iPhoneを350倍の医療顕微鏡に変える(50ドル以下で)

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iPhoneを(実際には、どのスマートフォンやタブレットでも)医学目的で利用することは新しい話ではないが、いろいろなアプリが作られるところを見られるのは嬉しいことだ。つい先日のDisruptイベントではSmartheartを見たし、Skin Scanのように、黒白腫の検出などの単純な自己監視作業を分散化しようとしているアプリもある。

iPhoneカメラ用の付属品はいろいろ出ている。広角レンズ、望遠レンズ、さらには12倍の顕微鏡レンズまで。しかし、カリフォルニア大学デービス校の研究者たちは、わずかな金額でiPhoneを350倍顕微鏡にすることで、競争を一歩抜け出した。これを使えば、自分の血液細胞をInstagramに投稿できる。

まず言っておかなかければならないが、これはiPhoneに〈しか〉できないという類の話ではない。しかし、この手の概念実証のために、頼りになるデバイスがiPhoneであることは間違いない。使われている技術は後で他のデバイス向けに汎用化することができる。

実はこのプロジェクトは、実に単純で小さなハックだ。1mmの球体レンズを、ゴムシートとテープを使ってiPhoneのレンズ枠外側につける。この小さなレンズは厳密には倍率は5倍しかないが、その焦点を結ぶ方法ゆえに、1.5ミクロンの分解能を持つ小さな焦点領域が作られる。視野が非常に小さいうえに歪みの処理も必要だが、複数の写真の焦点領域を合成することによって、細胞型の同定や、計数、さらには分光測定まで行うことできる。
下の写真を見てほしい。上段が市販の本格的医学顕微鏡で撮影したもので、下段がiPhoneを使用したものだ。

画質に大きな違いがあることは明白だが、価格の違いはもっと大きく、高画質の顕微鏡はポータブルではない。

これはトリコーダーへの新たな一歩と言ってもよい。汎用CPUとモジュール化された入力に万能画像ユニットを備えたスマートフォンは、友達に電話したりAngry Birdsで遊ぶだけよりもはるかに有用だ。モバイル診療所にはならないかもしれないが、お金と電気が手に入りにくい地域では、1台のiPhoneが貴重な診断ツールになり得る。安価な部品と大きな努力によってデバイスの「五感」を拡張することが、冗談ではなく医療の分散化に力を与える可能性を持っているのである。

論文全編はこちらで読める。本研究の資金は、全米科学財団から提供されている。

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(翻訳:Nob Takahashi)