[Google I/O]レコード会社の承認なくGoogleが音楽サービスを立ち上げ–またまたAppleに負けそうだ

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フラッシュバック: この写真は、去年のGoogle I/Oのステージだ。Vic Gundotraが、Androidのすばらしい新機能を次々と紹介している。その、Fro Yo(フローズンヨーグルト)と呼ばれる新バージョンのAndroidは、iOSを文字どおり抜き去るものだった。そしてその次が驚きの瞬間: Google Musicの突然のお披露目だ。曲をデスクトップから購入して、自分の携帯にワイヤレスで’プッシュ’できる、が最大の売りだ。短時間のお披露目で、立ち上げの日程などは発表なし、でもそのときは誰も、1年も待つとは思わなかった。しかし、レーベル(レコード会社)との話がまとまらず、遅れに遅れた。3月にはAmazonがCloud Driveを立ち上げて、Googleを出し抜いてしまった。

今夜(米国時間5/9)のWSJ(ウォールストリートジャーナル)の報道によるとGoogleは、1年間レーベルと不毛な話し合いを重ねたあげく、明日のGoogle I/Oでついに音楽サービスを立ち上げるらしい。それは、レーベルからの承認を得ていないことも含めて、Amazonのサービスによく似ているらしい。本誌はGoogleのAndroidコンテンツ担当Jamie Rosenbergに話を聞いたが、彼もこの報道を認めた。GoogleのサービスはAmazonのより多くの点で優れている、と彼は言うが、そんなことを言われたって感動はしない。1か月後には、ぐんと影が薄くなってるかもしれないね。

まず、基本的な特徴。

AmazonのCloud Driveと同じく、Googleの音楽サービスも自分の音楽ライブラリをサーバにアップロードする。それを、PCやAndroid製品などで、インターネットに接続できるところならどこでもストリーミングして聴ける。アップロードは、PCとMac用に提供されている小さなアプリをダウンロードし、それを使って行う。ChromeOS用にはFlashを使ったWeb上のプレーヤーがあり、Android 2.2以降ではMusicアプリケーションにこのサービスがある(曲のローカルな保存も可)。サービスは当面招待制で、Google I/Oの来場者とXoomのVerizonバージョンのユーザが招待される。サービスは無料だが、ただし無料でアップロードできるのは当初、2万曲までだ(Rosenbergによれば容量(ギガバイト)ではなく曲数で制限する)。

とくに問題ないように聞こえるが、ハードルがいくつかある。最大のハードルが、アップロードだ。会員登録をしてネイティブアプリ(アップローダー)をインストールすると、あなたの音楽ライブラリをアップロードしろ、と言われる。数ギガバイトのコンテンツをアップロードするのは、誰にとってもたいへんだ。難しい作業ではないし、とりあえず聴きたい曲だけをアップロードすれば楽かもしれない。しかしそれでも、すべてをアップロードするのに1日も2日もかかるのは、うんざりするだろう。

またAmazonと違って、Googleのサービスからは音楽を購入できない。自分のライブラリ中の新しい曲はGoogleのデスクトップクライアントが勝手にアップロードするから、その点は気楽だが、曲をそのサービスで買えないことはかったるい。

明日立ち上げられるサービスは、Androidユーザにはハッピーかもしれない。AndroidのネイティブアプリだからAmazonのCloud Driveより使いやすいし、ユーザ体験を良くするための工夫も盛り込まれている(たとえばユーザが聴きそうな音楽を自動的に判断してキャッシュする機能)。しかしAppleも、6月のWWDCで、これと競合するクラウドサービスを発表するらしい。しかもこちらはレーベルの完全なお墨付きだから、その違いは大きい。

Appleのサービスでは、何千曲ものMP3をアップロードしなくても、iTunesがそのユーザ用の(小さな)データベースを調べてファイルを音楽のリポジトリとしてオンライン化するから、とても楽だろう。その技術は前からある–Appleが2009年に買収したLalaが、何年も前からやってることだ。問題はレーベルとの交渉だけだ。しかもAppleがユーザに対し、その点についてしばらく待ってくれ、と言うことはありえない。ユーザがある日iTunesの新バージョンを起動したら、これからはiPhoneやiPadからあなたのすべてのコンテンツにアクセスできます、と言われるだけだ。ユーザは、オンラインロッカーの存在すら知る必要がない。単純に、聴きたい曲をiTunes上で聴けるようになるだけだ。超単純。

しかし、それで急に、Androidの売上が落ち込むことはない。Android上には、サードパーティのDoubleTwistなどをのぞいては、音楽を簡単に管理できる方法がなかった。だから今回のGoogleのサービスは、たしかに一歩前進だ。しかし音楽ファンが、これからどっちを買おうか迷っているときには、ほとんど必ず、iOSの勝ちになるだろう。

真偽のほどは不明だが、Rosenbergによれば、Google Musicは今後機能が増強されていく。でもユーザが自分の音楽ライブラリを簡単にアップロードできるサーバ上のデータベース、というサービスの構造は、レーベルの承認が必要なはずだ。レーベル側は、明日の立ち上げを、決して快くは思わないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))