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Americans Elect

インターネット政党「Americans Elect」の野望と無謀

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アメリカの政治について話そうと思う。ちょっと待って、行かないでくれ、ご心配なく、大丈夫、私はカナダ人だ。あなたがたの国の異常なデススパイラルも、理不尽な血の抗争も、吸血イカ的泥棒官僚も、そして摩訶不思議な積荷崇拝も、私には何も関係ない(そこに否定できないエンターテイメント性があることを除き)。そう、私はあなたの国の両政党のことを言っている。意味のあるものが2つしかないのは実に奇妙だ。われわれには〈5つ〉ある。南のみなさんは、どうしてそんなに少くてやっていけるのだろうか。

私は長い間、アメリカには第3党が必要だと論じてきた ― 〈どんな〉党であれ。しばらくの間、ティー・パーティーがいいかもしれないと思っていたが、彼らはもっとずっと抜け目がなかった。誤解しないでほしいのだが、私は彼らの政治方針が妄想的だと思っているが、彼らが共和党の予備選挙システムの弱点をついてあの党をとりこにしている点については、しぶしぶながら評価している。これはパッチの当たっていないブートローダーをハックしてrootのアクセスを得ることの政治版だ。

今、豊富な資金を調達したスタートアップたちが、インターネットの偉大な力を通じて第3党を誕生させようとしている。いや、それは正確ではない。Americans Electは、全米各州で認定と投票資格を得ようとしている。同時に、そのウェブサイトでサインアップした「代理人たち(delegates)」を、大統領候補を推薦または支持する同好の複数グループへと集約している。第1回の投票によって、候補者は6人からなる第1グループに絞られ、全員が副大統領候補を自党以外から選ばなくてはならない。そして来年4月、オンライン党大会を通じて、これら6人のうち誰がAmerican Electの大統領候補になるかを決める。

これはなかなか気の利いたアイディアであり、ニューヨークタイムズのThomas Friedmanをはじめ多くの人々が、強い関心を寄せている。しかし、悲しいかな私のAEに対する印象は、私のFriedmanに対する印象とよく似ている・・・複雑だが主として否定的。正確な出資者が明かされていないこと、委員会に相当強力な拒否権が与えられていること、そして第1群代理人たちの多様性が欠如していることに対して、かなりの数の非難が集まっている。しかし、私の主たる不満は、そもそも組織が機能しているように見えないことだ。最初からホワイトハウスを目指のは、いくらなんでも性急にすぎる。アメリカに第3党が必要なのはその通りだ。しかし、その第3党は、大統領を狙う前に1州か2州をまず統治する必要がある。

このスタートアップの出自が、ベルトウェイ(ワシントンDC)でありシリコンバレーではないことはすぐにわかる。後者であれば、最小存続可能製品を作る。市あるいは州レベルの政治活動から始め、失敗から学びながら反復していく。逆にAmerican Electは、推定3000万ドルという巨大な賭け金を、念入りに仕立てあげたただ1回のサイコロの目に委ねようとしている。これはあまりにも残念だ。われわれは、ネットを通じて全く新しい政治運動を作り出し、存続させられる〈可能性のある〉時代に入ったばかりなのだ。しかし、American Electの野心的すぎる失敗は、今後しばらくこのアプローチに汚点を残してしまうだろう。

アップデート:風変わりな(=ゼロではない)人たちがコメント欄で、アメリカの「勝者総取り」方式が、第3党の成立を不可能にしていることを示唆している。自国以外の世界をあまりご存じない方のために書いておくと、カナダと英国にも同じく「勝者総取り」投票方式がある。そして、カナダには人々の記憶にある限り3つ以上の政党があり、最近その歴史的「第3党」は、20世紀の大半この国を支配していた政党を超え、英国の歴史的「第3党」は、現在英国政府の一角をなしている。

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(翻訳:Nob Takahashi)