Androidのおサイフケータイ、Google Walletを詳細レビュー

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私はGoogle Walletを使ってみて、未来をかいま見たように感じた。

断っておかねばならないが、文字どおり未来だ―まだ現時点ではすっかり現実にはなっていない。私はここ何週間かGoogle Walletをテストしてきて、強い感銘を受けた。しかし先ほど公式ローンチしたといっても、読者がGoogle Walletを日常的に利用できるようになるまでには少々時間がかかるだろう。

どのように作動するのか:

去る5月、Googleは「われわれの使命は財布を撤廃することだ」と宣言した。

一部のAndroid携帯に実装されているNFC〔近距離無線通信〕機能を利用してGoogle Walletは携帯電話をクレジットカードに変貌させる。GoogleWalletに参加している店舗でAndroid携帯をNFCカードリーダーにかざすと、クレジットカードをスワイプしたり署名したりする必要なしに、即座に支払いが済んでしまう。

携帯にクレジットカードの役割を負わせるという考えに恐れをなす向きもあるだろうが、Google Walletは(少なくとも理論上)プラスチックのクレジットカードよりはるかに安全性が高い。携帯に画面が表示されていない状態ではNFCチップに電源が入らず、どんな情報も送信されることはない(悪いやつが通りがかりに情報を盗み見ることは不可能だ)。最後の使用から30分経つと自動的にロックがかかり(手動でロックすることもできる)、PIN数字を入力しなければ支払いはもちろん、クレジットカード情報を見ることもできない。

実際に使ってみたところ:

え? なにそれ? もう一回やってみて。

それって本物なの?

うわーーー、すごい!」

私がGoogle Walletを使うたびにレジの向こう側にいる人間は上のような反応を示す。まるで私がバック・トゥ・ザ・フューチャーのマーティーでデローリアンから降りてきたかのような驚きの目で見られるのが常だ。

Walletが正常に作動した場合(ほとんどすべてのカードリーダーで正常に作動した)のユーザー体験は実にすばらしい。作動は素早く、使い方は直感的だ(携帯の画面を表示させ、リーダーにタッチさせるだけでよい。しばらく使っていなかった場合はPINを入力するよう促されるので入力してから再度タッチする。アプリをいちいち手動で起動する必要はまったくない)。レジのキャッシャーは通常のクレジットカード端末と同様、支払いが済んだことを画面で確認するだけだ。自動的に印刷されるレシートを受け取って店を出ればよい。

ただし、動作に問題があると話が少々ややこしくなる。一度だけWalletシステムが動作しないことがあったが、レジ係りにはもちろん原因が分かるはずがない。私の携帯の画面にはSent!という文字が表示されていたが、向こうの端末には何やらエラーメッセージが出て、それっきりらしかった。私はたまたまNFC機能のあるAmExカードを持っていたので、試してみると、こちは問題なく作動した。

使える場所は?

今のところGoogle Walletはクレジットカードが使える場所ならどこでも使えるという状態にはなっていない。NFC機能を備えたカード端末であっても、最新のバージョンでないとWalletには対応できない。このアップデートを実施ずみの店舗はまだ少ない。

とはいえ、カリフォルニアでもさしてハイテクな地方ではないイーストベイでもテストする店舗を探すのには困らなかった。このとき大いに役立つのがMasterCard PayPassアプリだ。これは現在位置(あるいはマニュアル入力した住所)の周辺のPayPass端末を備えた店舗を表示してくれる。私の自宅から5マイル以内には10店舗以上あった。もっともほとんどがJack In The Box〔レストラン・チェーン〕、CVS〔ドラッグストア〕、セブンイレブンだが。

カードリーダーをあらゆる場所に置かせるというのがGoogleにとって最大のチャレンジだ。ただし必要なカードリーダーはGoogle Wallet専用機ではない(上で説明したように、Visa/AmEx/Mastercard用NFCリーダーの最新版であればよい)。クレジットカード会社自身がNFCカードリーダーの普及には力を入れている。しかし、Google Wallet対応カードリーダーがあらゆる店舗に普及するまでは(少なくとも1枚のプラスチックのクレジットカードを入れた)財布は手放せない。

支払い手順:

ローンチ初日では、WalletがサポートするサードパーティーのクレジットカードはCiti Mastercardだけだ。

あいにく私はCiti MCを持っていない(持っているという知り合いも少なかった)。

さいわい、Googleもこの点には気づいていたようで、他の銀行の他のカードしか持っていないユーザーのために、Googleプリペイド・カードが用意されている。ユーザーはどんなクレジットカードからでも、このプリペイド・カードに資金を補充できる。実際の買い物はプリペイド・カードを利用して行われる。一手間増えるのは面倒だが、ともかくこれでクレジットカードさえ持っていれば誰でもGoogle Walletが使えるようになっている。GoogleはVisa、Discover、AmExのクレジットカー
ドを近くサポートすると発表している。残念ながら期日は分からない。またカードの発行金融機関ごとに順次サポートを拡大していくのかどうかも不明だ。

Walletアプリ

Google Walletアプリはほぼ完璧な出来ばえだ。見た目も美しく、デザインも慎重に考えられており、完全に直感的に利用できる。アプリにはPayment Cards(支払クレジットカードカード)、 Loyalty Cards(ポイント・カード)、My Offers(セール情報)、History(履歴)という4つのセクションがある。

支払いクレジットカード ここにはWalletに結びつけられたすべてのクレジットカードが回転木馬式に水平にスクロールして表示される。下の小さなトグルボタンでデフォールトのカードを選択できる。ここには店舗側が発行するギフトカードも登録できる。ただし現在利用可能なのはAmericanEagle(カジュアル衣料チェーン)だけだが、Googleは今後参加店を増やすとしている。私はSubwayが近く参加するのではないかと思う。

ポイントカード 機能も見た目も支払いクレジットカード・セクションとほぼ同一だが、こちらに登録できるのは無数の店舗が発行する「サンドイッチを10個買うと1個無料で差し上げます」式のポイントカードだ。ここでも現在登録できるのはAmerican Eagleのみ。

セール情報 現在位置の付近に所在する過去にユーザーがGoogleの割引クーポンやGoogle Shopperサービスを通じて購入した店舗のセール情報が表示される。

履歴 このセクションはローンチ時点では少々もの足りない。現在表示されるのは支払い日時のタイムスタンプだけだ(ここにスクリーンショットがある)。利用した場所も金額も分からない。Googleの担当者は「〔他の機能は〕ローンチ時点で開発が間に合わなかった。急いでアップデートを準備している」と言っていた。

結論:

Google Walletは魔術的なまでに素晴らしい新システムだ。あらゆる賞賛の形容詞を連ねる価値がある。今日のローンチは、意義深い最初の一歩だ。NFCベースのモバイル支払いシステムが画期的な利便性をもたらすことは世界の誰もが一致して認めている。しかしその実現に向けての動きは(少なくともアメリカでは)今までほとんど表に出ることがなかった。Google Walletはアメリカのユーザーが初めて体験するおサイフケータイである。本格的普及には少なくとも数年かかる(今でも「現金のみ」の店があれほどたくさんあることを考えてほしい)だろうが、Googleが「財布の撤廃」という約束に向けて着実に進み始めたことは確かだ。

下のビデオは私がドライブスルーでWalletを使ってポテトチップを買うところだ

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+