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小企業はGrouponに近寄るべきではない?–うまくいってるお店のほうが多いのに!

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編集者注記: 以下の記事は、日替わりお買い得業界を批判している本誌連載記事に対する反論だ。筆者のVinicius Vacantiは、YipitのCEO、ここは300あまりのお買い得サイトの情報を集積している”お買い得情報アグリゲータ(aggregator)”だ。

夜のニュースを見ると、毎日必ずどこかで殺人事件が起きてるな、と思ってしまう。そして最近の本誌TechCrunchを 読んでいる、Grouponはどの都市でも小企業を殺しているのだな、と思ってしまう。

日替わりお買い得のセール企画を実施する商業者の数は、年間で数十万には達するから、中にはその企画がうまく行かなかったお店もあるだろう。でも、一握りのそういう例を取り上げて、それが日替わりお買い得サイトに対する商業者の経験を一般的に表していると思うとしたら、それは不適切であり、杜撰すぎる。

日替わりお買い得サイトを批判しているRocky Agrawalの連載記事は、失敗例を取り上げて、これらのサイトに近づくなと小企業に忠告している。Rockyの記事は善意によるものだとは思うが、証拠として取り上げられている失敗例はユーザ企業の一般的な大勢を表していないし、また日替わりお買い得サイトという業態の経済的な側面を基本的に誤解している。

弊社Yipitは毎日、10万件あまりのセール企画を分析対象とするDaily Deal Industry Reportというニューズレターを発行しているが、5月の例では、セール企画を実施したお店の43%が、そのお店にとって二度目以降の実施だった。こんなにも多くの商業者が、だまされているのだろうか? そうではなくて最近では、一部*の商業者たちは、この種のサービスの使い方が、分かってきているのだ。〔*: こちらはスカイダイビング屋さんの成功例。〕

小企業を守ろうとするRockyの動機は立派だが、でもそれらのお店は、数千ではないまでも数百の新規顧客を、無駄のない費用効率でもたらすマーケティングチャネルを、平気で無視できる根拠を持っているだろうか? 小企業の経営が一般的に厳しい中で、イェローページや新聞広告といった従来的なマーケティングチャネルは、ますます効果が薄くなっているではないか。

日替わりお買い得は避けなさいと小企業に言うのではなく、むしろ、なぜ一部のお店は成功しているのかを、理解してもらうべきではないか・

そういう理解があれば、われわれサイト側はほかの業種のお店に対しても、成功例の応用の仕方をお教えできるだろう。

数字が重要

日替わりお買い得企画もマーケティング手法の一種だから、数字が重要だ。でも、日替わりお買い得企画の成功を左右する主な変数は、個々のお店が、その企画の構造や実施の仕方を自店に合わせて調製することにより、最適化できる。

弊社の協同ファウンダJim Moranが書いた日替わりお買い得の経済学というブログ記事に、計算の例がある。その計算は一定の想定に基づいてはいるが、でも小企業にとって十分に参考になるだろう。

まず、小企業が最適化できる二つのもっとも重要な変数とは:

1.余剰高: (overage) この測度は、顧客がお店にもたらす売上のうちの、クーポンの価額を超えた部分だ。余剰高が大きいほど、お店は有利だ。余剰高を増加させるための方法はいろいろあるが、とくに一般的なのは次の二つだ:

  • 戦略的な特売価格 レストランの場合、平均客単価が30ドルなら、30ドル相当のメニューを15ドルで提供する。すると、クーポンの保有者が誰かと一緒に来た場合には、60ドルの食事が45ドルだった、というお買い得になる。
  • 推奨販売 上でリンクしたHacker Newsの記事では、スカイダイビング屋さんが上手な推奨販売を説明している。まず、お客の60%は自分が写っているビデオを買う。さらに40%は、当日に二度目のジャンプをする。

2.再帰率: (return rate) この測度は、お買い得企画を利用したお客が常連客として定着する率だ。Moranの計算例では、この測度がお店に最大の価値をもたらす。ライス大学(Rice University)の研究は、日替わりお買い得セールを肯定している例としてよく引用されるが、それによると、調査対象小企業はクーポン顧客の20%が再帰すると報告している。20%は大きい! クーポンを1000枚売って200名の顧客が再帰するのだ。Moranの計算例も、小企業を十分に満足させる非常に高い再帰率を想定している。再帰率を高めるためにお店にできることは:

  • お客さんに意外性と嬉しさを与える クーポンの利用客は、戸惑いを感じていることがある。お店はそういうお客を幻滅させることなく、むしろ歓迎の意思表示をすべきだ。来店を感謝し、お店について話をする。バーゲン客が心から歓迎されるだけでも、十分な意外性だ。
  • 再帰のための動機を与える 請求の段階でさらに20%割り引く、レストランでは前菜を無料で提供する、など。
  • お客の連絡先情報を集める そしてその人たちに、イベントや特売などをご案内する。
  • 最初の部分のみディスカウントする 講習サービスなどのように今後の段階が複数ある場合は、初回のみをディスカウントする。ユーザがその初回を気に入ったら、次回以降は定常価額で来てくれる。

日替わりお買い得セールのそのほかの計数要素は:

  • 不使用率: 不使用率は通常、10%から30%ぐらいだ。不使用分のクーポンの利益は、そのままお店のものになるサイトが一般的だ(アメリカ、カナダの場合)。
  • 露出: お店のセール企画は、数万、ときには数十万の消費者にメールされる。従来の小企業向けマーケティングチャネルでは、お店はこのような露出だけにお金を払っていた。

小企業が日替わりお買い得サイトを正しく使えば、大きな余剰高を望めるし、またサービスの質によって、再帰率を高めることができる。そうなると日替わりお買い得サービスは、お店にとってたいへん魅力的なマーケティング手法だ。

向き不向きあり

とはいうものの、現在の形の日替わりお買い得サービスは、どの業種にも向いてるとは言えない。今利用者がとても多いのは、サウナ、美容院、レストラン、各種イベント屋さん、アクティビティ(いろんな活動)など、いわゆるサービス業だ。これらの業種は固定費が大きく、在庫は処分可能、そして変動費がとても低い。したがって新規の顧客獲得にかかる実経費が極小なので、大幅値引きが可能だ。このような業種は何百年も前から、ディスカウントをやってきた。

一方、従来型の物販タイプの小売業は、弊社のデータベース上でもとても少なくて、だいたい全セール企画の10%に満たない。

無視すべきでない強力なツール

日替わりお買い得サイト/サービスは、強力で、スケーラブル(小規模〜大規模可)で、新規顧客獲得のための費用効率の良いマーケティングチャネルだ。しかもユーザ企業は、戦略的な値付けや良質なサービスによって、その利用を最適化できる。

小企業を本当に助けたいのなら、日替わりお買い得サイトを避けなさいと言うべきではない。むしろ、この新しいマーケティングチャネルの有利で有効な使い方を小企業に教育することに、エネルギーを割くべきではないか。それをしないのなら、相変わらず彼らに、あの費用効率の悪いイェローページの利用を勧めていることになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))