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地域商業者の持続的マーケティング戦略としての日替わりお買い得企画

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テクノロジーは新たな喫煙である

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地域の商業者にとっていちばん重要なのは、回収ループ(redemption loop)を閉じることだ。このループは、消費者がそのお店の広告や安売り案内を見たときに始まり、消費者が実際に購入と支払いをして、その購入の源泉となった広告や安売り案内をお店が同定できたときに閉じる。どんなお客が何を見て来ていくら使ったか、という情報は、今後の広告や売り出しの改善に欠かせない。

GrouponやLivingSocialのような日替わりお買い得サイトの多くは、この回収ループをできるかぎり長く延ばすことによって、大きな価値を作り出している*。たとえば誰かがお買い得企画のクーポンなどを買うと、それはお店の売り上げになる。しかしGrouponやLivingSocial自身は、そういう回収が起きたことを記録しないし、お店でのお客の実際の消費額にも無関心だ。〔*: Grouponの支払い済度は悪名高い60日、ほかはもっと短い。〕

したがって、回収ループを閉じ、売り出し企画の効果と実績をお店が具体的に知るためには、お店の支払いシステム(POSなど…実例談)を調べるなど、お店独自の方法に頼るしかない。そのやり方はお店によりさまざまだが、今ではクーポンをメールで送る方法から、モバイルアプリケーションからの配布に切り換えるお店が多い。

Next JumpのCEO Charlie Kimは、最近LivingSocialと提携して、彼の商業ネットワークを日替わりお買い得サイトにも利用させているが、お買い得/安売り情報は、これまでのようなブロードキャスト(無差別ばらまき)から、マトを絞った配布に変わりつつある、と言う。“ニューヨークの全員に情報をばらまいても意味がない”、と彼は言う。“どんな品目でも、情報をばらまきすぎるとそれは単なるノイズになる。このところ、どのお買い得サイトでも、メールの集客効果は急激に落ち込んでいる。1年前には10%ぐらいあった企画でも、今は1〜2%だ”。毎日のようにGrouponやLivingSocialなどからメールがやってくると、ユーザは疲れてしまい、前のように熱心に安売り企画を見なくなっているのだ。

だからこそ、モバイルが魅力的だ。携帯やスマートフォンには位置機能があるので、ユーザの現在位置に近いお店の安売り企画だけを送れる。マトを絞る、ことの第一歩だ。さらに、今後の情報収集次第では、年齢、所得階層、性別、関心事など、さまざまな要素で訴求のマトを絞ることができる。

モバイルと地域商業は、相性が良い。Grouponは今、いくつかの都市でGroupon Nowというものをテストしているし、LivingSocialはInstant Dealsというものをやっている。どちらもお買い得企画がモバイルのアプリの画面に現れ、ユーザは企画の実効化〜クーポンの到着を待たなくても、アプリの表示をそのままクーポン代わりにお店で使える。言い換えると、お店側から見れば、回収が即座に起きる。ただしこの方式では、GrouponやLivingSocialは既存の企画の在庫をため込むことができず、またお店側にiPhoneやiPadを支給してモバイルのお客に対応できるようにし、サイト自身も結果が分かるようにしなければならない。Yelpのやり方もこれと似ていて、ユーザは自分の携帯の画面でクーポンに代わるコードをお店に見せる。

FoursquareFacebookは、American Express(AmEx)と提携して、これとは違うやり方をしている。AmExは支払いシステムだから、お客が支払うと当然その記録が残る。だから商店も消費者も、お買い得企画の利用データに関して特別に何もしなくてよい。ふつうにクレジットカードで払えば、それで回収は終わる。ただし、使えるのはAmExのカードのみ、そして利用代金はあとでカードのアカウントから引き落とされる。

Googleは、同社の日替わりお買い得サービスGoogle Offersを、スマートフォンによる支払いシステムGoogle Walletに結びつけようとしている。Google Walletは、携帯側にNFCチップを要し、お店側にはレジにNFCリーダーが必要だ。しかし、MasterCardやCitiなど、大手の支払いシステムを利用できるメリットがある。NFC技術の大普及には、まだ時間がかかるだろうが。

回収ループを閉じる最重要の要素が、言うまでもなく支払いだ。投資家のChris SaccaがDiggのKevin Roseとのビデオインタビューで語ったところによると、Twitterはスマートフォン用クレジットカードリーダーのSquareを買収すべきである。Twitterは安売り情報の配布チャネルとして最大だし、Squareは回収の仕組みそのものだ。これは、友だち同士の気の置けない会話にすぎないが(二人ともTwitterとは無関係)、しかし、なかなか理にかなっている。

インターネット上のマーケティングは今、広告のインプレッション(到達数)や広告のクリック数といった世界から、オンラインやモバイルから提供する売り出しの企画、それによる実売上の獲得へと移行しつつある。Grouponのようなサイトや、お店側が、その成績や動向を完全に数値として把握できるようになれば、地域商業者の今後のマーケティング戦略は、それまでの子どもの遊びのようなものから、はるかに強力で持続的なものへと変わっていくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))