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Tapadは広告再ターゲティング技術をモバイルに導入する―有力投資家から180万ドルを調達

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オンライン広告関連でもっとも成功しているテクノロジーは再ターゲティングだろう。Googleからスタートアップに至るまで多数のプレイヤーがこれで大金を稼いでいる。広告再ターゲティングというのは、ウェブサイトを見て歩いていると、以前訪問したサイトからの公告がやたらに目につくという、あの現象のことだ。通常のバナー広告よりクリックスルーがはるかに高くなることが実証されている。さてここで、Tapadというニューヨークのスタートアップが、この技術をモバイル・デバイスに導入することを試みている。

Tapadのファウンダー、Are Traasdahlは以前、モバイル・エンタテインメントのスタートアップ、Thumbplayを創立し、CEOを務めたことがある。今回Tapadは有力投資家グループから$1.8M(180万ドル)を調達することに成功した。投資家には、Metamorphic Ventures、Firstmark Capital、Lerer Venturesというベンチャーキャピタルの他に、元DoubleClickのCEO、David Rosenblatt、ClickableのCEO、David Kidder、24/7 Real Mediaの共同ファウンダー、Geoff Judge、AppNexusのファウンダー(元RightMediaのCTO)、Brian O’Kelly、Tacodaのファウンダー、Dave Morgan、OpenXのファウンダー、Scott Switzer、Hashable(元Quigo)のCEO、Michael Yavonditte、SecondMarketのCEO、Barry Silbertといったエンジェル投資家が参加している。さながら著名エンジェル投資家の名鑑を見るようだ。この中には過去10年、オンライン広告に大きな影響を与えた会社を作った人々が含まれている。

どうしてTapadはこれほどの注目を浴びているのか? モバイル領域での再ターゲティングが極めて困難な技術だからだ。iPhoneや iPadといったApple製品はデフォールトでサードパーティのクッキーをブロックする。つまり広告主にとっては巨大なブラックホールになっている。Tapadは現在Android版を提供しているが、来週にはAppleのiOSデバイス版をローンチする予定だ。

Tapadのサービスはモバイル・ブラウザ、モバイル・アプリの双方で再ターゲティングが可能だ。ブラウザでウェブサイトを訪問した後で、アプリを開くと、アプリ中にさっき訪問したサイトの広告が表示される確率が高くなる。Tapadはこのシステムを5、6社の広告主の協力を得てすでに6ヶ月にわたってテストしている。Traasdahは「われわれはウェブとアプリの双方で毎月8億から10億インプレッションのモバイル広告を表示している」と言う。

単にブラウザにクッキーを送り込むだけではスマートフォンやタブレットで再ターゲティングを実現することはできない。たとえばAppleのデバイスではクッキーはセッションが継続している間しか有効ではない。そこでTapadはデバイスのシグネチャー情報、ネットワークIDなどユーザーを特定するためにさまざまな情報を利用する。あるAndroid携帯がウェブサイトを訪問し、数分後に同じWifiネットワークでアプリが起動されたら、それらが同一ユーザーである可能性が高いわけだ。Tapadはモバイルでウェブとアプリの双方からログインできるようにしているサイト運営者からも訪問者データ(個人情報を含まず、有料)の提供を受けている。基本的にTapadはユーザーの特定に当たって、個人情報に頼らず、デバイスの特定によろうとしている。要するに誰であろうと、そのユーザーが最近訪問したサイトが分かりさえすればよいのだ。

Traasdahlは、「Tapadの広告主はパソコンでの再ターゲティングの導入時に似たクリックスルーの改善をみている。クリックスルーは50%から150%も上昇した。しかしわれわれはこのシステムが巨大な規模でも作動することを確認する必要がある」と語った。広告料金はAdmeldの方式に似たリアルタイム・オークションによって1回ごとに決定される(Googleは最近Admeldを4億ドルで買収した)。

Tapadはまだ第一歩を踏み出したばかりだ。モバイル広告の再ターゲティングも始まったばかりだ。いずれにせよ、読者が「外に出れば広告に付け回されないですむ」と思っていたのなら、その考えは甘い。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01