マイクロソフト・リサーチ、20年間の歩み

次の記事

Windows Phone 7.5「Mango」出荷開始

今月は、Microsoft Researchの20周年にあたる。おそらく、あの巨大ソフトウェア会社の中で最も一貫して興味深い部門だ。その実績を時間軸に沿って見てみると、研究内容はCleartypeやスパム検出などの消費者向けのものから、地味なもの、学術的、非現実なものまで多岐にわたる。これらのアイディアを支える人たちの名前が知られることはめったにないが、そこには天才、明確なビジョンの持ち主、勇士、人道主義者などもいる。毎年何十億ドルというお金が、重要だが報われることの少ない取り組みを伴うテクノロジーの、普及と価値向上に費されている。

たしかに、OfficeやExchangeその他のエンタープライズ製品が、Microsoftの収益の大部分を占めているが、私はMicrosoftがオフィスツツール会社として設立されたとは思わない。Microsoftのビジョンは、コンピューターをあらゆる家庭に置き、そのコンピューターをできる限り万能で強力にすることだった。おそらくMicrosoft Researchは、ここ数年の親会社の実態よりも、あの哲学に沿っている。

もし私がMicrosoftで働く場所を選ぶとすれば、迷うことなくResearchだ。残念ながら私は、秀でたコンピューター科学者でもエンジニアでもないので、時析Kinectを使ってリアルタイムで部屋をマップするなどのショッキングな創作を、記事にすることに甘んじる他はない。あの手のものを見ていると、彼らが行っていることに対する私の興奮が高められる。このサイトで紹介されてきた企業には、ささいな問題や、ニッチなアプリケーションに照準を合わせているものがあまりにも多く、どれほど資金を調達したと聞いても、私の感情に訴えることはない。もしInstagramに、年間10億ドルの研究開発費があったら、果たして何に使うのだろうか。もっとフィルターを増やす?

面白いプロジェクトを見つけることに関して、Microsoft ResearchとGoogleは特別簡単だ。両社とも、その成果を外に出したがるからだ。そしてMotorolaの買収によってGoogleは、ハードいじりも始めようとしているかもしれない。おそらくAppleでも相当多くの興味深い研究がなされているだろうが、あそこの秘密主義は詮索を許さない。だから私はMicrosoft Researchが好きなのだ。協業、共有に関する彼らの準学究的モデルによって、論文やデモビデオが誰でも見られるように公開されることも多い。もちろんKinectのような新進プロジェクトに関しては厳しく鍵をかけなくてはならないが、もっと奥深いプロジェクトに関しては、すべて開放されている。

Rob Kniesが、Microsoft Researchのレッドモンド地区ディレクター、Peter Leeの今後数年間の希望的展望と、過去20年間の発見と探究の歴史をここに書いている。同研究所は全世界12施設に850名以上の研究員を擁すまでに成長した。Microsoftは年間90億ドルを研究開発に注ぎ込んでおり、その製品への応用に関しては問題もあるが、それでもMicrosoft Researchは、十分金額に見合うアイディア工場である。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)