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Wikileaksへの資金供給を断った支払い機関は“藪をつついて(多数の)蛇を出す"

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Wikileaksの使命を認めない人もいる。危険分子だとみなす人たちもいる。いずれにしてもWikileaksに対して否定的な見解の人は、皆無ではない。しかし、一つだけ否定できないことがある。Wikileaksはまともな団体であり、そのリーダーも名前も(場所は明かさないが)サーバも銀行口座もetc.,etc.もある。彼らには原則もある(それを気に入らない人もいるかもしれないが)…ある種の本人性情報は削除する、また、一定の方法でのみプレスに配布する。などなど。

世界的に有力な支払い機関(複数)は、Wikileaksへの寄付を拒絶している。彼らには、そうする権利があるのだろうし、そうしなければ政治家たちの怒りを買っただろう。でも彼らは、自分が何をやっているのかを、理解していない。彼らは、ヒドラ(Hydra)の性質–首を切り落とされると切り口から複数の首が生えてくる–を知らないのだろう。

ヒドラの比喩は数か月前にも使ったが、今回もそのときと同じ幻滅(首が切られた)と安堵(また生えてくる)の両方を感じる。8月には、レコード会社(複数)が、ビデオ共有サイトからビデオをダウンロードさせる、人畜無害で平凡なサイトを遮断した。彼らもまた、その殺戮の本当の意味をまったく理解していない。刃(やいば)が、実は自分に向いていることに、気づいていない。

ビデオの場合は、金と著作権だけが問題だったが、しかしWikileaksはもうちょっと高くつく。

VisaやMastercardなどなどは、Wikileaksをそうやって屈服させたら何が起きる、と期待しているのか? 彼らの動機は明らかに政治的であり、その政治的理由なるものは、政府は人びとからの監視に対して不透明でないとその存在を維持できない、という一種の恐れに根ざしている。Wikileaksには守秘の部分もあるから、完全な透明性を実現したわけではないが、でも、透明性に向かっての動きが始動してしまったという事実は、もはや取り消せない。

Wikileaksは、なぜお金が必要なのか? 大量の情報をふるいにかけ、編集し、タグを付け、配布する作業は膨大だ。プレスを初めとして、彼らのサービスへの需要はある。Napsterの時代から、音楽のダウンロードに需要があったように。でもWikileaksとNapsterは同じではない。Napsterは完全無料、無選別、そしてある意味ではカオスだった。Wikileaksは、リーク情報のグローバルな管理におけるiTunesだ。単一の実体があり、管理主体があり、そしてネットに接続されている(ただしそのことが嫌われている)。Wikileaksという特定の一サービスが遮断されたら、その需要には何が起きるのか?

では、もう一つ教訓的な版画を見よう。

そして、思わせぶりな書き方は、もう止(や)めよう。Wikileaks(や類似のリークサイト)から漏れていた情報は、今後も何らかの、手当たり次第の、便宜的な手段を通じて配布されるだろう。それはカオスであり、制御不能であり、無編集であり、Wikileaksなどよりもはるかに、責任感を有しない人びとの手から投じられるだろう。たぶん、そうなることは避けられまい。それを、急ぐ必要もないけど。

仮に、リークが本当に災いであるとしても、正体が明白に分かっている災いと、今後訪れる正体不明制御不能の災いの、どっちがいいの?、Visaさん?、政府さん? 支払いサービスも政府も、完全に視野狭窄だ。正しい選択ができない。それは、政治がなし得る選択ではないから。というわけで結局のところ、これから訪れるのは、彼らにとって、よりまずい災いである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))