マーク・ザッカーバーグ、中学の卒業式でスピーチ―「近道はないよ!」
今週は大手テクノロジー企業のCEOが地元自治体と親交を深める週になったようだ。 Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグは昨日(米国時間6/8)、カリフォルニア州メンローパークのベルヘイブン中学校の卒業式でスピーチをした。
この学校でスピーチをしたのには事情がある。Facebookは本社をメンローパークに移転させる計画だ。そこでザック(校長先生によればミスタ・マーク・ザッカーバーグ)はご近所付き合いを始めたわけだ。
「ぼく自身、中学校の卒業式のことはあまり覚えていないね」とザック。なんでも中学時代のことでよく覚えているのは海賊みたいに見える先生がいたことくらいだとか。「きみたちも後で卒業式のことを振り返ってもたいしたことは覚えていないだろう。ともかく中学時代が楽しかったといいと思います」
ザックは「〈できない〉という言葉を使わないようにしよう」と、そこから真面目な話に移った。スティーブ・ジョブズの伝説的な自分が愛することをせよというスタンフォード大学の卒業式のスピーチの中学版だ。彼が強調したのは次の3点。
- 成功に近道はない Facebookのような会社やサービスを作るには自分はこれをやり抜けると信じることが大切だ。やる価値がある物事というのは例外なく困難である。
- 愛する人々との関係こそもっとも重要 愛する人々との関係を育てることに集中せよ。誰も一人では何もできない。すばらしい友人が人生をすばらしく、意義あるものにする。
- 自分が愛せることをせよ 自分が愛することをする限り、困難を乗り切る力が湧いてくるものだ。自分が楽しめること、好きなことに対してなら、ずっとたやすく集中ができる。
ザッカーバーグは世界を変えるような事業を成功させるために重要なことを巧みに表現した。「ある瞬間にすばらしいヒラメキがあって、以後すべてがうまくいくようになるなんてことはありません。何年も何年も懸命に努力して仕事を続けねばなりません。いやしくやる価値があるような物事はすべて大仕事なんです」
もっともちょっと皮肉だったのは、「近道はない」というセリフが文法的におかしい〔There’s No Shortcuts =動詞が単数なのに述語が複数〕のと、それを言ったのが史上もっとも若いビリオネアだったことだ。ところでマークは本当にFacebookを作ったんだっけ? (そうそう、ウィンクルヴォス兄弟との訴訟には勝ったんだった)。
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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)