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敵視をやめよう: 日替わりお買い得サイトは悪ではない–そしてその理由

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編集者注記: 本誌はこのところ、日替わりお買い得サービスという業態のあら探しをするゲスト記事をたくさん載せている。この記事は、それらに対する反論だ。Arash Pirzad-AllaeiはKASA Capitalの協同ファウンダで、同社のWebサイトのネットワークの、技術開発を担当している。日替わりお買い得サイトCrowd Cutも、そのネットワークの一員だ。

最近は、日替わりお買い得サイトを敵視する記事を、メディア上に多く見かけるようになった。メディアって、そう、おたくのことですよ、TechCrunchさん。

たしかに、Grouponはこの業界の象どころか鯨になってしまったが、でもGrouponが業界のすべてではない。そしてたしかに、Grouponはときどき、商業者にひどい企画を押しつけるかもしれないが、でもそのことは、日替わりお買い得ビジネスの全体が、これからも安定的に持続して、小企業に利便を提供し続けることはできない、という意味ではない。むしろこのサービスは、正しくやれば、商業者とその顧客と、そしてサービスを提供するサイトの三者に、大きな利益をもたらす。

私がそう言い切れる根拠は、何だろう。たしかに、私には私なりの偏りがある。でもこのところ、この業界に関しては、自薦他薦の安易な“エキスパート”が多すぎるのではないか。弊社KASA Capitalは、2010年5月に、日替わりお買い得サイトCrowd Cutを立ち上げた。それが今では業界の上位に位置し、売上は8桁(数千万ドル)、もちろん利益も上げている。だから私が日替わりお買い得サイトについて語る場合は、直接の経験者として語ることになる。私は毎日、商業者や彼らの顧客と話をしている。主張を、実際の数字で裏付けることもできる。私はこの競技のプレーヤーだ。観客席に座っている自称エキスパートではない。

最初にまず、この業態に関する、ありがちな誤解を解こう:

  • 平均分割率は70/30(商業者の取り分が70)であり、50/50ではない。最近は商業者も賢くなっているから、50/50では企画を受け入れない。
  • 多くの場合、クレジットカードの手数料(2.8〜3.5%)はサイト負担だ。手数料を負担させられた商業者は、サイト選びを間違えたのだ。
  • 短期済度。Google Offersをはじめ、多くの日替わりお買い得サービスは、済度が早い。Crowd Cutは全商業者に対し、企画実施日の5日後に支払う。ほかも、これと大同小異だ(Grouponは最長で、60日にわたり三分割で支払う)。
  • 不使用率は10から35%ぐらい。高価なクーポンほど、不使用率は低い。安価なクーポンは、不使用率が高い。
  • Crowd Cutの場合では、新規顧客はつねに60%以上。もちろんうちは、ちゃんと統計を取っている!

日替わりお買い得企画に関して、ちゃきちゃきのベテラン、という商業者はあまりいない。多くが初心者だ。だから、企画内容についてサイトと話し合うとき、ともすれば商業者側が不利になりがちで、こんな否定的な経験も起こりえる(これもTechCrunchの記事)。でも私が見るところ、いわゆる日替わりお買い得企画のホラーストーリーの原因は、a)企画の内容・条件がひどい、b)結果–来客数、客単価など–を正確に計測していない、c)セールの費用対効果について事前の明確な理解がない、この三つのどれかだ。このTechCrunchの記事では、コーヒーショップが50/50の契約で正価13ドル(この店の平均客単価の2.5倍という無茶!)のメニューを6ドルのクーポンで売り、890枚を売って1万ドルの損失を生じたという。

では、これの費用を正確に計算してみよう:

クーポンの総正味価値 = 890枚 × 13ドル = 11570.00ドル
合計原価 = 11570ドル × 来客数85% × 原価率30% = 2950.35ドル
Grouponからの支払い = 890枚 × 6ドル × 50% = 2670.00ドル
セールの費用 = 原価2,950.35ドル – 得た支払い2,670.00ドル = 280.35ドル

人件費などの変動費や償却などを考慮に入れても、「損失1万ドル」はあまりにも大げさで非現実的だ。しかし、企画(サービスサイトとの契約)の内容がお粗末で、商業者側の準備が欠けていると、新規の顧客をレギュラーにすることが難しく、結果的に、その日替わりお買い得企画に対する悪い後味を、お客の心に残してしまう。しかも残念なことに、それによって、商業者やそのスタッフが、二度と来店しないお買い得企画のお客を、賤民視(”バーゲンあさり人種”)してしまうこともある。お客が再来店しない原因は、ほかのところにあったのに。

それでは次に、正しい企画だった場合のレストランについて見てみよう:

あるレストランが、正価40ドルのメニューを半額の20ドルとするクーポンを1000枚、70/30の分割率で売ったとする。

  • 20ドルのクーポン1枚につき、店の取り分は14ドルなので、総額4万ドル相当のメニューに対して店は14000ドルを受け取る。
  • ただし不使用率があるので、それを仮に18%とすると、メニューの正価総額は4万ではなく32800ドルとなる。
  • 原価率を30%とすると、製造原価は32800ドル × 30% = 9840ドル
  • 原価差し引き後の収入は、14000ドル – 9840ドル = 4160ドル
  • これにさらに、次の3つの要素を考慮に入れよう: a)クーポンの売上に対しクレジットカードの手数料は店側が払わない、b)消費額がクーポンの額以下だった客の比率、c)消費額がクーポンの額以上だった客の比率。でもこれらはいずれも、本稿の趣旨にとってはあくまでも付随的だ。

クーポンによる来客を要予約制にし、セールの正しい上限を設定すれば、レストラン商業者は、クーポン企画によって生ずる変動費の増分を最小に抑えることができる。また、ロッククライミング、ゴルフ、レーザー脱毛のように、元々原価率が低い業種では、上よりもさらに有利な計算が成り立つ。しかし上の例でも、レストラン商業者は単純に原価をカバーできただけでなく、600名以上の新規顧客が費用ゼロで来店することになる。それは、従来の広告費支出では、得られないことではないか? 〔関連記事。〕

Grouponは、日替わりお買い得サービスの代名詞みたいになってしまっているが、でも同社は、この市場の正しい姿を表していない。日替わりお買い得サイトの生命線は、商業者の経験がポジティブであることだ。だから、多くのサイトが絶対的に避けようとするのは、企画が商業者のネガティブな経験で終わることだ。そして、この点さえしっかり自覚していれば、事業の正しい優先事項を設定するのも難しいことではなく、それにより商業者の多くが、これからもサービスのリピート利用者になってくださり、業界の繁栄を支えてくださるだろう。少なくとも弊社Crowd Cutでは、そうなっているのだ。

サイト側の取り分が30%で、済度が5日、クレジットカードの手数料をサイトが持つ、そしてそのほかの高度な顧客サービス。これで一体、経営が成り立つのか?と疑問に思われる読者もおられよう。十分、成り立ちますよ! そして、日替わりお買い得サービスの業態を敵視するみなさんに、これだけは申し上げたい: 批判するなら、プレーヤーを批判しなさい、競技そのものではなく。このサービスは、今や安定確立した業態へと成熟しているのですぞ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))