ベータをメーカーと消費者にかぶせるGoogleの犠牲: LogitechがGoogle TVで1億ドルを失う

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Google TVは、それが最初に一般公開された時点ですでに、人びとをがっかりさせた。

2010年のGoogle I/Oに行った人はおぼえていると思うが、デモは失敗の連続で、開発担当者たちですらまともにコントロールできなかった。気まずい沈黙が、何度も訪れた。最後にやっと安定した(と言えるのか?)が、使いやすいインターネットとテレビのハイブリッド、という宣伝文句は、使いやすくないという事実の前に色あせた。

しかしそのぶざまなデモは、序の口にすぎなかった。もうかなり前から、Google TVは不成功という世評が定着し、水曜日(米国時間11/9)に行われたアナリストと投資家向けのイベントでLogitechは、Google TV関連製品の惨状を物語る具体的な数字を明らかにした。すなわち、Logitech Revueで同社がこうむった損失は:

$100M(1億ドル)を超えている。

The Vergeの記事にあるように、Logitechの会長で社長代理でCEOのGuerrino De Lucaによれば、過去15か月の”EMEAとLogitech Revueの失策による営業損失は$100Mを上回る”。

彼の説明では、Google TVの立ち上げ時のソフトウェアは未完成だった。”消費者がリビングルームに望むものを実現していなかったし、さらにコンテンツデリバリをめぐるあらゆる問題が、われわれにとっても脅威となった”。もっと単純に言うと、それはゴールデンアワーの高視聴率番組を提供できなかった。

Logitechが犯した間違いは、その当時定価300ドルだった製品が、2010年のクリスマスシーズンには飛ぶように売れると想定して、大量に生産したことだ。しかし明らかに、そうはならなかった。De Lucaによれば、これに懲りたLogitechは、Revueの後継機の開発をしていない。

Logitechは、未実証の製品に過剰な期待と野心を抱いた。しかし、完熟前のソフトウェアを熱心に売り込みたがるGoogleの激しい欲望の犠牲になったのは、同社だけではない。MotorolaのXoomは、今年の初めにiPadの対抗機種として発売されたが、これもやはり、正規にロンチした製品としては最悪のデバイスだった。使いにくさの原因として、iPadよりもややかさばっていたこともあるが、主な犯人はバグだらけのHoneycomb…Androidのタブレットバージョン…だった。

Googleの欲望としては、Google TVもHoneycombもなにしろ早く出したい。消費者たちに自分のアプリとコンテンツを買わせるために、AppleとGoogleとMicrosoftが三つどもえの戦いを続けている。Googleの考え方では、iOSがライブラリを充実しXboxが人気アプリを揃えた数年後に消費者を寝返りさせるよりも、今、ユーザを獲得するほうが容易だ。

しかし、Google TVでもHoneycombでも、そのやり方は不首尾に終わった。

ベータテストは、フリーソフトなら許されるが、消費者が実際にお金を払う製品でそれをやることは許されない。それに、未熟なソフトウェアを載せた製品を発売して傷つくのは、Googleよりもむしろハードウェアのメーカーだ。消費者が、その使いづらい製品の上に見るものは、メーカーの社名だから、その会社を悪者にする。

しかしその過程でGoogleは、自分の運を失っていく。ロンチパートナーとしてSony、Logitech、Samsung、HTC、Motorolaなどを抱え(その多くがAndroidの新バージョンへの最初期アクセスを望む)、どんなものでも発表できる気でいたとしても、結果が、彼らに粗悪な製品を押しつけることに終わるのなら、Logitechを皮切りに、メーカーのGoogle離れが始まるだろう。

以下に、De Lucaのスピーチから引用しよう(Seeking Alphaより):

第二のミステークはLogitech Revueだが、それは意図のミスでも戦略のミスでもなく、実装の規模のミスだった。しかもそれは、巨大なミスだ。Logitech Revueはご存じのように、Google TV用のセットトップボックスだ。Google TVは、リビングルームに革命をもたらす、すばらしいコンセプトだが、残念ながら弊社がLogitech Revueをロンチした時点では時期尚早だった。Logitech Revueは、完全なロンチではなかった。それをベータとは呼びたくないが、Google TVの立ち上げ時のソフトウェアは未完成だった。消費者がリビングルームに望むものを実現していなかったし、さらにコンテンツデリバリをめぐるあらゆる問題が、われわれにとっても脅威となった。

手短に言うと、弊社は食パンのようなもの〔量販大衆製品〕に投資し、実際にそれを作ったのだ、と考えていた。クリスマスには店頭に行列ができて、その300ドルのボックスを多くの消費者が買う、そう期待して弊社は大量に生産した。それが、大きな間違いだった。私は、GoogleがGoogle TVを成功させてほしいと願うから、また同じことをやるだろう。ただし今度やるとしたら、もっと慎ましやかにやりたい。人間は往々にして、目の前のことは過大評価し、今後の長い時間を過小評価しがちだ。Logitech Revueにおける私の判断は、まさにそれだった。

Google TVやGoogle TVの子ども、それにGoogle TVの孫も今後生まれるだろう。テレビのインターネットへの統合は、不可避である。しかしそれが、2010年のクリスマスに一晩で起きると考えたのは錯誤であり、高くついたミステークだ。ご存じのように弊社は、ボックスの価格を大幅に下げて、消費者が妥当と考えるであろう、と思われる値段に近づけた。それからは、順調に売れている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))