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Netflix / ネットフリックス(企業・サービス)

Netflixのオリジナルコンテンツは巨大な革命の初動だ

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3年前に、Netflixとケーブルテレビのどちらかを選べと言ったら、あなたは笑いものにされただろう。では、DVDの郵送サービスと、何千ものコンテンツを、いつでも、居ながらにして見られることを比べたらどうだろう?

もはや、それを笑う人はいない。

Netflixの発表によると、同社は新番組House of Cardsのプロデューサーとして製作資金を提供する。監督(兼執行プロデューサー)は「ファイト・クラブ」や「ソーシャル・ネットワーク」のDavid Fincher、主演は「ユージュアル・サスペクツ」や「アメリカン・ビューティー」でアカデミー賞を取ったKevin Spaceyだ。Netflixは制作費を全額出すわけではないが、同番組の封切り放映権を獲得する。言い換えると、視聴者がこの番組を初めて見るのは、従来のテレビ放送からではなく、インターネットからになる。

同社はこれを、経営方式の転換ではないと言っているが、実際には、一企業の経営方針どころか、メディア産業全体の地殻変動を起爆するだろう。

これまでNetflixには、コンテンツの封切り放映/上映権がなかった。同社は、二番手、三番手、あるいは四番手の位置に甘んじていた。つまり、映画館やテレビ局がその新しいコンテンツを上映ないし放映したあとに、Netflixはやっとそれをインターネットに載せることができた。最初は映画館、次がテレビ、Netflixはそのあと、ということもあった。こういう、二番煎じ三番煎じのコンテンツが、今のNetflixの主力コンテンツだ。

しかしHouse of Cardsでは、ゲームのルールが変わる。そのコンテンツを初めて見るのは、Netflixの登録会員たちだ。そしてそれがFincher/Spaceyという顔ぶれにふさわしい傑作なら、それを目的にたくさんの人が新会員になるだろう。

そしてもしそうなったら、同社は今後限りなく、柳の下の泥鰌を捕まえるだろう。そして史上初めて、インターネットの上にメジャーテレビ局の誕生となる。HBOやShowtime型のサービスだ。しかも同社は、今のケーブルテレビ(毎月の料金が高い!)と違って、何千ものコンテンツを揃えた低額コースを提供できる。しかも同社は、”番組の編成”という人工的な無理〜無意味に縛られない。とりわけ重要なのは、ケーブルテレビ型のサービスには絶対にならないことだ。

Netflixが今回の賭けに勝ったら、まさしく、未来の幕が開く。3年後のわれわれはもはや、巨大ケーブルコングロマリットに毎月75ドルも払っていないだろう。Netflixやその後続企業に8ドルを払っているだろう…HBO型だがHBOもインターネットサービスに変わるかもしれない。インターネットの月額料金はあるが、それは、新規にそれだけのために発生する費用ではない。毎日大量の見たくもない番組を提供し、数少ない見たい番組は限られた特定の日時にしか見られないサービスに、毎月75ドルも払うことから、われわれは解放されるのだ。今のケーブルテレビのやり方を、心から歓迎している人など、ほとんどいないだろう。

ケーブル企業が打ち出す対抗策は何だろう? インターネットプロバイダとしてケーブル企業を使っている人は、テレビ番組を見ない契約にした場合、猛烈に高いプロバイダ料金になるかもしれない。政府がそんなやり方を禁じるかもしれないが、でもこれまでの政府は、合衆国各地での彼らの独占を放任してきた。

でもたぶん、そのほかの選択肢が登場してくるはずだ。Googleやワイヤレス企業などから、まったく新しいものが登場する可能性もある。市場は、それを求めている。

ケーブルテレビのビジネスモデルは、とっくの昔に破綻している。コンテンツをアラカルト方式/単価方式で提供するという話は、十年前からあるが、実現の気配はない。ケーブル企業にとって、魅力がないからだ(でもNetflixの作戦が成功したら彼らの気も変わるかもしれない)。今、多くの人たちが脱ケーブルを話題にしているのには、それなりの理由がある。消費者が毎日、食い物にされているからだ。彼らのコンテンツの99%はクソだ。その見せ方もひどい。ケーブルテレビは、時代と共に良くなるどころか、年々悪化している。ケーブルのひどさは、話し出すときりがないよね。

しかしそのビジネスモデルは今や四方八方から批判され攻撃されている。中でもNetflixによる賭けは、ケーブルがなくなった未来社会の、小さな始まり、と言えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))