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TechCrunch iPad 2レビュー:誰もが欲しくなるエレガントかつハイパワーな仕上がり

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ハックされたらしいアカウントを遮断するAppleのやり方は拙速すぎないか?

2010年1月、iPadが発売されてすぐに使ってみた。その時の印象は「iPadは、まるで手の中にある未来」という記事にまとめてある。そのときの印象と少々矛盾するのかもしれないけれど、iPadの創った「未来」に入ってわずか1年ばかりで、iPadが過去のものになった感じがしている。そう、それは皆さんも御存知のiPad 2が登場してきたからだ。

iPad 2が発表されてすぐに触ってみる機会があった。そのときの最初の印象はこちらの記事にまとめている。無敵のiPadがさらに強力になったようだという印象を得た。今回は、さらに1週間ずっとiPad 2を触ってみた印象をまとめてみたいと思う。

まず、「さらに強力になった」ということは間違いない。

iPad 1にしても、タブレット界に大きな衝撃を与えるものだった。ただ、当時はライバルなどいない状況だった。iPad 2の時代となって、周囲にはXoomをはじめとして競合機も出てくるような状況だ。しかしどうやらiPad 2はiPad 1よりもさらに大きなヒットとなりそうな印象を受けている。

ハードウェア

iPad 2となって変わった点を確認してみよう。ぱっと見たところではiPad 1と変わった点は何も見つからないかもしれない。画面の上の方に小さなカメラが搭載されているが、これもホワイトモデルでなければ気づかないような変化だ。見た目は本当にiPad 1に似ている。きっとそれを見てiPad 2も大したことはないと考える人もいることだろう。しかしAppleはしばしばこうして羊の外見のまま内部を進化させるということをする。しっかりとその変化を確認しておくべきだろう。

外観でわかる唯一の変化といえば、その厚さの変化だ。iPad 2と比べてしまうと、iPad 1もなんだかかさばる邪魔者に見えてしまったりするほどだ。iPad 2の方はクリップボードを持ち歩く程度にしか負担にならない。もちろん、少々重めのクリップボードではあるが、負担はほとんど感じない。厚さは13.4mmから8.8mmになっていて、持ち比べてみるとその差はあまりに明らかだ。

重さについて言えばそれほどの差はない(3GかWiFiかによっても違うが、700g程度と600g程度という差だ)、厚さが違うのでiPad 2の方がずいぶんと軽く感じてしまうことだろう。

全体的に概観はいっそう優美になったように感じられる。Appleによれば、iPad 1の外部構成パーツは3つだったが、それを2つに減らしたのだとのこと。これにより統一感が出て、マシンというよりも何か自然な物体のように見えるようになっている。

また徐々に薄くなるiPad 2の周縁部の設計は、手にもよく馴染む感じとなっている。またこのデザインにより横と上部にあるボタンの存在がわかりやすくなっている(使いやすくなっている)。もちろん下部にあるドックコネクターが少々使いづらくなったという意見もある。ただこれは大きなマイナスとはならないだろう。

尚、個人的にもっとも気に入ったのはメインボタンに関するアップグレードだ。これまではやや重めの操作感覚を伴うものだったが、軽くタッチするような感じで操作できるようになった。

ちなみに既にご存知ことだろうが、搭載されたカメラは「高性能」というわけではない。しかしiPadをコンパクトデジカメの代わりに使おうなどと考えている人はいないだろう。携帯電話のカメラとも同じ土俵で争うわけではない。iPad 2に搭載されたカメラは、Facetimeおよび720pのHD動画を撮影(背面のカメラを使った際の話し)するためと割り切ったものだ。撮影した動画は、あとに述べるiMovieアプリケーションで直ちに編集することができる。

バッテリーのもちに関してはこれまで通り素晴らしい。Appleも、薄くはしたがバッテリーについては何の妥協もしていないとわざわざ述べている。使ってみた感じでも、まさにAppleの言うとおりiPad 1と変わっていないように思える。

中の仕組みにも興味を持つ人が最も気になっているのはプロセッサとRAMの強化についてだろう。iPad 2はRAMにデュアルコアのA5チップを採用している。iPad 1が採用していたA4と比較して、実にパワフルになっているわけだ。本稿執筆時点でRAMについての明確な言及はないが、以前と比較して2倍となる512MBを搭載しているようだ。これでiPhone 4と同量のRAMを搭載することとなった。

こうした内部的な強化は大きな違いとなるのだろうか。これはアプリケーション次第と言えるだろう。メモリを大量に使うアプリケーションの場合、今回のアップグレードによって大きな差が出てくることとなる。iPad 2ではアプリケーションの起動も動作もかなり軽快になる。新しいCPUやメモリ構成に対応したわけではないアプリケーションでもその違いは体感できる。Infinity Bladeの起動もはやくなり動作もスムーズになっている。アプリケーションの切り替え速度も高速化された。またSafariのウィンドウを数多く開いていても、リロードされることが少なくなった。

但し、iPad 1でもアプリケーションの動作が遅いというような不満はほとんどなかった。本当に差が出てくるのは、開発者がデュアルコアと倍容量メモリを意識して使いこなし始めたときだろう。春にはこれまでになかったようなまったく新しいアプリケーションが多く登場してくるものと思われる。AppleがGarageBandやiMovieを発表したのも、開発者たちにiPad 2でできることを示すためという意味もあるのではないかと思っている。iMovieはiPad 2のみに対応(iPhone 4でも使えはする)で、非常に素晴らしいアプリケーションだ(先にも書いたがiMovieについては後にも触れる)。

ソフトウェア

ソフトウェアの話となるが、AppleはiPad 2の発売開始前にiOS 4.3をリリースした。これはiPad 2にプレインストールされているOSだ。一見したところiOS 4.2とさほど大きな違いはない。しかし詳細を見てみると、いくつか面白い機能追加がなされているのがわかる。

体感できる最も大きな変化はSafariのJavaScriptエンジンにNitroを採用したことだろう。Appleも速度面での改善を声高に主張していて、確かにFacebookのようにJavaScriptを多用しているページでは大きな速度改善を体感することができる。

またAirPlayのアップグレードとHome Sharing機能の追加も行われた。iOS 4.3からはサードパーティー製のアプリケーションでもAirPlayを使うことができるようになっている。この機能を使ったアプリケーションはまだ出てきていないが、間もなく登場してくることになるだろう。ますますケーブルテレビ離れを加速させることとなるだろう。Home SharingはWiFiネットワーク上の他のデバイス上にあるメディアを再生することのできる機能だ(これまでもMac同士なら同様のことが行えた)。こちらもなかなかよくできた機能だとは思うが、これがインターネット経由で行えればもっと便利になるだろう。きっとそういう機能も近々搭載されるだろうと思いたい。

そしてiPad 2に搭載されるiOS 4.3には2つの独自ソフトウェアがバンドルされている。FaceTimeとPhoto Boothだ。双方ともにカメラを必要とするアプリケーションなので、もちろんiPad 2専用ということになる。さらにAppleよれば、Photo Boothで9枚の写真を同時にリアルタイミングレンダリングするには、iPad 2に搭載されたA5チップのパワーが必要になるとのこと。

FaceTimeの方も、まさにiPad 2向けのソフトウェアだという感じがする。iPhoneの3.5インチ程度の画面よりも、やはりiPadの10インチほどある画面でこそ魅力的に思える。iPadには電話機能はなく、最初から通信を行う相手を決めておかなければならない方式には不満も感じる。しかしとにかく繋がってしまえばFaceTimeは非常に面白い。WiFiオンリーであるので、通信品質にも問題はない。

OS Xを使っている人ならPhoto Boothの使い方に戸惑うこともないだろう。使って楽しいだけではなく、A5チップのもたらすレンダリング能力も感じられるアプリケーションだと思う。

そしてiPad 2の魅力を最大限に感じさせてくれるアプリケーションといえば、本稿でも何度か触れてきたiMovieと、それからGarageBandということになるだろう。双方ともにApp Storeにて$4.99で売られている商品だ。双方ともに、価格に十分見合うアプリケーションだと言える。

双方ともにOS X版をそのまま移植するのではなく、iPadの大画面マルチタッチ機能を十分に活かすように改良されているのもうれしい。驚くほどに使い勝手が良い。AppleがiPad 2を売ろうと思うなら、アップルストアでこの2つのアプリケーションを展示するだけで良いのではないかと感じるほどだ。使ってみれば必ずやその素晴らしさに驚きを感じることだろう。

先にも述べたが、Appleはこの2つのアプリケーションをリリースするにあたって、複数の目標を設定したのだろうと考えている。ひとつはもちろん、人々に非常に面白いアプリケーションを提供するということだ。しかしそれだけでなく、iPadが情報消費を行うだけの機械ではなく「クリエイティブ」にも使えることを示そうとしたのだと思う。さらに、iPad 2に搭載した新チップで向上したグラフィック能力をアピールするという目的もあるように思う。これによってサードパーティーの開発者たちも魅力的なアプリケーションを開発するようになるだろう。

スマートカバー

iPad 2を入手すると同時に、このiPad 2専用の「スマート」カバーも入手してみた。簡単に言えば「気に入った」。

iPad 1用にAppleが出したケースはイマイチのものであったと思う。今回のものはまったく異なる。iPad 2を覆うためというよりも、iPad 2と「共生」するためにあるのだ。

このカバーは磁力により本体に吸着するようになっている。すなわちずれるということがない。また、iPad 1用のカバーのように取り外しに苦労することもなく簡単に取り外すこともできる。2つにたたんでスタンド代わりにすることもできる(タイピング時とコンテンツ閲覧時に、異なる高さに調整することもできる)。

また、カバーを付けることで自動的にiPad 2をスリープさせたりスリープから復帰させることができるというのも非常に面白い。カバーがあればスリープ/スリープ解除のためにボタンを押す必要もなくなるということだ。これは将来的なボタンなしiPadの予兆であるのかもしれない。

アップルストアでも、展示用iPad 2には専用カバーを付けて展示するかもしれない。カバーの持つ機能を体感すれば、ほとんどの人がiPad 2と一緒にカバーを購入していくのではないかとも思うのだ。これはAppleにとっても「おいしい」ことだ。価格もそう安いものではなく、ポリウレタン製が$39で、レザー素材のものは$69となっている。iPad 2が売れるたびにどちらかのカバーも一緒に売れるとなれば、これはかなりの儲け話になる。

残念な点

iPad 2で残念な点というのは、iPad 1時代から引きずっているものだ。もう少し軽ければ良いのにと思う。片手で持てない重さではないのだが、姿勢によっては持っているのがつらくなってしまうこともある。

また、スクリーンの反射をもう少し抑えられないものかとも思う。直射日光下では画面に何が表示されているのかほとんどわからなくなってしまう。

画面といえば、iPad 2の発表前には「retina」仕様の高解像度スクリーンが採用されるのではないかと言われていた。既にご承知のように、そうはならなかった。確かに高解像度画面が搭載されれば面白いかもしれないが、現行のスクリーンでも十分に満足できると感じている。

ハードウェア的には他にたいした不満はない。ただソフトウェア面で言うと、やはりワイヤレスに同期する機能は実現して欲しいと思っている。通知システムについても改善されるだろうと思っていたが変わっていない。こうした点は、遠からずリリースされることになるであろうiOS 5で解決して欲しいと願っている。

買うべきか買わざるべきか

ハードウェア、ソフトウェア、そしてスマートカバーの魅力はきっとお分かりいただけたのではないかと思う。しかし多くの人が購入に踏み切るべきかどうかについて悩んでいる人もいると思う。現在iPadを持っていなくて検討しているということなら話は簡単だ。ぜひとも購入すると良いだろう。初代iPadが持っていた魅力はすべてそのままで、さらに新たな魅力が付け加えられている。

年内にも新しいiPadが登場するのではないかと悩んでいる人もいるだろう。ただこれはあくまで噂であり、また実際に登場するとしても半年ないし9ヶ月も先の話だ。すぐに購入すればその間もiPadを十分に楽しむことができる。また新しいものが登場したとしても、それがどのようなものになるかはまだまったくわからないのだ。iPadが欲しいと考えているのなら買ってしまうのが良いのではなかろうか。そうでなければまた数ヶ月も買おうか買うまいかと悩み続けることになる。

既にiPadを持っている人の場合は話が少々難しい。捨てるほど収入があるというのなら何も躊躇う必要はない。そうではない人には、とりあえずiPad 1の魅力はそのままで、さらに魅力的なマシンに仕上がっているということだけ伝えておこう。

尚、iPad 1を購入したばかりで、またすぐに数百ドルを出費するのは辛いという人もいるだろう。そういう人に伝えておきたいのは、iPad 1がすぐに時代遅れになってしまうことはなかろうということだ。確かに次第に「旧世代機」ということを感じされられるようにはなるだろう。しかしそれはすべての物事にいえることだ。そういう人はなるべくApple Storeに立ち寄らないことをおすすめする。また友人のiPad 2を触ってみるのも控えるべきだ。いったん触ってしまうときっと欲しくなってしまうことと思う。

尚、買うにしても3G版とWiFi版のどちらにしようかと頭を悩ませる人もいるかもしれない。iPhone 4でPersonal Hotspot(ないし他のホットスポット機能)が使えるのならWiFi版を購入するのが良いかもしれない。いくらかお金の節約になる。あちこちにiPadを持ち歩くことを考えているのであれば3G版が選択肢となる。

ところでアメリカに住む人には、AT&T 3G版を選ぶのか、それともVerizon 3G版を選ぶのかも悩みどころとなる(別モデルとして販売される)。私が利用したのはAT&T版だ。サンフランシスコではAT&Tの回線品質がひどいと言われているが問題なく使用することができた。よく信頼性のVerizonと高速なAT&Tということが言われているが、これがどちらのモデルを選ぶかの選択基準のひとつとなるだろう。AT&T版には最適な回線を選択して速度を維持する機能が搭載されているが、Verizon版にはそうした機能は搭載されていないようだ。

他機種との比較はどうだと気になる人もいるかもしれない。しかし実際のところ、他の機種は未だ初代iPadの足元にも及んでいないというのが実際のところだと思う。iPad 2については言うまでもない。Xoomについてはほんの短い間使ってみただけで、確かに面白いとは感じた。しかしまだまだ問題も多いように感じる。この比較についてはこちらのインタビュー記事が参考になることだろう。

RIMやHPのタブレットが気になっている人もいるだろうが、こちらはまだ実物が市場に出てきてもいない。価格もさほど魅力的な設定とはなっていないようだ(ちなみにiPad 2はiPad 1同様に$499からという設定になっている)。また、少なくとも現在についてみると、iPadほどに多くのアプリケーションが用意されているものもない。スペックには現れないが、この点もiPad 2の大きなメリットだと言うことができよう。

現在、iPad用には70,000ものアプリケーションがある。もちろんすべてが素晴らしいとか役に立つものばかりだと言うつもりはない。しかしこのうちの1割でも良いものがあるとすると、それだけで競合相手を圧倒する数値となるのだ。また、iPad 1で経験を積んだ開発者たちは、すぐにもiPad 2で進化したハードウェア能力を活用するアプリケーションを作り始めることだろう。この点もライバルにはないiPadの魅力だということができる。

尚、今回はブラック版とホワイト版の2つが用意されることとなった。ついにホワイト版が手に入るということで、楽しみにしている人も多いことだろう。

まとめよう。「買うべきか」と言われれば「おそらく」と答える。いろいろな条件もあるだろうから、吟味して判断して欲しい。誰もが「欲しくなる」ようなものかと言われれば、こちらには「もちろん」と答えておく。参考になれば幸いだ。

訳注:英文記事は現地時刻3月9日に公開されました。日本語版を3月11日に用意していましたが、訳し終えた瞬間に大地震が発生し、公開を見送っておりました。内容的には参考になるところも多いと考え、改めて公開する次第です。

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(翻訳:Maeda, H)