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GoogleはMotorola買収で友だちを増やし、標準化への影響力を高めた

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GoogleのMotorola買収でAndroidの改良は急加速へ

dalecarnegie

GoogleのMotorola Mobility買収についてまず指摘しなければならないのは、対等合併ではないという点だ。長期にわたる携帯電話事業の不振の後、今年1月、Motorolaは分社化を実施した。これに先立ってMotorolaの売上は最盛期(2006年第3四半期)の$10.6B(106億ドル)から2010年の第3四半期には$4.89B(48億9000万ドル)へと大きく落ち込んでいた。2008年から2009年にかけてMotrolaは市場シェアのほとんど半分を失った。そもそも分社化を余儀なくされたのはこのためだ。携帯電話製造以外のすべての事業はMotorola Solutionsに残された。

現在、XoomとDroidの人気にもかかわらず、Motorolaの経営は苦境にある。それ以前―指輪物語ならGoogleが悪のグリマでMotorolaがセオデン王ということになるのだろうが―GoogleがMotorolaの技術者の耳に「Androidの秘密」をささやいたため、MotorolaはすばらしいAndroid製品を送り出せたという伝説がある。現在のMotorolaの製品を見ると、だいぶ議論の余地がある説だが、一時MotorolaがAndroidの星だったのは事実だ。

しかしMotorolaには良からぬ時期となり、SamsungとHTCが市場の主流に躍り出た。両社が次々に新製品を投入してヒットさせる中、Motorolaには二番手のイメージが固定してしまった。

しかし今回の買収によって、今後MotorolaはGoogleのスカンクワークス〔ロッキード社の極秘航空機開発グループ〕となるだろう。その主要任務はGoogleお墨付きの由緒正しい標準Androidデバイスを製造することで、Motorola Mobility自身は未来永劫、金儲けの必要から解放される。Googleの潤沢な資金はMotorolaの開発経費、エンジニアの無料ランチ、セグウェイなどをまかなって余りある。

一方でMotorolaのライバル たちも一斉に歓迎のコメントを出している。

われわれは今日のニュースを歓迎する。GoogleのAndroidとそのパートナー、エコシステム全体の防衛にかける断固たるコミットメントを証明するものだ。-J.K. Shin
Samsungモバイルコミュニケーション事業部社長

GoogleのAndroidとそのパートナーの防衛にかけるコミットメントを歓迎する。
– Bert Nordberg
Sony Ericsson、社長、CEO

われわれは今日の買収のニュースを歓迎する。これはGoogleがAndroid並びにそのパートナー、そして全エコシステムを防衛するために真剣なコミットメントを行っている証だ。-Peter Chou
HTC Corp CEO

われわれはAnroidとそのパートナーの防衛に関するGoogleのコミットメントを歓迎する。
– Jong-Seok Park, Ph.D
LG Electronics Mobile Communications Company、社長、CEO

実を言えば、Androidには、ミツアナグマ同様〔アフリカの小型肉食獣。ライオンも撃退する獰猛さで有名〕、特に保護など必要ないと思う。しかしAndroidメーカー(やAndorid信者)の言うところでは、Androidは細心の注意を払って守り育てなければならないひ弱な花なのだそうだ。Googleはこのイメージを巧みに利用して「Motorolaの買収は全Androidエコシステムの防衛のためのコミットメントの証」であると印象づけることに成功した。もっともHTC、Samsung、LGが喜んでいる理由はそればかりでないだろう。Motorolaが真剣な競争相手ではなくなったせいもあるだろうし、いざとなればGoogleママからのキャッシュの援助が期待できることもあるだろう。

Googleは今や頭から尻尾までAndroidのすべてを所有するに至ったわけだが、かといって、すぐに何かを大きく変えられるわけではない。Nexusシリーズも引き続き開発されるだろうし、Motorolaの新製品リリースも多少の遅れは出るかもしれないが停止はしないだろう。逆にMotorolaは他のAndroidメーカーのエンジニアに対する、いわば大使の役割を果たすことになるだろう。MotorolaはAndroidコミュニティーに対してこのプラットフォームを利用する標準を提供することで、安全に金を儲けるための道しるべとなるだろう。

誰もがそうだと思うが、私はGoogorolaがこれからどんな方向を目指すのかに強い興味がある。私は今回の買収で主要なAndoroidメーカーの一角が独立性を失ったというようには考えない。むしろGoogleが公式に承認するハードウェアが市場に投入されることによって他メーカーのデバイスにおいても互換性が高められ、より魅力的な製品の登場を促すきっかけになるものと期待している。

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(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+