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fitim blaku

ユーザをサイトに長居させるもの–それはデザインの魅力と楽しさだ

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本稿の筆者Fitim Blakuは、ニューヨークに住むソフトウェアエンジニアでWebデザイナー。彼の専門は、没入的な(immersive)なWebデザインとアプリケーションを作ることだ。彼のコンサルティンググループWebHDはもっぱら、Webからの売上を増やすためにはユーザの参加性を充実せよ、と説く。


テクノロジの変化は速い。液晶テレビはあっという間にブラウン管に置き換わり、今ではほとんどの携帯にタッチスパネルがある。ビデオゲームのグラフィクスは、今ではほとんど実写と変わらない。しかしその反面、Webサイト、とくに商業を仮想化したサイトはどれも、20年前からほとんど変わっていない。今のWebの売上は、最初に挙げた3つのメディアを全部合わせたものより大きいが、でも未だにほとんどのWeb企業が、参加性の高いWeb体験の実現に、高いプライオリティを与えていない。

ユーザが企業や製品と対話するための仕組みを、”インタフェイス”と呼ぼう。企業が表現するものは何もかも、インタフェイスとそれが与える体験から伝わる(伝わるとしたら!)。顧客の満足度やユーザの引き留め、サイトにおけるユーザの滞留時間、といった重要な測度は、企業が提供する参加性の質と量で決まる。参加性の高いサイトほど、人びとは長く滞留するようになる。滞留時間が長ければ、ユーザはいろんなアクションをするし、より多くの情報を消費し、より多くの広告をクリックする。ユーザの濃密な参加性を促すようなWebデザインは、したがって、とても貴重な資産だ。

デザインを良くすることによって売上増が得られる可能性は、とても大きい。でも、そういう、売上増進型デザインの市場は、今現存しているか? Webサイト/Webサービスを抱える多くの企業が、おもしろくて楽しいデザインとインタフェイスを、こぞって求めているだろうか? 今の一連のiPadアプリのデザインを見るかぎり、答はイエスだろう。それらはゴージャスで生気にあふれ、ユーザに美しくて快適なインタフェイスと、その上の対話性を提供している。だからAppleはいつまでも、iPadの増産が需要に追いつかないのだ。

没入的なWeb体験を作れ
今ある技術を使って、Webサイトに新しいレイヤ(layer,層)と新しい次元を加えることができる。今のブラウザはどれも、(数年前から)すばらしい機能を持っている。でもそれらの機能は、宝の持ち腐れになっている。とくにJavaScriptとCSSの最近の進歩改良によって、デザイナーたちは容易に、参加性を高めるための3つの強力なテクニックを実装できる。その3つとは、「動き」と「奥行き」と「時間性」だ。どれも、特殊なプラグインは要らない。これらのテクニックをフル活用した場合には、Webサイトが、ちょっとどころか劇的に変わる。今までできなかったことが、できるようになる。同じ画像をハイビジョンで見た人が、標準テレビに戻りたいと思うだろうか? …と言えるほどの、劇的な変化なのだ。

(上は没入型Webサイトの概念実証。昨年のTechCrunch Disrupt New Yorkで私がプレゼンしたもの。)

これらのテクニックは、クリエティビティが花咲くためのプラットホームを提供するが、無視しているデザイナーや企業も多い。必要なものは、デザイナーのちょっとした創造力と、実験を試みる余裕、そして自由と努力だ。ユーザがサイトに長居することを、トッププライオリティにしよう。ユーザに、企業と製品に心が深入りして、サイトに長く留まる理由を
与えよう。デザイナーの能力をフル活用し、彼らにできることを何でもやらせよう。企業は自分のWebサイトにユーザを集めるために大金を投じているが、でも訪れたユーザが見るものは、まるでパンフレットのような静的なページだ。だから、せっかく来てくれたユーザを逃さないための、あと一歩の努力が必要なはずだ。せっかく、Webサイトづくりに投資したのだから。

優秀なデザイナーはユーザの参加性を強める
ぼくの仮説では、ユーザの参加性を強め、滞留時間を長くするものは、Webサイトのデザインの魅力だ。訪れたビジターを売上に結びつけるものは、そこに長居して遊びたいという参加性の魅力だ。サイトに長くいてくれれば、広告をクリックしたり、サイト上でサービスや物を買ってくれるチャンスも増える。それが、せっかくWebサイトを作ったというマーケティング努力の成功につながる。サイトの参加性を増せば、今のユーザや新に訪れるユーザの、企業にとっての価値が増える。

良い例がAmazonだ。もしもAmazonのWebサイトが今よりももっと美的快感を与え、生気にあふれ、もっとビジュアルな整合性があれば、ユーザはこれまでよりもっと長くAmazonのサイトで過ごすようになり、当然、売上は増えるだろう。WalMartやTargetなどの小売企業は、大金を投じてときどき店舗の全面改装をする。環境を一新したら消費者がそのお店をより快適に感じ、したがって売上が増えることを、彼らは知っているからだ。正しい照明、目に優しい色、そういった視覚的な要素が、お客の買う気をそそる。このことに、オンライン企業の多くがまだ気づいていない。視覚と、それがもたらす体験の重要性を、Web企業は理解していない。でも、今日から着手すべきは、それだ。ユーザに、違いがはっきり分かる店舗改装ならぬサイト改装をしよう。Webは高速に進化しているから、サイト改装のための…ユーザの参加性対話性を増強するのための…大道具小道具も、次々と新しい仕掛けが登場しているのだ。そのことを、つねに意識していよう、技術進歩に乗り遅れないように。

(この全画面がアニメになっているWebサイトは、30秒のあいだにバックグラウンドでお話を語る。)

実験と繰り返しとそしてフィードバック
このような新しいデザインテクニックは、どんな仕組みなのか? 実はこれは、JavaScriptのjQueryのanimate()ファンクションがやっていることだ。強力な機能なのに、まだあまり使われていない(jQueryライブラリは無料でオープンソースだ)。これまではFlashを使わなければできなかったようなアニメーションを、今はJavaScriptで実現できる。Webページの上で、何かをスムースに動かすことができるのだ。画像や動画やテキストやバックグラウンド、あるいはFlashのオブジェクトですら、フェードイン/アウトができる。われわれデザイナーに提供されている最新の豊富なツールをしっかり使いこなすことによって、既存のサイトにも、参加性を強めるための仕掛けを盛り込むことができる。

このようなテクニックを使うようになると、Webサイトのデザインそのものが変わってくるだろう。たとえば、時間(時間的推移)と空間(3次元空間)のある仮想環境を作って、ユーザを本物の時空にいるような気分にさせることも、今ではデザイナーの工夫次第でできる。リッチな本物感のあるWebページの上でユーザが、よく考え抜かれたストーリーに沿って対話をしていく。色やテーマの趣向を変え、また、対話的アクションのためのインタフェイスをおもしろくしよう。今のデザイナーには、Webサイトに「奥行き」と「時間性」と「動き」を導入するためのツールがあるのだ。

正しいデザインによってデザイナーは、オーディエンスの心をがっちりつかみ、説得力のあるメッセージを伝え、そして新たな売上の機会を作り出す。重要なデザイン課題は、顧客が納得し満足する≪体験≫を、その、よく考えられているWebサイト/Webページが提供することだ。デザイナーは、そんなサイトを設計することによって、新しい強力なコミュニケーションの形を、切り開いていく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))