一般からの資金集めが特許侵害?–Kickstarterも無知無能な特許行政の犠牲に

次の記事

Apple株、iPhone 5が登場せず5%下落

1953760

Kickstarterはつい最近、生誕から2年半で、成功プロジェクト1万件の達成を祝ったばかりだが、今の世の中の至るところにいる敵、すなわちパテント訴訟にやられている。

そう、おもしろくてオリジナルなアイデアの数々を、コミュニティの力で実現してきたこの、まじめで熱心なサイトが、パテントのライセンス管理だけのために作られたような企業から、ゆすられているのだ。しかし、訴訟がどうなるといった問題以前に、そもそも、そんなもの(一般からの資金集め)がパテントとして認められ得るのだろうか?

そのパテントの題名はこうだ: クリエイティブな作品に融資しマーケティングするための方法と機構。発明者はBrian Camelio、元Journeyのスタジオミュージシャンで(その経験が今の彼を作ったのだろう)、ArtistShareのファウンダだ。ここは、きわめてまともで前向きのサイトで、“ファンが好きなアーチストにレコーディングのための資金を援助したら、制作過程に参加、特別限定版をもらえる、レコーディングセッションにVIPとして招待される、ときにはCDに名前がクレジットされる”、という趣旨。すでに数年活動していて、アーチストの中にはその後グラミー賞を取った人たちもいる。

パテントが申請されたのは2003年だが、たしかにKickstarterのやり方もそれに当てはまるだろう。訴状を読むと、Kickstarterのプロジェクトの特定の一部が対象のようでもある。でも、”〜〜の方法”タイプのパテントの多くがそうであるように、それは実際は、インターネット上の既存のふつうのビジネスのやり方の、一つにすぎない。人びとが芸術的なプロジェクトに協力して何らかのクリエイティブな入力を謝礼としてもらうことは、人類が何千年もやってきたことだ。そのための道具としては、当然、その時代にある道具が使われた。このパテントでは、それをやっているすべてのWebサイトが特許侵害になってしまう。しかし、まともなパテントと違って、ほかの人たちがそれを使っても、発明者側に被害は生じない。言い換えると、このパテントによって発明者の何が保護されるのか、そのかんじんな点が不明だ。このままでは、協力的なシステムやメディアをサーブするWebサイトのすべてが、このパテントに引っかかってしまう。

にもかかわらず、PaidContentの記事によれば、Fan Funded LLCはパテントをKickstarterに強制し、訴訟をちらつかせている。それはまるで、”車輪のついた自動車”にパテントを取り、車を使っている人たち全員を訴訟するようなことだ…しかも、パテントが認可されてすぐに行動を起こしたのだから、すごい。当然Kickstarterは、そのパテントの無効認定を求めている。万一有効だとしても、そのパテントを侵害していないと主張するつもりだ。

いつもと同じく、責められるべきは、技術音痴で何でも無差別にパテントを認めてしまう特許局だ。技術と法に詳しい人なら、このパテントは非自明〔[米国]の項を見よ〕でないとして却下するだろう。少なくとも、ぼくなら却下するね。この件は、今後の情報もアップデートしていこう。

[原文へ]
[jpTechCrunch最新記事サムネイル集]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))