発表間近の「iCloud」。サービス内容はこうなる!…んじゃないかなという期待と不安

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来週、いよいよ毎年行われているWWDCというディベロッパー・カンファレンスにて、待望のiCouldについての発表が行われる。過去にほとんど例のないことだが、Appleは今朝方プレスリリースの発表も行っている。iCloudの詳細について囁かれ始めたのは3月頃のことだ。そしてAppleがiCloud.comドメインを購入するにあたり、「iCloud.com」の名称が正式名称として流れ始めた。iCloudサービスについてはいろいろなことが言われているが、実際にどういったサービスになるのか正確に掴んでいるわけではない。

以下にこれまでにわかっていること(ないしわかっていると判断していること)を記載しておこう。

  1. iCloudはまず、iTunesをミラーリングする音楽ロッカーとしての機能を持ち、いろいろなデバイスでストリーミング受信できるようになる。但し、これだけの機能に留まるものではないはずだ。
  2. iCloudのサービスは音楽のみを対象とするものとはならないだろう。MobileMeを発展的に統合するものになると思われる。
  3. またiCloudは、やはりWWDCで発表される予定のiOS 5に統合される形でリリースされるものと思われる。
  4. すなわちOSに統合される形となれば、将来的には位置情報サービスなどのさまざまなiCloudサービスが付加されていく可能性がある。

クラウドサービスの強化にあたり、MobileMeで行っていたバックアップ、写真やビデオの共有機能が、より使いやすい形で統合されていくことになるのだろう。3年前のMobileMeスタート時点、ジョブズがサービスに不満を感じていたのはよく知らている話だ。Fortune最近の記事でも、ジョブズが当初のMobileMeチーム責任者をこき下ろした件が掲載されている。

「MobileMeがどのようなものであるべきかわかっているのか」と問いかけた。ジョブズはそれに対する返事を聞いた後に続けた。「わかっているのならなぜそのようなサービスを提供しないんだ?」。

それから30分間にわたってジョブズはMobileMeチームを叱り続けた。「君たちはAppleブランドを傷つけたのだ」と厳しい言葉を選び、「自らを貶める可能性など必要ないのだ」と攻め立てた。利用者からの評判にジョブズが苛立っていたことがよくわかる。Wall Street Journalの人気ガジェットコラムニストのWalt MossbergもMobileMeを酷評していた。「Appleについて好意的なMossbergですら好意的なことを言わなくなっているじゃないか」とJobsは言ったそうだ。そしてその場でMobileMeチームを率いる新しいエグゼクティブを任命した。

そう。Appleに対して「好意的」であったWalt Mossbergも、MobileMeの初期バージョンについて不満を述べていた。不具合については修正されたが、利用者から好評を博す他のプロダクトと同レベルにまでクオリティが上がることはなかった。この度iCloudを投入すにあたり、Appleはデータの単純な同期や共有ではない、フル装備のオンラインエクスペリエンスを提供しようと仕掛けてくるのだろう。

つまるところ、Appleはどういったサービスを仕掛けてくるのだろう。まずiPhone、iPad、およびデスクトップで利用されているiTunes、iPhoto、およびiMovieまでもがウェブアプリケーションとしても利用できるようになるのではなかろうか。少なくとも一部の機能はクラウド上の機能として利用できるようになるはずだ。最低でもデータはクラウド上で利用可能となり、オンラインでの共有は簡単に行えるようになるはずだ。現在のところ、写真、楽曲、動画はすべて個々人のMacやiPhoneに縛られた状態にあると言って良い。これらをオンラインで扱うには、さまざまな手間を必要としてしまう。こうした手間を解決するサービスとなるのだろう。

但しそれはあくまでも「第一段階」としてのものだ。iCloudがディベロッパー向けカンファレンスで発表されるということの意味を考えて欲しい。つまり、開発者がiCloudを利用してサービスを構築できるようになっているのだろう。iOS 5の組み込み機能としてiCloudが提供されるのであれば、単純なサービスというものを超えて利用可能となっている可能性が高い。これはあくまでも想像に過ぎない。しかしiPhoneおよびiPadアプリケーションを、デバイス固有のプログラムやストレージから離れ、クラウドサービスと統合した形で開発できるようになるのではなかろうか。アプリケーションで提供する機能を、クラウド上で実現できるようになるのだ。そうなればストレージに関する問題もほとんど考えなくても良いようになる。

こうしたことが実現するとすれば、さらにさまざまな疑問が出てくる。たとえばクラウドアプリケーションがどこの環境から提供されるようになるのかということもある。Appleが提供するのか、それともAppleはサービスの動作規約を定めるだけで、外部サーバから提供することになるのかどうかという話だ。また、アプリケーションがクラウド上で提供されるようになれば、アプリケーション間の連携をどのように行うのかという問題もある。また、Appleは自社のiCloudアプリケーションをどういった料金体系で提供するのかもわからない。年間99ドルといったサブスクリプション形式で提供する可能性もあるし、個別に料金設定を行っていく可能性もある。無料で利用できるサービスがあるのかどうかもわからない。あるいは外部の開発者はiCloudアプリケーションでどのような課金モデルを選択できるのかも問題となろう。またオンライン出版用のプラットフォームとしてもiCloudを使っていくのかどうか。

実際のところ、iCloudについては名前と一部の機能しかわかっていない。来週にはきっとiCloudを廻るさまざまな疑問に答えが用意されるのだろう。読者のみなさんは、iCloudにいったい何を一番期待しているだろうか?

Photo Credit/Flickr/Kevin Dooley

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(翻訳:Maeda, H)