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[jp]ジェイ・リスティングがCPAのコンテンツ連動型広告をリリース。CPA広告はこれで広がる?

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ライブドアの子会社、ジェイ・リスティングがCPA(成果報酬課金)でのコンテンツ連動型広告のネットワーク、「パフォーマンスアド」を本日よりスタートさせている。グーグルやヤフーなどのリスティング広告はCPC(クリック課金)方式を採用しているが、これを成果報酬に対応させたようなものだとジェイ・リスティング側では説明する。なぜ成果報酬なのか、彼らの言い分はこうだ。

1つは広告主サイドから見れば、CPCの広告は不正なクリックの発生やクリックがコンバージョンに結びつかないケースがあるが、CPAであれば、広告主の費用対効果をコントロールしやすくなる。また、もう1つはCPAの方式をとる通常のアフィリエイト広告とは違って、月額の固定費がかからないことやメディア側に配信するクリエイティブのコントロールがしやすことを挙げている(アフィリエイト広告はメディアに固定で貼りつけられるケースが多い)。

一方、媒体サイドにとっても悪くはない話だと主張する。たとえばCPCの場合、GoogleのSmart Pricingのように広告配信事業者側の計測結果により突然広告の単価が下げられるケースがあるのだという。これは不正クリックや過度のクリック誘引を防止するためだと考えられるが、Smart Pricingが適用されれば突然収益が下がるということになる。だが、CPAであればそういった調整が入ることはない。

なんだかまるでいいことづくめのようなことだが、果たしてそうなのだろうか。原理的にはCPAのコンテンツ連動型の広告配信をつくることは難しいわけではないと考えられるし、グーグルもかつてはPay-per-actionをベータテストで実施していた(Double Clickの買収によってこのテストを終了し、現在はGoogle Affiliate Networkに一本化しているようだ)。ほかにもCPAのネットワークがあるが、それが主流にならなかったのは、CPAは広告主にとってはいいものだが、完全に広告主サイドの都合のもので、媒体側では収益をコントロールしずらいことにある。なので、媒体側はその掲載をいやがるケースが多いことだろう。

CPCであればうまく広告がクリックされるように配置を工夫したりすることで、媒体側が収益を最大化させることはある程度はできた(これが過度なクリックの誘引だというならそうかもしれない)。CPAだと広告を見てそこから広告主のサイトに訪れた人がどんなアクションを起こすのかは、そのサイトの作りにもよるため、必ずしもコンバージョンが高くなるかは媒体側では計り知れない。したがって、媒体側が受け入れずらいということになる。

また、広告の価格もCPCの場合、クライアント側で想定していた顧客獲得単価を上回ってしまうことはよくあるという。この要因はさまざまだが、CPAの場合は顧客獲得単価そのものを設定するので、キーワードの競争入札だったとしても、クライアント側はある程度は価格をコントロールしやすくなる。したがって、CPCに比べて広告自体の単価は下がる傾向にあるのではないかと、ある広告事業者が指摘してくれた。

ただ、パフォーマンスアドの場合は、こういった広告を表示させる媒体を獲得できないかも、という心配はすぐには必要はなさそうだ。というのも、NHNグループの媒体をフルに活用できるからだ(ライブドアは2010年にNHNグループに買収されている)。ライブドアのLivedoorブログはもとより、HANGAMEのアバターやNAVERのNAVERまとめなどにまずは試験的に表示がなされていくという。

ここで媒体側でも収益が最大化されるように、コンテンツマッチのチューニングや行動ターゲティング、オーディエンスデータなどを組み合わせていくようだ。将来的にはほかの媒体にも広げていって、300億円の売上を目指したいとしている。この試験運用でCPCと遜色なく媒体も収益化ができるのであれば、商品自体はクライアントにとっても悪くはないものなので、多くの人に受けられることにはなるだろう。

広告スペースはクライアント側と媒体側のつなひきで成り立っている商品だ。もちろんCPCであろうがCPAであろうが市場原理で均衡するのであれば、どちらも変わらない単価にはなるのだろうけれど、僕はTechCrunch Japanを運営している以上、ある程度は媒体側の考え方に賛同してしまう。もちろん広告主に対しては最大限の効果が出るように考慮はするつもりだけれど、広告は立脚点が代わってしまえば、とても見え方が変わってしまうものだということだ。

ライブドアは2009年に行動ターゲティング広告のスタートアップ、アドワイアーズを買収して、ジェイ・リスティングに吸収合併させていることを付記しておこう。