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Stippleがいよいよ一般公開へ–人物だけでなく製品にもタグを付けると最強のマーケティングに

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ラップ『デベロッパーズ』(当然、feat.スティーブ・バルマー)

本誌は昨年9月にStippleを取り上げたが、そのときはすごくクールなアイデアだと思った: FlickrとかFacebookなど特定のサイトではなくWeb上のどこにある画像でも、その中の人物にタグを付けられるのだ。Kleiner Perkins、Mike Maples、それにJustin Timberlakeまでもが、生後3か月の同社に、合わせて200万ドルもつぎ込んだのだから、彼らもぼく同様、そのアイデアに感動したのだ。そのStippleが今日(米国時間5/3)発表した完成製品を見ると、その初期投資の早さもうなずける。このプラットホームは、今後すごく大物になる可能性を秘めている。それに、Stippleを利用してお金を儲ける人もたくさん現れるだろう。

では、今のStippleは何なのか? そう、今でも人物にタグを付ける機能はもちろんある。それだけでも十分にクールだ。Web上の写真の中の人物にタグを付けると、そこにその人のTwitter IDやFacebook IDを入力でき、そうすると誰もがその人の最新のアップデートを画像のオーバレイとして見ることができる。でも、去年の発表時になかったもっとビッグなアイデアは、写真提供サービス(フォトエージェンシー)やファッションのブランド、コンテンツのパブリッシャーなどなどの商用サイトに、人びとのWeb閲覧の仕方や買い物の仕方をラジカルに変えてしまう可能性を与える。〔訳注: “人物”だけでなく画像中の”物”にも、いろんな機能を持つタグを付けられる、ということ。〕

それはこういうことだ: これまでは、Web上の写真でたまたま見たシャツが気に入ったら、似たようなものをGoogleなどで探すしかなかった。あるいは、よく利用するショッピングサイトへ行って、同じ、または似ているシャツを探すだろう。でもStippleのタグは、その写真を見るすべての人に、そのシャツに関する情報(メーカー、売ってる店、値段、等々)を与えることができる。そして人びとは、タグのオーバレイに表示される二つのボタン(上の画像)のどちらかをクリックして、そのページを後で見るために保存したり[Want]、すぐに買ったり[Shop]できる。

それは、Webブラウザにとてもよく合ったアイデアだ。なぜそう言えるのか? Stippleの協同ファウンダでCEOのRey Flemingsに話を聞いたのだ。Stippleはこの製品タグをこれまで試験してきた。集めたデータは1000万を超える。Stippleのタグのある画像は、マウスがその上に来ると(ホバーすると)人や物の上に小さなドットが現れる。そしてさらに、そのドットをホバーしたら、タグがオーバレイ表示される。で、試験の結果では、写真の上にマウスをホバーさせる人は全閲覧者の46%、そして画像の全ホバー回数を100とすると、ドットがホバーされる確率は12.48%だった。ちなみに人物タグの場合は、画像の全ホバー機会の4.9%しかドットがホバーされない。

これを、通常のWeb広告と比べながら考えてみよう。まず、マウスがドットの上をホバーする==タグが表示されることは、広告のインプレッション(impressions, 広告の到達数)に相当する。ただし、単なる広告と違って、ユーザの意思の指向性は高い…Stippleのタグのある画像では12.48%のCTRを稼げる、と考えることもできる。さらに、その1.75%が[Want]をクリックし、1.9%が[Shop]をクリックしている。つまり、コンバージョンレート(実客化率)が2%近い、と考えることができる。広告主や代理店にとって、こんなに高いレートは、まるで夢のような話だ*。〔*: 通常のWeb広告ではCTRもコンバージョンレートも、これらの二桁以下の小ささであることが普通。〕

Stippleでは、写真の中の実際の人間が実際の製品を着ているから、Web閲覧者の関心度もこれだけ高くなるのだ。試験期間にはセレブたちの写真を多く使ったから、さらにレートが高かったのかもしれない。でも、それも、今後使える作戦の一つだろう。

Stippleが今日立ち上げるバージョン2.0は、フォトエージェンシー(写真提供サービス+写真の著作権管理代行)、企業、お店、パブリッシャーなどがこの新しいクリック&バイ((click&buy)方式を、Stippleと協働して容易に実装できる、完成製品だ。タグの種類によって3種類の製品が用意されている: Lensはフォトエージェンシー向け、Pipelineはお店・企業向け、Networkはパブリッシャーやブロガー向けだ。このほか、一般消費者が自分のWantのリストを見れるWantという製品もある。〔Stippleの既存のタグの種類は、Stippleのトップページの下のほうのHow it works:を見てください。〕

何万もの写真を抱えるフォトエージェンシーは、Lensを使って画像にタグを付け、ライセンス情報やクレジット情報を表示できる。Stippleの登録ユーザになっているフォトエージェンシーは、すでに9社ある。

商品を消費者に直売したい企業やお店は、Pipelineを使って画像中の商品にラベルを付ける。Stippleは、同類の写真すべてにこのラベル付けを行う(特定のイベントにおける、特定のドレスを着ているセレブの複数の写真、など)。Pipelineの登録ユーザは今60社ある。

パブリッシャーはNetworkを使って、画像にいろんなデータを付随させることができる。いわゆるメタデータではなくて、Stippleが自分のサーバ上で付けるタグだから、ユーザサイト側ではたった1行のJavaScriptのコードですむ。どこかからコピーしてきた(そして加工した)画像に対しても、可能だ。Networkの登録ユーザになっているパブリッシャーは、1600を超える。

とにかくこのツールは、シンプルで素早く使えるところがキモだ。そしてFlemingsは、サービスとその経営がすでに軌道に乗ったと感じている。

しかし、競合もある。とくによく知られているのが、”画像のためのAdSense”と呼ばれるPixazzaだ。同社の1200万ドルのシリーズBにGoogle Venturesが参加したのは、このあだ名のせいかもしれない。さらに、Thinglinkがある(同社のCrunchBaseのプロフィール)。しかしFlemingsは、Stippleでは実際の製品に情報をくっつけられるし、ツールとしての汎用性があるから、PixazzaやGoogleの画像検索より断然有利だ、と考えている。

彼は、写真の人物が着ているのと似た服を検索で見つけることはできるが、完全に同じものではない、という例を見せてくれた。“ユーザは’こんな感じの’が欲しいわけではない。ずばり、その品物が欲しいのだ”、とFlemingsは言う。Stippleはつねに、「ずばりそのもの」にねらいを定める。

Stippleのパートナー/登録ユーザのフォトエージェンシーからは、セレブたちの写真が今後も続々出てくるから、あるイベント(たとえばアカデミー賞授賞式)の当日か翌日には、レッドカーペットの上でスターが着ていたドレスを、ワンクリックで買うことができるのだ。セレブ自身が、企業やお店と積極的に協力して、このようなマーケティングを展開することも、将来的には考えられる。…もちろん、ギャラは高いだろうけど。

アップデート: Stippleの利用例をここで見ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))