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ミクシィの米国法人設立は投資とアライアンスのためのもの――Bullpen Capitalに間接出資

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アメリカは未来を作り出すために必要な"物語"をなくした,とはどういうこと?

ミクシィが米国法人設立と聞くと、ミクシィも海外での事業を始めるのかと色めき立つ人たちもいるかもしれないが、実際はそうではない。すでに米国では社員数人が滞在しながら投資案件やアライアンスなどを調査してきている。今日発表されたシリコンバレーでのミクシィの米国法人の設立は、この法人を通じてNetService Vneturesのファンド・オブ・ファンドに出資することで、投資やアライアンスの案件の調査を加速させるというものだ。

シリコンバレーに拠点を置くNetService Venturesは関連するベンチャーキャピタル(VC)のBullpen Capitalに出資をすることで、シリコンバレーのスタートアップの動向を得て、それを分析することでミクシィをはじめとするファンド・オブ・ファンドの出資企業にその情報を提供する。

少し話がややこしいのだが、ミクシィ→NetService Ventures→Bullpen Capitalという構図になっている。Bullpen Capitalがユニークなのは、彼らはVCだが、いわゆる大手のVCとは違って大規模な投資をするわけでないところだ(米TechCrunchの記事参照)。最近のシリコンバレーの投資事情は、TechCrunchを読んでいる人なら知っているかもしれないが、SV Angelや500 StartupsといったスーパーエンジェルやY combinatorのようなインキュベーションを手がける少額の投資をする投資家たちが主流となっている。

その背景にはインターネットのビジネスを立ち上げるのに、さほど資金を必要としなくなったことや、ビジネスのアドバイスができる金銭的な成功者たちが増えたことによって資金提供者が増えたといのがあるのだろう。とはいえ、企業の成長のサイクルからすれば、少額以上の資金調達は必要になるのだが、100万ドル以下の資金調達は大手のVCにとっては投資規模としては小さく投資サイズにみ合わないという問題がある。

このエンジェル投資ラウンドとVCの投資ラウンドのギャップを埋める投資家として、Bullpenの存在価値が必要となっているというわけだ。まさにブルペン(リリーフ投手)として登場するというのだろう。

前置きが長くなってしまったが、Bullpen Capitalはこういった背景から、シリコンバレーのアーリーステージのスタートアップの情報がたくさん入ってくる。ただ、あくまでもBullpenはVCだから投資に専念にする。だから、年間1000件にも及ぶシリコンバレーのモバイルやインターネットのスタートアップの情報をリサーチするのは、NetService Venturesが行って、それを彼らの投資家たちにコンサルティングという形で提供しようとしているわけだ。

シリコンバレーの動きを見ていると、半年前の情報はもう陳腐化しているとも言えるスピードで、モバイルやインターネットの世界はめまぐるしく動いている。インターネットで成功した日本の大企業も次の一手を打たなければならない。そういった意味で、リサーチは不可欠である。

グリーやDeNAといった企業はシリコンバレーの企業を買収することで、シリコンバレーの生態系となる投資家や起業家たちのネットワークに入れたたのではないかと予想される。シリコンバレーの生態系に入ることで、生の情報が入ってくるのではないかと思うが、そうでない企業にとっては本物の情報が見えづらいのではないかと思われる。だから、こういったコンサルティングの意味合いはあるのだろう。ほかにもミクシィ同様に日本のインターネット企業からの出資があるようだ。なお補足しておくと、ネットサービス・ベンチャーズは日本人が活躍するファームである。

ミクシィは現在上海に開発拠点の子会社があるのみで、北米の子会社が2番目の海外子会社となる。今述べたように北米の今回の子会社はリサーチ目的だというが、どうやらミクシィではこれとは別に海外事業を目論んでいるようだ。ただ、その地域、提供内容、スタート時期は明らかにされてはいない。