KLabのIPOはソーシャルゲーム企業初のIPO、しかもきっかけは「キャバ嬢」

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昨日、KLabの東証マザーズの上場が承認された。KLabの上場については、過去にもウワサされていたが、この夏に上場というのは業界筋ではほぼ間違いないだろうということだったので、あまり驚く話ではなかった。ただ、KLabは僕の知る限りソーシャルゲームというビジネスが隆盛してから、国内では初となるソーシャルゲーム企業の上場となるはずだ。

古くからこの業界(インターネット、特にモバイル関連)にいる人にとってみると最近の動きはさておき、KLabという会社がソーシャルゲームの会社というと違和感を覚えるかもしれない。

いまから11年ほど前にサイバードの研究開発部門「ケイ・ラボラトリー」として出発したKlabは、モバイル関連の技術ベンチャーだった。その後、紆余曲折もありサイバードの元を離れUSENの子会社となり、さらにはUSENの元も離れSBIに株式を譲渡されていまにいたっている。その間、技術ベンチャーからモバイル向けサービスのソリューションなどを手がける、いわゆるBtoB企業へと姿を変えている。たぶん、こういったソリューションを手がける企業としての顔のほうが馴染みがあるのかもしれない。

ただ、2009年にmixiがそのソーシャルプラットフォームをオープン化するのに伴ってソーシャルアプリを投入し、その後、ソーシャルゲームを専門に手がける子会社KLabGamesを設立(現在は吸収合併している)するなどソーシャルプラットフォームのビジネスに対する取り組みは早かったようにも思える(それ以前には自社のyumyなんていうソーシャルネットワークも運営していた)。そうしてソーシャルアプリの3作目となった育成型シミュレーションゲームの「恋してキャバ嬢」が大ヒットとなり、本格的にソーシャルゲームを手がける企業へと変貌を遂げている。

これは数字を見ても明らかだ。上場申請時の目論見書によれば、前期の2010年8月期の売上はおよそ29億5,300万円(経常利益は約1億3,100万円)。このうち、ソーシャルアプリなどのソーシャル事業は約8億1,000万円(全体の27.4パーセント)、SI事業が約13億9,700万円(同47.3パーセント)、ホスティングやソフトウェアライセンスのクラウド&ライセンス事業が約7億4,000万円(同25.1パーセント)となっている。たしかに突出してこのときはソーシャル事業が大きいわけではないが、その前の決算期と比較すれば、ソーシャル事業だけは285パーセントの成長率となっている。

そして、今期の2011年8月期では、第3四半期までの累計期間(つまり2010年9月から2011年5月)の売上は、ソーシャル事業が約18億4,300万円、SI事業が8億9,000万円、クラウド&ライセンス事業は約6億4,700万円でその他も含む合計は33億8,500万円となっている。すでに第3四半期の累計で昨年の総売上を上回っていて、それを牽引しているのがソーシャル事業であるのがよくわかる結果だ。

グリーやDeNAといった企業を見てもその成長のスピードたるや目を見張るものがあり、ソーシャルゲームの成長には驚くばかりである。とはいえ、ゲームビジネスはコンテンツビジネスの性としてヒット作をリリースし続けなければ、その成長のサイクルも維持できなくなるのは確かだろう。そして、さらにはいままで主流だったフィーチャーフォンからスマートフォンへの対応も必要となってくる。競合も多いことから、同じような成長を描き続けるのは同社としてもまだまだ取り組むべきことはいろいろとあるのかもしれない。

いずれにせよ、今後は会社の価値は株式市場に委ねられることになる。すでにソーシャルゲームを展開する上場企業はあるにはあるが、IPOという意味において、KLabの上場はソーシャルゲームというビジネスに対する世間の評価ということになるのかもしれない。

Klabの公開株価の決定はブックビルディング方式で行われるが、仮条件は9月5日に公開価格決定日は9月14日、そして上場は9月27日に予定されている。

なお、KLab代表取締役社長の真田哲弥氏は学生時代から起業家として活動していたことでもよく知られる人物である。真田氏によって設立されたリョーマやそれを取り巻く環境には、インターネットやモバイルビジネスの中枢に携わっている起業家が多いことはよく知られている。