[jp]なぜKDDIがiOSアプリ? それは若手社員の有志による実験的プロジェクト

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昨今のスマートフォンに対するビジネス熱たるや通信キャリアの現場社員の考え方も大きく変えているようだ。KDDIの「七本木プロジェクト」は若手のスマートフォンコンテンツ開発の有志の集まりだが、彼らは自ら開発したiOSアプリとAndroidアプリをまもなくリリースする。Androidアプリはともかくとして、ソフトバンクと競合するKDDIがiPhone向けにアプリを出すことはなんとも不思議なことではある。

今回リリースされるアプリは、iOS向けはグループで旅行する際にその旅程などを共有するソージャ!ソージャ!で、Android向けはモノにチェックインしてそのものの情報を共有するitemloupeである。いずれもKDDIの関連サービスを推し進めるものではなく、あくまでもアプリとして勝負しているものである。KDDIは特にコンテンツ部門を作ったわけではない。これは有志の集まりでプロジェクト化されたもので、それぞれは別に業務に携わっている。

なぜ、こういったプロジェクトが発足したのかについて、プロジェクトのメンバーであるKDDI入社5年目の木村塁氏が教えてくれた。曰く、これは同社の若手メンバーによる実験的プロジェクトで、新しいサービスの開発手法を確立するために立ち上げられたものなんだそうだ。特にスマートフォンにビジネスが移行していくなかで、オープン化が進み、通信キャリアとしてコントロールができる範囲が狭くなっている。かつてはEZ Webのように、自社のプラットフォームでサービスを構築できたが、Androidではその開発手法は異なる。ノウハウを蓄積するためにも、自ら手を動かすことでアプリ開発やサービスの提供を実際に行って見ようというわけだ。もう1つは同社が立ち上げたスタートアップ企業のためのインキュベーションプログラムの∞ラボの存在がある。このプログラムとも同期をとりながら、新しいサービスの開発を進めていきたいとしている。

アプリ開発に際しては、メンバーが自分でコードも書く。大企業にありがちな企画のネタだけ作って、どこかに外注化するのではなくて、自らコードを書くことでOSの持つ問題点や開発プロセスで起きるつまづきなどもノウハウとして蓄積しようというわけだ。したがって、プロジェクトのメンバーはある程度コードが書ける人間が集まっている。大学時代に研究室でコードを書いたという類なので、Objective CやJavaなどの経験はない人もいるようだが、そういった経験を含めて(実際にはTitanimum Mobileを使ってのJavaScriptでの記述のようだが)のノウハウである。自社とは関係のないiOSアプリの開発も経験の1つである。実際の作業はGoogleの20パーセントルールのように業務の一部の時間を使っている。もちろん休日も使ってということもあるようだ。


さて、プロジェクトの話はさておき、肝心のアプリについても話をしておいたほうがいいだろう。

iOSアプリのソージャ!ソージャ!は先ほど書いたように旅程を共有するアプリだが、簡単に言えば「旅のしおり」をアプリ化したもので、友達同士で旅の行く先を決めながら、旅程を作っていくようになっている。作った旅程を誰にでも見せられるようにすることも考えているようで、新しい旅の発見を共有化しようとしている。たとえば、テレビ番組などで実際に紹介された旅程なんかを公開するといったことも考えている。また、旅行をしながら行った場所にチェックインなどもできるというように、旅のしおりから旅のアルバムに変化するようなことも考えているようだ。実際に僕は使っていないのでちゃんとした評価ができていないのだが、これからもまだ機能として盛り込みたいことが多くあるようで、まずはリリースしたという段階のようだ。

なお、iOS向けに開発したのは、このアプリの開発に着手したのが昨年の11月で、Android端末の普及がまだ見込めてない時期だったからだという。

一方、Androidアプリのitemloupeは、はてなモノリスのように商品のパッケージについているバーコードを読み取って、その商品についてのコメントを投稿して、友人どうしで共有しようというものだ。インターフェイスもTwitterやFacebook風に商品の画像や情報とコメントがタイムライン上に現れるようになっている。対象にしているものはコンビニで流通しているような身の回りにあるもののようで、今後はシリーズで販売されているものをコレクションとして集めるといった機能なんかを実装しようとしている。とまあ、こちらは目新しさがあるというわけではない。

いずれもアプリとして荒削りのところがあるが、とにかく実験的プロジェクトである。まずはこんなところなのかもしれない。たとえばアプリ開発者にとってのOSの問題などがあれば、それを通信キャリアとしてフィードバックするといったこともしていきたいとしている。もしかしたら、それは大きな意味があるのかもしれない。いずれにせよ、この活動が価値をもたらすかはこれからだろう。

そうそうまるで見出しが釣りのようだが、NTTドコモもiOS向けのアプリもだしてなくもないね。