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モバイルメッセージングの熱狂

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編集部注:ゲストライターのSemil Shahはデジタルメディア、消費者向けインターネット、ソーシャルネットワーク等に関心を持つ起業家である。パロアルト在住。Twitterアカウントは@semilshah

木曜日に私は、一日中Yobongoを使っていた。おかげで、新しいランチスポットを見つけ、旧友と再会し、さらにはYobongoの共同ファウンダーと会うことができた。その日の午後、最近のグループ/モバイルメッセージング戦争についてTechCrunchの記事を書こうと私は考えた。その数時間後、Color Labsが公開された(というのは控え目な表現かもしれない)。そして、この記事を編集していた金曜の夜、Discoが登場した。Googleの新しいメッセージングクライアントだ。SXSW、大学バスケットボール選手権と合わせて、まさしくMarch Maddness(3月の熱狂)である。

モバイルソーシャル分野におけるこの爆発現象は何を意味しているのだろうか。今われわれが目にしているのは、パソコンやノートPCではなく、携帯電話とタブレットに特化した全く新しいタイプの企業たちである。彼らは基本的なソーシャル行動に基づき、スマートフォンの機能を生かすことによって、親密なネットワークを構築するチャンスを得ると共に、ユーザーにはこれまで以上に優れた機能を提供する。昨年だけでも、Facebook、Foursquareといった大勢力が、チェックイン機能に位置べースの写真共有を組み合わせた新しいモバイル機能を提供し始めた。おそらく広い意味でのメッセージングは、モバイルデバイスで前から得られていた細々とした情報を組み合わせ、活用することによって、より状況に特化したコミュニケーションへと収束していくのだろう。

わずかこの1年間で、状況は急速に活性化した。第一の波は、モバイル機器のカメラを活用したアプリで、Instagram、PicPiz、Pathといったサービスが生まれ、スナップ撮影をして写真を共有するという基本的ソーシャル行動を組み合わせることによって、今までと異なるタイプのソーシャル構造、異なるタイプのネットワークを作り上げた。位置情報ベースのサービスは、GPSを使って同じこと成し遂げた。ビデオ共有は、もっと困難だったがuStreamSocialCamなどの会社が将来有望である。SoundCloudは日常生活の音を録音、共有することを可能にし、IntoNowはテレビや映画(CMも?)の音声を(Shazamのように)認識することによって好きな番組を中心にユーザーを繋ぐものだ。加速度センサーは、Bump Technologiesの共有サービスに活用されているほか、Apple TVと集中型デザインによってリビングルーム進出を果たしたAppleは、iPhoneをジョイスティックに変身させるかもしれない。

同時に、モバイルメッセージングのアプリケーションを作り始めている人たちがいる。ソーシャルへの大志を抱く者たちも。そうした新しいツールは、Inbox Zero[受信箱を空にしよう]を目指してFacebookの大海を犬かきで進んでいる人たちに、より親密なコミュニケーションプラットホームを提供する。Dave McClureも主張するとおり、Facebookに親密性は無い。今日の巨大ソーシャルネットワークは、個人認証の手段となほど確固たる地位を築いているが、大きすぎてきめ細やかを提供できない。モバイルメッセージングの世界では、短かいテキストメッセージが、カップル、親友、クラスメート、子供達、親といった、近況アップデートやツイートのレベルに達することのない間で交わされる。この親密度にまつわる葛藤の雰囲気を、Belugaほど的確に捉えたサービスはない。ユーザーを「pod」と呼ばれる擬人化されたクジラの群れへと変換するこのサービスは、新たな海域を求めて大海に出航した。その後Beluga[シロチョウザメ]が、Facebookによって銛を打ち込まれたのはもちろんである。

こうした新しい階級のモバイルメッセージングサービスにとって、今はまだ始まりにすぎない。現在この分野は4種類の活動に分けられる。グループチャット、SMS代替、ランダムまたはローカルな発見、リレー。「グループチャット」のカテゴリーには、 GroupMe(プッシュ付きSMSグループメッセージング)、Fast Society(若者による短命グループ指向)、Rabbly(Facebook connectによる繋がり)、Whatsapp(マルチメディア指向の無料SMS)などがある。グループ機能によってSMSに取って代わろうとするのが、KiktextPlus、そして上に挙げたBelugaだ。新しいY Combinator出身企業であるConvoreは、興味に基づくリアルタイム・リレーチャットの新しいサービスを始めた。もちろん海外での成功例もあり、最も有名なのがインドの SMSGupShupだ。以上のサービスは、すでに知り合い同志であるユーザーから「ネットワーク効果」を入手する。

一方、もっとランダムな繋がりからネットワーク効果を手に入れようとするサービスもある。恐らくもっとも論議を呼ぶアプリケーションが、新しい見ず知らずの人たちを発見する、MessageParty(Y Combinator卒)、Matt HunterによるTextSlideThe New York Timesで紹介された)、Yobongo、そしてもちろんColor Labsなどの(「Chatroullete[チャット・ルーレット]系)サービスだ。ほとんどの人たちは、知人とはすでに繋がっているか、再会を果たしているので、次の革新は、われわれに新しい発見をさせてくれるサービスというわけだ。これらのサービスは、こうした発見を生かして、われわれが友人や家族を中心とした小さなグループを作ったり、全く知らないが興味や地理パターンの近い人たちと新しいネットワークを作ったりするのを手助けする。一日中会議のあいまにYobongoを使っていると、そこに本質的に差し迫った何かがあり、Twitterには大きすぎて扱えない超ローカルなコミュニケーションのニッチを埋めていると感じる。だからYobongoなどのサービスが成功する、と言うわけではないが、彼らがこの分野の限界を押し広げていることはたしかであり、今後この概念からさまざまな化身が生まれてくるのではないだろうか。

モバイル/グループメッセージングは、投資家にも起業家にも、そしてユーザーにとっても魅力的だ。うまく作られていれば、ネットワーク効果を生かして参加を促進し、収益モデルを確立することができるだろう。これは、設立当初からモバイルを全面的に考慮した新しい企業のタイプである。これらのサービスは「ポストPC/ノート」的発想に基づいて設計されている。彼らはソーシャルネットワーキングレースの先導車を風よけにして走るところからスタートする。最も新しくこのred ocean[血の海]に入ってきたColor Labsは、赤い海をさらに赤く染めつつあるかもしれない。人は今あるソーシャルネットワークが永遠に存続して、われわれの大方のニーズを満たしてくれるものと思い込みがちである。しかし、シームレスで使いやすいシステムを作れば、元々モバイルを意識して作られていないビッグプレーヤーにとって、大きな価値となることに気付く者もいるだろう。そして、ブレークスルーを果たし、永続きするソーシャル体験を自ら作り出す人たちも出てくることだろう。

写真提供:Flickr/kidperez

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(翻訳:Nob Takahashi)