iPadが旅客機の燃費を向上させたのは本当か?

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ipad cockpit

Appleの新CEO Tim Cookは、たくさんの例を挙げてApple製品の優位性を今日のiPhoneのイベントで主張した。でも、その中の一つは、相当オーバーに聞こえた。

Cookは、iPadが学校や飛行機の中など、いろんなところで使われていると言った。そして曰く: “コックピットでは操縦士たちが使っている。それらは、紙のマニュアルやログブックや航路地図やチェックリストなどの詰まった重さ40ポンドのフライトバッグを不要にし、操縦士の仕事をより効率的に、そして飛行機の燃費もより効率的にしている”。そして、強調のため、または疑い深い人たちのために、“そう、ほんとですよ”、と念を押した。

操縦士たちがiPadを使っていることは事実だ。8月の本誌記事では、Delta航空が機内テストを開始したとある。iPadに航行ソフトが登場、という記事も載せた。たしかに、操縦士たちの仕事は効率的になっただろう。でも、飛行機の燃費が改善されたというのは、本当か?

操縦士たちが、40ポンドのフライトバッグに代わって、1.3ポンドのiPad 2を操縦室に持ち込んだとしよう。いろいろ出回っている気の利いたデザインのiPadカバーはない、と仮定しよう。万一のためにフライトバッグを持ち込むことも、していないと仮定しよう。するとiPadは、38.7ポンドの積載重量を節約する。副操縦士もそうだと仮定すると、節約重量は77ポンドだ。

そしてもちろん、積載重量が重いほど、飛行機は燃料を食い、軽いほど逆に燃費は良くなる。でも、1フライトあたりの節約重量は小さい。Boeing 757の離陸時最大重量が25万5000ポンドだから、77ポンドはあまりに微量だ。

FAAによれば、乗客一人当たりの平均重量(バッグ持ち込みなし)は186ポンドだ[pdf]。子どもは平均78ポンドだから、iPadによる節約量にほぼ等しい。

Jet A燃料の重量は、1ガロン6.8ポンドだ。そこでiPadによる節約重量は11.3ガロンの燃料に相当する。一機の757が1時間に900ガロンの燃料を燃やす[pdf]から、11.3ガロンは45秒で燃え尽きる。

でも、フライトの回数は多い。だから、節約の総量もかなりのものだ。8月のUnited航空の発表によると、UnitedとContinentalの全操縦士に11000台のiPadを支給し、両社のフライト総数は1日21200以上ある。同社の推計では、年間のジェット燃料節約量は32万6000ガロンになる。また、フライトバッグにあった紙の節約総量は、1600万枚になる。

航空会社によると、iPadは航行をより効率的にしている。そう、ほんとですよ。

〔訳注: 原文のコメントで指摘されているように、この記事に書かれている計算は、物理的にも数学的にも間違い。ただし、iPadの採用で積載重量は確かに減るし、重量が減れば燃費は当然ながら上がる。Cookの主張は、間違いではない。しかし昔からTechCrunchは、数学音痴や統計音痴のライターが多い。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))