Spotifyを使うと海賊行為が不要になる—と言われるのはなぜか

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合衆国に住んでる人なら、Spotifyの話はもう聞き飽きているかもしれない。このオンデマンド音楽サービスでは、およそ1300万曲の中から、どれでも何度でもPCや携帯から聴くことができる。合衆国では大手レーベルとの契約がまだだが、ヨーロッパではユーザ数1000万、そのうち100万が有料会員だ。合衆国でサービスを開始したら、さらに大きなヒットになるだろう。

そして彼らのビジネスアイデアを一言で言うとそれは、「海賊行為よりも便利な…海賊行為をする必要がないぐらい便利な…音楽サービスを作ること」だった。

SpotifyのエンジニアGunnar Kreitzが、スウェーデンの工科大学KTH Royal Institute of Technologyで先月行ったプレゼンテーションでも、この”哲学”が強調されている(Spotifyの技術者はKTHの出身者が多い)。Kreitzは彼のプレゼンのスライドを自分のWebサイトに載せているので、それをこの記事でも下に埋め込んだ。このスライドは、Spotifyならではの重要な技術特性を説明しているが、その多くはスピードの向上のための工夫の数々だ。

このスライドによると、Spotifyの再生待ち時間のメジアンはわずか265ミリ秒だ。Kreitzによれば、これならユーザは”すぐに始まる”と感じるし、Spotifyの辞書には”バッファリング”という言葉はない、と誇ることができる。というか、どうしてもバッファリングしなければならない曲は全体の1%ぐらいだそうだ。言い換えるとSpotifyのプレーヤーは、iTunesと同じぐらい高速で信頼性も高い。またBitTorrentで最新アルバムを見つけることに比べると、文句なく速い。

彼のプレゼンテーションから、興味深い情報をいくつか拾ってみよう:

  • 開発は3週間ぐらいで集中的に行う。”スクラム方式”と呼んでいる*。
  • ストリーミング専用に開発したSpotify独自のプロトコルを使っている。多くのストリームデータがOgg Vorbis q5 @ 160kbpsである。
  • Spotifyがオンデマンドで音楽をストリーミングする場合、重要なのがキャッシングだ。Spotifyのプレーヤーは、ユーザが最近聴いた曲を大量にキャッシュする…デフォルトではユーザのディスクスペースの10%を使う(ユーザがその量を指定できる)。Spotifyのユーザの56%が、5GB以上という大量のデータをキャッシュしている。そのため、データの50%以上がローカルキャッシュからサーブされるので、ネットの帯域の大幅な節約になる。
  • ユーザが曲を聴くとき、最初の部分はSpotifyのサーバからただちにストリーミングされるが、その後プレーヤーは、できるかぎりP2Pに切り換える。P2Pがだめなときは、Spotifyのサーバからのストリーミングを続ける。
  • P2Pのおかげで、Spotifyではスケーラビリティが難題にならない。サーバをたくさん持つ必要もない。ダウンタイムも少なくなる。
  • ただし当然ながら携帯のクライアントはP2Pによるストリーミングに参加しない。

〔*: スクラム開発に関する参考記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))