グリーがベンチャーキャピタルを新設

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今日はグリーの決算発表の日なのだが、その内容はまずはさておき、今日グリーはスタートアップ向きな発表をしている。それは彼ら自身が新たにベンチャーファンドを立ち上げたということだ。グリーベンチャーズはグリーの子会社で、この子会社が運用するグリーが100パーセント出資のスタートアップ投資のファンドを立ち上げる。ファンドサイズは20億円で、1件あたり5,000万円から2億円規模の投資、平均して1億円程度の投資を実行していく予定だという。

グリーベンチャーズの代表取締役には田中良和氏が就くが、実際の投資実務責任者には堤達生氏が就任する。堤氏は以前はリクルートで、それ以前はサイバーエージェントでコーポレートベンチャーキャピタルとして投資を務めてきたスペシャリストである。初夏に彼がグリーに移ったときに、グリーが独立したベンチャーキャピタル部門を設立するのではないかというのは噂になっていた。

グリーの投資は、よく知られているように事業シナジーのある会社に投資を実行している。たとえば、国内では古くはイー・ガーディアンのようなサイトの投稿監視業務のアウトソース会社があるし、最近力をいれているソーシャルゲームの分野では、gumi芸者東京エンターテインメントへの出資やハ・ン・ドマインドパレットとの資本提携などがある。あるいは今日発表されたマーズの子会社化などもそのうちの1つだろう。

こういった直接的に事業とつながるものに関しては、今後も本体からの投資からなされるという。一方でグリーベンチャーズは事業シナジーを求めるのではなく、投資のリターンを求める、純粋な投資事業なのだという。

投資領域も国内だけでなく、東南アジアを中心に海外を視野にいれ、その投資額比率も、海外を6割、7割程度に国内は3割、4割と軸足は東南アジアに置くのだという。

投資サイズもシード期への投資ではな、いわゆるシリーズAサイズの投資なので、ここ最近の少額投資のインキュベーターと競合するものではなく、逆に彼らからすれば歓迎すべきものだろう。国内のスタートアップから見てもグリーからの純粋な投資という選択肢を得たことになる。

ただ、疑問も残る。グリーはベンチャー投資としては、DCMとのAファンドB Dash Ventures、IVP Fundといったファンドにも投資をしている。これらと狙いは何が違うのかということだ。堤氏によれば、既存のファンドは情報収集という意味合いもあったのだけが、ファンドから得られる情報は必ずしも多いわけではないという。なので、堤氏が中心となって本体から投資しないような(たとえばゲームやソーシャル以外の)スタートアップな情報なども収集するという役目を追っているようだ。

もちろん、逆にグリーからスタートアップへは、グリーが持つ海外のネットワークなどを提供できるとしている。

すでにこのファンドを前提とした投資では、グロービス・キャピタル・パートナーズとともに投資を実行したオークファンがある。

ライバルのDeNAの投資ファンドとしては、その出資額の多くを出しているインキュベイトファンドが比較されるのだろうが、インキュベイトファンド自体はDeNAの子会社ではなく、完全に独立した形で運営がされているのが大きな違いだろう。