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Square Cash Register

Disrupt:ジャック・ドーシーのSquareが革命的なモバイル・キャッシュレジスターをiPad向けに発表

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Twitter、リツイートとお気に入りをメールで通知

今日(米国時間5/23)、モバイルのクレジットカード支払いサービスのスタートアップ、SquareがTechCrunch Disruptで発表を行った。まずSquaerは業績に関して、いくつかの重要な数字を公表した。Squareの独自カードリーダーは50万台が出荷され、5月に入ってこのリーダーを利用した取引はすでに100万回を超えた。Squareは現在、毎日$3M(300万ドル)の取引を処理しているという。 取引の回数と処理の規模をからすると、Squareは急速に普及しつつある

さらにTwitterの発明者で共同ファウンダーであるCEOのJack Dorseyは、今日、次世代のSquareを発表した。これによってSquareはますます革命的な存在になっていきそうだ。

今日Dorseyが発表したのは、伝統的なキャッシュレジスターや販売端末に取って変わろうとするSquare Registerと呼ばれるきわめて強力なアプリだ。また、消費者向けに、地域のSquare利用ビジネスの商品、価格、場所など情報を提供するSquareCard Caseというオンライン版の顧客カード・アプリも発表された。

念のため、Squareの背景についておさらいしておこう。Squareは現在、iPhone、Android、iPad向けにマーチャント〔クレジットカードを利用して支払いを受ける個人や店舗、企業〕がモバイル・デバイスを利用してクレジットカードによる支払いを受け、取引を管理できるサービスと独自のカード読み取り装置(モバイル機器のイヤホンジャックに接続)を提供している。このデバイスとサービスは、Twitter の共同ファウンダーで最近Twitterのプロダクト開発責任者に復帰したJack DorseyとJim McKelveyのアイディアによるものだ。最近、Squareは大手クレジットカード会社のVISAから戦略的投資として新たに$27.5M(2750万ドル)の資金を調達した。今年の第1四半期にSquareが処理した支払いは$66M(6600万ドル)に上った(同社自身による予想は $40M)。現在の成長をベースに考えれば、1年以内に処理総額が $1B(10億ドル)を超えるのは確実だ。

iPad向けキャッシュレジスター、Square Registerを発表

SquareのCOO、Keith Raboisは「われわれの支払いサービスを利用しているスモールビジネスのユーザーの多くは、クレジットカードによる支払い端末以上の機能を希望していることが分かった。特に重要な希望は、単に顧客から支払いを受けるだけでなく、顧客と簡単にコミュニケーションできる機能だった。そこで今日、われわれは新しいiPadアプリを発表する―SquareRegisterだ」

RaboisはこのiPadアプリの出現で「キャッシュレジスターや高価なのに低機能な伝統的なセールス端末は時代遅れになる」と主張する。カードリーダーもアプリも無料である(そしてすばらしいデザインだ)だけでなく、このオンライン・キャシュレジスターは顧客と意義のある関係を結び、管理する役に立つ。当初からSquareではすべての販売記録を保存しており、マーチャントはレシートをメールやSMSで顧客に送ることができた。

今回のバージョンアップで、マーチャントは顧客に対しSquare Card Caseと呼ばれるアプリをダウンロードできるリンクを送ることができる。これによってマーチャントは顧客とのきわめて多様なコミュニケーションが新たに可能になる。また販売履歴に対する詳細なデータ分析機能も追加された。Dorseyによると、マーチャントはGoogleAnalyticsスタイルのデータ分析にアクセスできるようになり、販売数量、顧客属性などが簡単に呼び出せるという。

Square Card Caseは消費者向けオンライン・ユーザーカード・アプリ

スクリーンショットでも分かるように、Card Caseはその名のとおり、お財布のカードホルダー部分のようなUIだ。ユーザーはここにクレジットカードや自分が利用する店が発行する顧客カードを入れておくことができる。機能はこうだ。Squareを利用しているマーチャントは訪問した顧客に対し、このアプリをモバイルデバイスにダウンロードするようリンクを送信することができる。このアプリが一般のアプリストアには公開されていない点が重要だ。ローンチ当初はiPhone版のみだが、すぐにAndroid版がリリースされる。

Card Caseアプリをインストールした後、消費者はSquareを通じて利用したマーチャント(店舗)の発行する顧客カードを何枚でもここに保管することができる。顧客カードをクリックすると、マーチャントへの地図、電話番号、営業時間、注文状況、購入履歴、レシート、などの情報が即座に得られる。さらにマーチャントから日替わりのお勧め商品などの最新セールス情報も表示される。その店で何が売れているかという情報、や顧客の購入履歴に合わせてカスタマイズされたバーゲン情報なども提供可能だ。

〔略〕

ローンチ時点でSquare Registerはすでにサンフランシスコ、ワシントンD.C.、セントルイス、ロサンゼルス、ニューヨークで50のマーチャントによって利用されている。TechCrunch Disruptが開催されているホールでマーチャントがブースを出してこのオンライン・キャッシュレジシターの実演をすることになっている。Squareによれば、この数週間、このサービスは選ばれたマーチャントに対して順次提供されるということだ。参加するマーチャントはコーヒーショップからパン屋、花屋、レストラン、バーなど多様な業種が含まれる。

Squareではキャッシュレジシターを含めた新世代の同社のサービスはあらゆる小売ビジネスが標準的に備えるべきプラットフォームになると確信している。Squareは単にクレジットカードでの支払い処理を行うだけではなく、セールス記録の分析を行い、さらにマーチャントと顧客のコミュニケーションを維持管理できる。いずれも従来のPOP端末では不可能だった機能だ。

手数料にはまったく変更はない。Squareは取引額の2.75%の手数料を得る(当初課されていた1件あたりの手数料の最低額$0.15という条件は数ヶ月前に廃止されている)。なお、Squareではこのメジャー・バージョンアップの対象としてiPadを選んだことは興味ふかい。Android版、iPhone版のアプリは従来のシンプルな機能のまま据え置かれた。Raboisは「小売ビジネスの分野でのiPadの圧倒的成功をみてこの決定を行った」と述べた。

PayPalもローカル支払い分野への参入を試みているが、 顧客別にカスタマイズしたセールス情報の配信が可能であるだけでなく、位置情報が利用できる点で、Squareの高機能な新サービスはPayPalの出鼻をくじくものだ。位置情報の利用に関してはさらに多数の新機能が準備中だとRaboisは付け加えた。

VISAに限らず、PayPalを含めて新世代支払いサービスに興味を持つ大手企業はもう一刻も早くSquareに参加すべきだろう。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01