過去数年間のGoogleと同じように伸びたと仮定すると、Facebookの評価額は、ほぼ現状の金額になる ― $50B(500億ドルと$100B(1兆ドル)の中間

つまりGoogleは、時価総額数十億ドルに相当する、巨大な新オンライン広告市場の分け前にあずかろうとしていることになる。その市場は今まだ発展途上であり、そのお金はオフライン広告費から回ってきたもの、とMahaneyもEfficent Frontierも指摘している。

言い換えれば、Googleは長期戦を考えているということだ。そして、彼らがGoogle BuzzやGoogle Wave等の時のように、大規模なプレスイベントに賭けて大成功を期待するとは考えられない。むしろ目立たないようじっと待ちながら、1年か2年後にFacebookワールドの強敵になろうとしているのだろう。

しかし私は、Googleが少なくとも5月のGoogle I/Oで、彼らのソーシャル戦略をデベロッパーに話せるだけの物は公開すると予想している。そこはGoogleファンボーイで埋めつくされた制御可能な環境。歌って踊るには、オースチンの気まぐれなパーティー集団の前よりずっといい場所だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)