ニュース
NAVER(企業・サービス)
LINE(企業・サービス)

モバイルコミュニケーションツールのLINEに無料音声通話機能が加わる

次の記事

YouTubeがテレビ番組と映画の放映権をねらって1億ドルをばらまいている

会員数が2,500万人を超えた韓国で絶大な人気を誇るKakao TalkやFacebookに買収されたBeluga、リリース後間もなくピボットしたナカマップなどスマートフォンを中心としたモバイルコミュニケーションのツールはとても熱い市場になっている。最近になってiOSとAndroidのアプリのダウンロード数があわせて100万を超えたNAVERのLINEもそのうちの1つである。そして今日、LINEは無料音声通話の機能を搭載した新しいバージョンをリリースする。いままでのチャットだけでなく無料通話を兼ね備えることで、SkypeやViberといったプロダクトとも競合することになる。

LINEの興味深いところはコミュニケーションをとる相手の選定方法だろう。というのも、会員登録に必要なのは電話番号のみで、LINE内に登録される「友だち」も互いに電話番号を知っている同士でなければ、初期状態では追加されない。他のアプリでは、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアとの連携やメールアドレスでの会員登録や友だち探しができるが、LINEでは電話番号にこだわっている。それはなぜかといえば、リアルで密なコミュニケーションにこだわっているからだという。

FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアはすでに出会ったことのないバーチャルな友人関係も含まれているとネイバージャパン事業戦略室室長の舛田淳氏は指摘する。携帯電話の電話番号はとてもパーソナルなもので、それを知らせるのはごく親しい関係であるという仮説から、LINEの友だち関係は設計されているわけだ。

もちろん、IDでの検索や実際にリアル出会ったその場で友だちになるBumpのような「ふるふる」という機能も備えているので、必ずしも電話番号だけにこだわっているわけではないのだろうが、実際に知っている友人や家族とのコミュニケーションを大事にしているのは彼らの言葉から間違いがない。

そういう意味では音声通話の機能の実装も納得がいく。チャットはゆるいコミュニケーションになるが、音声による会話は濃密なコミュニケーションだ。薄い関係の知り合いと音声通話をするとはあまり考えられないので、演出としては十分な機能ではある。

ただ、果たして濃密なコミュニケーションをとる関係だけで、ユーザー数が拡大できるのかは疑問である。Kakao Talkなどは調べてみればわかるが、IDの交換をする情報サイトがたくさんあるし、アプリのコメント欄はIDの交換所となっている。多くの場合、見知らぬ人との新たなコミュニケーションに飢えているからこそ、ソーシャルメディアも伸びてきているともいえる。Kakao Talkもこういった使われ方を想定していたわけではないだろうが、このあたりは思想の違いなので最終的にはどういった「友だち」の関係がアプリの成功を導くのかは未知数ではある。

LINEは今回の音声通話以外にも面白い機能を追加している。昨日には通訳機能が加わって、こればボットとして機能するのだが、友だちとして「LINE英語通訳」や「LINE韓国語通訳」を登録して、このボットをグループ会話として加えると、すべての会話を相互に翻訳してくれる。

ほかにもボットには「天気情報」や昨日から始まった「放射能情報」などもあって、チャット越しに天気や放射能に関する情報を教えてくれるようになっている。LINEは友人同士だけでなく、新しいコミュニケーションプラットフォームとしての姿を模索しているようだ。

LINEはNAVERのプロダクトだが韓国での開発ではなくて、日本のチームが開発したもので、英語版、韓国版をリリースしている。日本はもとよりクェートやサウジアラビア、アラブ首長国連邦などの中東地域でもiPhoneのAppStoreで1位を獲得したことがある。対応しているのはiPhone、Androidだけでなくいわゆるガラケーでも使えるようになっている。