Apple、強い反発に妥協―App Storeでの定期講読などへの課金モデルの制限を緩める

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去る2月にAppleは以前から要望されていたApp Storeでの講読講読などへのアプリ内課金モデルを発表した。デジタル雑誌、新聞、その他のアプリがiOSユーザーに対し、簡単に定期的、継続的課金ができるようにするシステムだ。

しかし発表されたモデルには重大な問題があった。今月末から施行される予定のAppleの規定によれば、価格決定についても、コンテンツの販売方法についてもアプリの制作者側にほとんど決定権がなかった。

特に問題となったのは次の点だ。AppleはTime IncやNetflixのようなサービス提供者に対し、 App Storeで販売されるすべてのコンテンツについて、AppStore外で販売される価格と同等かそれ以下であることを要求し、さらに売上の30%をAppleが徴収するというものだった。Appleのこの要求はAmazonのKindleプラットフォームにも大きな影響を与えるはずだった。AppleがKindleアプリを通じて販売されたすべての本の売上の30%を取るというのはAmazonにとって到底受け入れがたい条件だ。

この方針は大きな議論を巻き起こした。あるものはすばらしく合理的な賭けだと賞賛したが、他方(私もその一人だが)、Appleは見苦しいまでに強欲だと批判する声も上がった。 最初の発表からほぼ4ヶ月後、Appleは規定をそっと改定した。最初に気づいたのはMacRumors の記事で、相当大幅な修正だと判明した。

これが当初の規定の文言だ。

11.13 アプリはApp Store外で販売されている指定された種類のコンテンツ(雑誌、新聞、書籍、音声、音楽、ビデオ) を表示し、あるいは再生することができる。App StoreでIAPを通じて販売される価格が外部で販売されている同一コンテンツの価格以下である場合、Appleは外部で販売されている部分について料金の分配を要求しない。この条件は定期購読にも適用される。

そしてこちらがMacRumorsが報じる改訂版。

11.14 アプリ内に指定された種類のコンテツ(特に雑誌、新聞、書籍、音声、音楽、ビデオ)をApp Store外で販売するためのリンクあるいはボタンを設けていない限り、アプリはAppStore外で販売され、あるいは定期購読されている指定された種類のコンテンツを表示し、あるいは再生することができる。この場合、AppleはApp Store外で販売あるいは定期購読される指定された種類のコンテンツの売上に関して一切分配を要求しない。

さて、どういうことなのか? つまりNetflixやTimeのような定期刊行物の発行者は、ユーザーに自社のウェブサイトで定期購読契約を結ばせ、次いでiOSアプリをダウンロードさせることによって、Appleの30%の分配金の要求をバイパスすることができるわけだ。

Appleは依然としてアプリ内に外部での購入が可能になるようなボタンやリンクの設置を禁じているものの、大きな改善であるのは間違いない。また、アプリ内課金の利便性を活かそうとするパブリッシャーはApple’sの30%の分配金を考慮した値付けをすることができる。

Appleのこの改定はFinancial Times始め有力なパブリッシャーがAppleの課金ルールを嫌って、ウェブのみでの販売モデルを構築し始めたことを受けてのものだろう。 同時に多くのパブリッシャーはよりオープンなAndroidプラットフォームをターゲットにしたアプリの開発を始めることをすでに検討しているに違いない。

AppleがiOSデベロッパーに対して強攻策を取り、強い批判に遭って妥協した例は以前にもある。去年、AppleはiOSアプリの開発にあたって、デベロッパーが利用出来るツールに厳しい制限を加えた(AdobleのFlashからiOSアプリへのコンバーターも含まれていた)ものの、数ヶ月後にそれを撤廃した。さらにGoogle Voiceを拒否するという失態があった。AppleはGoogle Voiceが「iPhoneの本質的機能と重なる」という理由でApp Storeへの登録を拒んだが、結局一年後には登録を認めざるをえなくなった事件が記憶に新しい。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01