居眠りをして倒産へ: Blockbusterの失敗談に学ぶ

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Blockbusterの完全に跡形もない崩壊を見ていて、全然嬉しくないと言ったら嘘になるね。

子どものころには、近くに、繁盛しているビデオ店が2軒あって、ぼくたちに終わることのない楽しみを提供してくれた。そこへ、Blockbusterが現れた。そのころ同社はすでに、ブルーとゴールドの日よけテントが目印の巨大チェーンで、まるで国中がその二色に塗られたようだった。在庫数では、地元のビデオ店はとてもかなわない。だから当然ながら、ローカルなビデオ店はBlockbusterにつぶされた。

このローカル店つぶしは、数年間、国中に吹き荒れた。ゴリアテはダビデを負かしただけでなく、むしろ、現れただけで地元店はしっぽを巻いた。彼は墓の上で踊り、(在庫の多さで)子どもたちを楽しませた。

これぐらい巨大になると、もうそれだけで無敵だ、と人は思うかもしれない。しかし、今はどうだろう。今朝(米国時間4/6)のニュースでは、Dish Networkが、破産したBlockbusterの資産を約2億3000万ドルで買い取るという–キャッシュで。かつてViacomが84億も払った(そしてその後数十億ドルのIPOで分離独立させた)会社と同じ会社だ。それが失墜するなんて、信じられないぐらいだ。

でも、過去数年のBlockbusterの動向をよく見ていた人なら、信じられないという感想にはならないだろう。そして同社の物語は、今の巨人たちにとって恰好の警告になるだろう。というよりむしろ、勝てそうもない巨人に立ち向かおうとするスタートアップたちに、重要なヒントを与えるだろう。

Microsoft、Google、Apple、などなど。この連中はみんな、無敵に見えるかもしれない。彼らが何かの分野に人や金を投資するときは、われわれ小者はその分野を避けるべきである、…そうだよな? でも、Reed Hastingsが1998年にNetflixを始めたときは、まさにそれをやったのだ。彼はただ、一人の客としてBlockbusterがアタマにきていた。とくにあの、ばかみたいに高い延滞料金にむかついていた。そして、映画のレンタルはもっといいやり方があるはず、と考えた。

当時Blockbusterは、当然ながら、Netflixを一笑に付した。というか2年後には、BlockbusterがNetflixを5000万ドルで買える機会があった–前年に50億ドルのIPOをした同社には、端金(はしたがね)だった。Blockbusterはそのようなオファーをすべて断った。それは、Fast Companyの優れた分析記事が、Blockbusterの最悪の失敗と述べているとおりだ。

代わりにBlockbusterは、Enronに巨大な投資をした(Enronのブロードバンドサービス子会社に)。絶対、やってはいけないことを。

やっと2004年になって–Netflixの立ち上げから6年経っていた–Blockbusterは、オンラインのDVD郵送レンタルサービスに進出すべきだと気がついた。そのころNetflixはすでに利益が出ていたし、Redboxがローンチしたばかりだった。そのときBlockbusterはすでに死んでいた–それが同社には分からなかっただけだ。

企業が過去の栄光に安住し、敵に弱点をさらけ出す、ということの好例だ。でもそれは、あまり公平な言い方ではないだろう。弱点をさらけ出すどころか、Netflixという芽を最初の6年のうちにつぶすために、Blockbusterはあらゆることをできたはずだ。同社は、単に、あまりにも傲慢だったのか、あまりにも動きが遅かったのか、あるいはあまりにも愚かだったのか、それともこの3つすべてであったために、何もしなかったのだ。

だから、Googleが今となって大きな変革を敢行しようとしているのは感動的だ。Googleの勢力は、たぶん今が絶頂だから。Googleは、過去の栄光に安住しない。いろんな分野で、何百もの課題がGoogleを追い詰めている。そして協同ファウンダたちは、会社が今、ややスリップしていると感じているようだ…本誌の某ライターもそう感じたように。そこで、実際に問題が起きる前に先回りして、大胆な動きに出た。どれも、過去に例がなかったような動きだ。

Blockbusterがその終末期にやったことは、その正反対だ。当時のCEOは、Netflixはまったく脅威ではない、と強気に宣言した。こんなことも言った: ”みなさんがNetflixを持ち上げることに、率直に言って困惑しています。…Netflixはうちにできないことをやってるわけではない、うちがすでにやったことをしているだけです。”

このJim Keyesという男は、Circuit Cityを買収しようとした。店を増やせばBlockbusterの問題は解決する、と考えたのだ。数か月後に、Circuit Cityは倒産した。BlockbusterがCircuit Cityを買わずにすんだために、同社の余命はあと2年延びたとも言えるのだ。

その後、Blockbusterのデジタル戦略のトップが、Fast Companyのインタビューでおあつらえのことを言っている。“弊社の戦略的な立ち位置は、どこよりも優れている。それは、私が逆立ちしても夢見ることができなかったほどの、高い位置だ”。彼は、まだNetflixに勝てる、と言っているのだ(2010年夏のインタビュー)。

あの有名人になった、元イラクの情報大臣ですら、真顔では言えないような言葉だ。

というわけで、巨人が占拠している分野にたまたまいるスタートアップは、永遠に続くものはない、と考えるべきだ。最大の企業ですら最後には自己満足の陥り、足を掬われる。巨人のその巨大なエゴと札束の山からは見えない(見ようとしない)死角が、つまり新しいアイデアが、至る所にある。

彼らは居眠りをしているまに負ける。かつてはテレビの前で毎晩が、すばらしいBlockbuster*の夜だったのに。〔*: blockbuster, 映画などの大ヒット作。〕

[トップの写真: flickr/trebomb]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))