元Groupon社員が激白: 営業に無理な企画を押しつけられたら絶対拒否せよ

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編集者注記: ゲスト筆者のRocky Agrawalが、日替わりお買い得サービスの深層分析シリーズを続けている(TCjp編集部注:日本語はクーポンビジネスが崩壊する理由パート2)。Agrawalは起業家で、1995年からローカル製品を手がけている。彼のブログはreDesign、ツイートは@rakeshlobsterだ。

Grouponの元社員からもらった2通のメールを読むと、同社の営業の体質が分かるようだ。あくまでも特定の個人の見方にすぎないが、でも外部者ではなくて彼は元社員だ。メールは下に引用するが、率直で公平な見方をしていると私は思う。しかしもちろん、読者各位のご判断もあるだろう。

この情報は、匿名を条件に提供されている。その社員は転職するために自分の意思でGrouponを辞めた。”私には、作り話をしなければならない理由はない。ただ、パパママショップの人たちに、ブームや誇大宣伝に惑わされずにサービスの実態を知ってほしい、と思うだけだ。あなたの連載記事は、すばらしいね”、と、その元社員は私に言った。

要点を列挙しよう:

  • 商業者に対して親身になれる営業もいれば、商業者を邪魔者扱いする営業もいる。
  • 自分のコミッションを大きくすることだけに関心があって、お店に誇大で無理な企画を持ちかける営業もいる。Grouponはそれをそのまま載せるので、その結果、店側は半狂乱になる。
  • 営業は(当然ながら)、顧客の企業からできるだけ多くを絞り取ることを奨励されている。
  • 最後の土壇場で企画が変わることは、よくある。
  • その元社員は、顧客企業は、企画のサイズをはじめ、あらゆる数字を自分で決めるべき(Grouponの営業に決めさせるな)、と主張している。

最初のメールはこうだ(強調は本記事の筆者):

Grouponの営業も、ほかの会社の営業と同じだ。良いリンゴもあれば、腐ったリンゴもある。お客さんである商業者のことを親身になって考える営業もいれば、自分のコミッションにしか関心のない営業もいる。後者は、そんな態度が、お客さんの経費を無意味に増大させることに、気がつかないのだ。

商業者が半狂乱になることは、毎日のようにある。とても対応できないほどのお客が殺到するので、その場しのぎでGrouponとの契約よりも低い上限を設けることになる(そういう過大な企画はGrouponの営業の利益になるだけでお店の利益にはならない。営業は商業者にそのお店がとても対応できないほどのGrouponsを売りつけようとする…最初に安い見積もりを見せて)。契約条件の途中変更という問題が、しょっちゅうある。よそのお店の成功例を営業からさんざん聞かされるので、そのお店として絶対同意すべきでない条件に、つい同意してしまうのだ。

営業にとって商業者は単に自分の仕事の付属物で、馬鹿で厄介もので気が変わりやすい連中だ、と思われている。たしかに、そんな商業者もいる。しかし実際には、商業者は自分の商売が大切、一方、営業は自分のノルマ達成が大切、という大きな落差があるだけだ。

Grouponは資本主義の悪魔たちの巣窟ではない。才能のある、立派な人格者も多い。しかし営業は、顧客企業から絞り取ることを奨励されるので。そのため、商業者にとって悲惨な結果になることが、とても多い。毎日必ず、量的に対応できなくなって、セールに緊急の上限を設けたり、契約条件を変えることが発生している。そういうことが、これまで表沙汰にならなかったのは、それを世間にバラしたらのけ者になり、二度とGrouponを利用できなくなる、と商業者は恐れるからだ。それでなくとも、待機リストには常時膨大な数の企業やお店が載っているので、数か月待たないと目的のクーポンセールができないことはざらにある。

顧客企業が、いつになったらこのような実態を世間に対して語るようになるのか、とぼくはよく考えていた。あなたの最近の記事が、そのきっかけになると思う。結局のところ、小さな企業がGrouponで悲惨な経験をする光景を、見るのはつらいけど、でも、自分のビジネスに関してベストの意思決定をするのは、そのビジネスのオーナーの責任であるはずだ。だから、ときには(いや、最近ではしょちゅう)うますぎる話は真に受けないことが、重要なのだ。

社内そのものの中に”持てる者と持たざる者”の格差があることは、これまであまり大きく取り上げられていない。でも、人が増えるにつれて、問題も大きくなっている。私がいたころも、すでに社内は一触即発のような状況だった。社内のあらゆる側面に、とげとげしさが満ちていた/いる。経営経験のない人たちが会社を経営し、しかもそれが急速にばかでかい会社になっているのだから、あらゆることが荒っぽくなり、しかも毎日の仕事量は膨大だから、安月給に対する不満もつのっている(仕事が多いのはどこのスタートアップも同じだろうが)。経営の荒っぽさは、これまで社内の人間も知らなかった同社の大きな損失にも反映している。

お店や地域の小企業は、安易にGrouponを使うのは危険だということを、もっとよく知ってほしい。多くの小企業が、熱に浮かされたように、ほいほいとだまされてしまう光景は、見ていて胸が痛む。.

二つ目のメールは、詐欺についての質問への答だ:

Grouponや、Grouponのような日替わりお買い得サイトが、地域のお店や小企業の役に立つことは事実だ。でも、それが本当に役に立つためには、経営者自身が打席に立って、いろんな数字(一回の企画のクーポン発行数など)や契約条件を、自分自身で決めることが重要だ。自店にとって妥当な数字や条件をGrouponが飲まなかった場合には、Grouponを使うという前提のその企画は、破棄すべきだ。話はそこで完全に終わりだ。経営的に絶対譲れない線があるのに、そこを超えて、安易にGrouponの言いなりになる企業が多すぎる。

個人的にはこれまで、詐欺的な事案を経験したことはない。でも、お店側がいかがわしい企画を展開することは、今後相当あるだろう。営業は、自分の売上になるならどんな企画でもかまわない、と思いがちだ。だから、中にはアヤシゲな企画もあるし、審査もいい加減だ。顧客の企業やお店は、全員が善良な企業とは限らない。中には、ひどいのもある。あまりにもひどいのは事前に分かるが、でも、買い手は用心したほうがいい。そういう意味では、詐欺的なセール企画や、売り出しの早じまいは、つねにありえる。Grouponは、企画を契約段階では精査するが、そのとき、実施の具体的な細部まではつかめない。Grouponの企画チェック部門は、同社でいちばん強力で重要な部署だ。でも、その人数に対して、毎日扱う売り出し企画の数が、あまりにも多すぎるのだ。彼らの毎日の仕事ぶりは、正気の沙汰ではない。同じく、Grouponのカスタマサービス部門も、顧客と争わない誠実で優秀な部門だが、なにしろ、一日に扱う問題の数が多すぎる。個々の顧客企業のためにベストを尽くそうと思っても、限界があるのだ。

あなたが経営者として日替わりお買い得サイトを利用した経験を、ぜひdailydeals@agrawals.org宛てに、メールで教えていただきたい。

〔この記事は2011年6月16日に米TechCrunchに掲載されたもの。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))