GoogleはMicrosoftを携帯地獄に誘導する気か?

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Briar patch

編集者注記: 本稿を書いてくれたSaul Hansellは、Huffington PostのBig News担当編集者だ。

Larry Pageが、GoogleはMotorolaに着目するようになった、それは同社のパテントがねらいだ、そしてその後、(パテントよりも)同社そのものを買ってしまうのが最良と決断した、と言っている。それは、彼の本音だろう。$12.5B(125億ドル)といえば、Googleの手持ち現金の1/3近いのだから。

でも、この買収の最大の余禄は、MicrosoftがNokiaまたはRIMを買わざるを得なくなったことかもしれない。そうなれば、このどちらかのハンドセットメーカーがなくなり、オペレーティングシステムのコントロールもMSが握ることになる。そしてそれはMicrosoftの勢力を弱め、Googleの重役たちを喜ばせるだろう。

Googleにとって、Motorola Mobility買収に伴うリスクは、$12.5Bという額の割には比較的低い。Motorola Mobilityはすでに、痛みに耐えてリストラを敢行しているし(Motorla Solutionsを分離)、前からすでにAndroid陣営だ。Androidは今後も生き延びるプラットホームだし、CEOのSanjay Jhaは、私の知るかぎりもっとも有能なCEOの一人だ。

Henry Blodgetがいくつかの現実的なリスクを挙げているが、PageがJhaに、これまでどおりやらせるつもりなら、大きなリスクはないと私は思う。HTCやSamsungは心配しているようだが、Androidを捨ててWindows Phoneを取ったほうが有利、とはならないだろう。Motorolaがこれまで、WPといくら親密だったとしても。そしてGoogleにとっては、Androidという宇宙は大きければ大きいほど良い。(Samsungは、パテント問題でAppleともめてはいるが、iPhoneの最大の部品提供者の一人だ。だから、Googleとの関係はやや複雑。)

しかしMicrosoftのリスクは、Nokiaを買っても(買収プレミアムを考慮しない正味の時価総額が$23B)、RIMを買っても($13B)、Googleよりずっと大きい。どちらもメーカー企業として経営のリストラと、アプリケーションが引っ張るスマートフォン市場における、有効な成長策の確立が急務だ。MicrosoftとWindows Phoneに、両者が今喉から手が出るほど必要としているものが、果たしてあるのか? そして、Microsoftが最終的に成功するとしても、そのために要する時間と金はどれぐらいか? Microsoftは、Googleが前から専念している分野に、経営資源を思い切って振り向けることができるのか?

今回の買収に関するそのほかの感想:

Googleのもくろみ: この買収はSteve Jobsの教義: ソフトウェアビジネスにおける最良の方法はそれが動くハードウェアをコントロールすることだ、に倣うものではない。Googleもハードウェアのコントロールを重視しているが、それは自分のデータセンターを動かすハードウェアのことだ。Googleは、骨の髄までクラウド企業だ。同社にとってエンドユーザのハードウェアは、ブラウザが動くデバイスにすぎず、またそのブラウザも、何でもよい。

携帯電話: 携帯電話の市場は、今回の買収によって、何一つ変わらない。買収によって、MotorolaのAndroid製品が変わる、という根拠は見つけづらい。Moto〔Motorolaの愛称〕はすでにGoogleブランドの製品も作っているし、Googleの技術者たちとの協力関係も長い。しかもGoogleのNexus製品は、これまでずっと、市場ではマイナーな製品だった。

テレビ: 家庭のリビングルームには、大きな影響が及ぶかもしれない。Motoは、ケーブルボックスの製造では超大手だ。Google TVは未だに芽が出ないが、これからは一挙に、何百万ものリビングルームに普及してしまうかもしれない。要するに、ケーブルボックスがGoogle TVの機能(インターネット、ブラウザ、でっかい検索ボタン、…)を内蔵すればいいのだから。

未来: Googleは数年後に確実に、製造企業をスピンオフするだろう。Google自身がクライアントハードウェアを作ることはありえないし、家庭の日用品のようなものもGoogleの製品にはなりえない。Larry Pageは、パテント係争におけるGoogleのディフェンスを、Google TVを再び闘いのリングに上げることによってさらに強化し、そしてGoogle自身は前と変わらずクラウドサービスに注力し続けるだろう。もしも彼がMicrosoftをその気にさせて、ハードウェアは重要だから$20Bと何年もの時間を浪費する価値がある、と思わせることに成功したら、さらにモアベターだね。

写真クレジット: Len Burgess

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))